ナポレオンとは?
ナポレオンは、元々ヨーロッパで育成された品種で、現在はさくらんぼの一大産地である山形県を中心に栽培されています。食味や見た目の美しさに優れ、人気品種「佐藤錦」の栽培にも一役買っている、実はすごいさくらんぼなんです◎
そんなナポレオンの味わいには、一体どんな特徴があるのか気になりますよね。ここでは、ナポレオンの味わいや旬の時期、栽培の歴史について紹介します。古くからあらゆる用途に用いられてきたナポレオンの魅力はどこにあるのか、詳しく見ていきましょう!
味や食感
ナポレオンの味わいは、甘みと酸味のバランスが良く、非常に濃厚です。果実は大きめでしっかりと重量感があり、濃厚な食味も相まって食べ応えはバツグン◎頬張ると口いっぱいに弾ける果汁は甘みが強く、芳醇なさくらんぼの風味が残り続けます。
生でそのまま食べても美味しいナポレオンですが、味に深みがあり、甘みも酸味も程よく含んでいるため、ジャムやコンポートなどに加工しても美味しく食べられます。また焼き菓子の生地に加えたり、ケーキのトッピングにしても存在感が薄れず残るため、さくらんぼを使ったスイーツ作りにもおすすめです。
旬の時期
ナポレオンの旬は、6月下旬から7月上旬にかけて。佐藤錦より少し遅く、紅秀峰とほぼ同時期に出回ります。現在、国内におけるナポレオンの栽培は山形県が8割近くのシェアを占めており、主力品種である佐藤錦や紅秀峰の収穫が本格化する傍ら、ナポレオンも順次収穫されていきます。
ただ生食用としてのナポレオンは、見かけることが少なくなってきており、地域によってはスーパーなどの店頭に並んでいないことも。確実に生食用のナポレオンをゲットしたい人は、山形県のJA公式通販サイトや直売所を利用しましょう◎
栽培の歴史
ナポレオンは、古くからヨーロッパの各地で栽培されていた品種で、詳しい来歴は分かっていませんが、日本に導入されたのは明治時代初期といわれています。「ナポレオン」という品種名は、1800年代にフランスの皇帝ナポレオン・ボナパルトが亡くなった後、彼にちなんで名付けられました。
ナポレオンは食用としてはもちろん、交配や受粉樹としても広く活用されており、様々な品種の豊作に役立てられています。また最近では生食より缶詰の需要が高く、大粒で豊産性の高いナポレオンはさくらんぼの加工品にも最適な品種です。
ナポレオンと佐藤錦の関係性
食用だけでなく、交配や受粉樹としても活用されているナポレオンは、日本で最も多く栽培される人気品種「佐藤錦」の親でもあります。またナポレオンは佐藤錦との相性が良く、受粉樹として佐藤錦の栽培を陰で支えています。
日本に古くから導入されたさくらんぼの多くは、品種改良が進むにつれ引退を余儀なくされてきました。その中でナポレオンが現在も根強く生き残っているのは、佐藤錦を生み出した優れたDNAと、受粉樹としての有用性が大きな理由となっています。
2024年さくらんぼ人気ランキング
※2024年4~6月のデータナポレオンのおすすめの食べ方
ここからは、ナポレオンのおすすめの食べ方について紹介します!ここまで紹介したように、ナポレオンは生食用としてはもちろん、缶詰やお菓子作りの材料としても最適なさくらんぼです。
旬の時期にたくさんゲットした際は、ぜひ色んな食べ方でナポレオンの美味しさを堪能してくださいね◎
まずは生でそのまま食べてみて
新鮮なナポレオンは、生でそのまま食べるのがおすすめです。特に完熟したナポレオンは甘みが強く、果肉もしっかりと歯ごたえがあり非常にジューシーです◎
時期になると、山形県の直売所やスーパーなどの店頭に並ぶこともあるので、購入する際は果皮の色づきが濃く、ふっくらとハリツヤがあるものを選ぶと良いでしょう。また食べる前に冷蔵庫や氷水で1~2時間程冷やすと実が引き締まり、より美味しくなりますよ。
正しく保存して美味しさをキープ
購入したナポレオンを保存する際は、温度変化に注意しましょう。常温で購入したナポレオンは常温保存、クール便など冷蔵状態で購入したナポレオンは冷蔵保存してください◎
常温保存する際は、風通しの良い涼しい場所に置き、食べるのが数日先になる場合、保存容器にペーパータオルを敷いたものに移し替えておくと良いでしょう。冷蔵保存する際も、常温保存と同様に容器を移し替え、野菜室で保管しましょう。
ナポレオンは果肉がしっかりしており、比較的日持ちしやすい品種ですが、収穫後はだんだんと品質が落ちてしまうためできるだけ早めに食べるよう心がけましょう。常温保存の場合も冷蔵保存の場合も、最大2~3日以内に食べきるのがベストです。
食べきれないときはアレンジレシピを活用
ナポレオンを数日中に食べきるのが難しい場合は、アレンジレシピを活用して最後まで美味しく頂きましょう!ナポレオンは大粒で味わいも濃厚なため、加工しても風味や食感が損なわれにくいという特徴を持っています。
そんなナポレオンの魅力を最大限に生かすなら、定番のジャムやコンポートがおすすめです!あえて実を潰さずに存在感を残し、ごろっとした果肉の食感をアイスクリームやヨーグルトと共に味わってみてください。
またさくらんぼを使った伝統的な洋菓子「クラフティ」にするのもおすすめ◎クラフティとは、卵、砂糖、牛乳、小麦粉を合わせた生地にさくらんぼをたっぷりと加えて焼き上げたお菓子で、サクふわな食感と素朴な味わいが楽しめます。ナポレオンは生地に混ぜ込んでも負けることなく存在感を発揮するので、生地の甘さをより引き立ててくれますよ。
さくらんぼのアレンジレシピについては、こちらの記事でもご紹介していますので、ぜひご覧ください♪
さくらんぼを食べてJAさがえ西村山の挑戦を応援しよう!
さくらんぼや桃、りんごなどのフルーツをはじめ、日本で有数の「米どころ」としても知られる山形県さがえ西村山地区。豊かで寒暖差のある自然環境と生産者のたしかな技術によって、「さくらんぼの王様」といわれる佐藤錦など、四季折々の美味しい食べ物を全国にお届けしています。
そんなさがえ西村山地区に拠点を置き、山形県の中央エリアを管轄するJAさがえ西村山では、2023年より「環境にやさしい栽培技術」と「省力化に資する先端技術等」を取り入れた「グリーンな栽培体系」を目指し、新たな取り組みをスタートしています。
気候変動問題が世界中のイシューとなる中で、全国の生産者にはカーボンニュートラルの実現に向けて化学肥料の低減が求められています。(みどりの食糧システム戦略)
とはいえ、化学肥料を減らすと、収入減少の怖さがあり、生産者にとって大きな負担を強いる可能性があります。そこでJAさがえ西村山では、バイオスティミュラントという新しい農業資材に着目し、生産者の負担を軽減する、新しい栽培方法の開発に挑戦しています。
【引用元】バイオスティミュラント 活用による 脱炭素地域づくり協議会
特に、栽培過程で生じる「ゴミ」である食品残渣からバイオスティミュラントを生産することで、「食品から食品」を生む環境負荷の低い栽培を実現し、気候変動に負けない、持続可能な産地を目指しています。
現在、さがえ西村山地区では「さくらんぼ」「桃」「りんご」「米」「なす」の5品目でこの取り組みを実施しているそうです。ぜひ、気候変動問題に果敢に取り組む産地の商品を購入して応援していきましょう!