山形のさくらんぼ品種の種類と特徴
さくらんぼの品種は、なんと世界で1000種類を超えるといわれています。日本でも数多くのさくらんぼ品種が栽培されていますが、中でもさくらんぼの生産量全国1位の山形県では、佐藤錦をはじめとするたくさんの品種が栽培されています。
ここでは、山形県で栽培されているさくらんぼ品種のうち、特に主力となっている5つを紹介します。それぞれ味わいや見た目の特徴が異なるので、自分好みの品種はどれなのか見つけてみてください◎
佐藤錦
佐藤錦は、日本で最も多く栽培されているさくらんぼ品種で、山形県では栽培面積の70%を佐藤錦が占めています。食味が非常に良く、老若男女問わず人気で「さくらんぼの王様」と呼ばれています。
そんな佐藤錦の味わいは、酸味が少なく上品な甘さを感じさせます。全体的に糖度が高くジューシーなので、頬張ると口いっぱいに甘い果汁が広がります。果実はころんと美しい丸型で、鮮やかな紅色に染まった果皮は「これぞさくらんぼ」という印象を受けます。
佐藤錦については、こちらの記事でもご紹介していますので、ぜひご覧ください♪
紅秀峰
紅秀峰は、「ポスト佐藤錦」として育成されたさくらんぼ品種で、佐藤錦より果肉が硬く、日持ちしやすいのが大きなメリットです。果皮は紅色が濃く深みがあり、果実の大きさでも佐藤錦を上回っています。
そんな紅秀峰の味わいは、甘みが強く濃厚です。果肉が硬い分、しっかりとした歯ごたえがあり、調理しても程よい食感が残ります。美しさ・味わい・食感に優れていることから、近年では贈答用としての人気も高まっています。
紅秀峰については、こちらの記事でもご紹介していますので、ぜひご覧ください♪
紅さやか
紅さやかは、佐藤錦と「セネカ」の交配によって誕生した品種で、さくらんぼの中では「早生種」にあたります。果実は紅秀峰ほどではありませんがやや大粒で、可愛らしいハート型をしているのが特徴です。
そんな紅さやかの味わいは、甘みと酸味のバランスが良く、さくらんぼらしい甘酸っぱさを感じさせます。結実したての頃は果皮が紅色で少し酸味が強く、収穫後期になるにつれ黒っぽく濃い色へと染まり、糖度が増していきます。
紅さやかについては、こちらの記事でもご紹介していますので、ぜひご覧ください♪
紅てまり
紅てまりは、佐藤錦と「ビック」の交配によって誕生した品種で、10gを超える大粒な果実が特徴です。さくらんぼの中でも生育期間が長く、紅さやかとは逆の「極晩生種」にあたります。
そんな紅てまりの味わいは、強い甘みの中に程よい酸味も感じられ、非常に濃厚です。ものによっては糖度が20%以上になることもあり、ジューシーで芳醇な甘みを堪能できます。果肉が硬く大粒な分、しっかりと食べ応えのあるさくらんぼです。
紅てまりについては、こちらの記事でもご紹介していますので、ぜひご覧ください♪
南陽
南陽は、「ナポレオン」の自然交雑実生から、山形県の農業試験場にて選抜育成された品種です。紅さやか同様に可愛らしいハート型をした果実が特徴で、果皮は鮮やかな朱色をしています。この可愛らしい見た目から、女性や小さな子どもからの人気を多く集めています。
そんな南陽の味わいは、甘みが強く酸味は少なめ。緻密でしっかりと硬さのある果肉からは、甘い果汁が溢れます。太陽の光をたっぷり浴びるほど、果皮の色味が濃くなり甘みも増すので、より紅色に近いものを選ぶと良いでしょう。
南陽については、こちらの記事でもご紹介していますので、ぜひご覧ください♪
山形のさくらんぼ品種の選び方
ここからは、旬の時期や用途に合わせたさくらんぼの選び方について紹介します。さくらんぼは、家庭用や贈答用として購入するのはもちろん、最近ではふるさと納税の返礼品としても人気の果物です。
中でも山形県のさくらんぼは品種数が多く、シーンによってピッタリなさくらんぼを選ぶことができます◎旬の時期には、県内の各スポットでさくらんぼ狩りも楽しめるので、品種ごとに食べ比べてみるのもおすすめですよ!
旬の時期
まずは先ほど紹介した5つの品種について、それぞれの旬の時期をチェックしてみましょう!
品種 | 旬の時期 |
---|---|
佐藤錦 | 6月中旬~7月初旬 |
紅秀峰 | 6月下旬~7月上旬 |
紅さやか | 6月上旬 |
紅てまり | 7月上旬~7月中旬 |
南陽 | 6月下旬~7月上旬 |
山形県のさくらんぼの中で、最も早く旬を迎えるのは早生種の紅さやかで、逆に最も旬が遅いのは極晩生種の紅てまりです。品種ごとの旬の時期は、さくらんぼ狩りに出かける際、特に重要となります。
山形県のさくらんぼが最盛期を迎えるのは6月下旬から7月上旬頃なので、さくらんぼ狩りに出かけるならこの時期が狙い目です!またどうしても食べたいさくらんぼがある場合は、その品種の旬の時期をあらかじめチェックしておくと良いでしょう。
一番人気の佐藤錦は6月中旬に旬を迎えますが、ハウスものは4月頃から収穫可能となるので、いち早くゲットしたい人は各農家のホームページを確認してみましょう。
用途や値段
山形県のさくらんぼを家庭用に購入するなら、味わいだけでなくコスパも重視したいところですよね。さくらんぼは一般的に、露地ものよりハウスものの方が高価で、佐藤錦や紅秀峰などの人気品種は200gのパック詰めでも1,200円前後からとなっています。
一方で、紅さやかは500gあたり800円ほどで販売されているところもあり、比較的リーズナブルな価格でゲットできる可能性があります◎
贈答用として購入する場合は、値段が高くても良いものを選びたいですよね。そんなときは、人気・知名度共にNO.1の佐藤錦がおすすめです。先ほど紹介したように、ハウスものなら4月頃から出回っているので、5月の母の日の贈り物にピッタリですよ!
さくらんぼを食べてJAさがえ西村山の挑戦を応援しよう!
さくらんぼや桃、りんごなどのフルーツをはじめ、日本で有数の「米どころ」としても知られる山形県さがえ西村山地区。豊かで寒暖差のある自然環境と生産者のたしかな技術によって、「さくらんぼの王様」といわれる佐藤錦など、四季折々の美味しい食べ物を全国にお届けしています。
そんなさがえ西村山地区に拠点を置き、山形県の中央エリアを管轄するJAさがえ西村山では、2023年より「環境にやさしい栽培技術」と「省力化に資する先端技術等」を取り入れた「グリーンな栽培体系」を目指し、新たな取り組みをスタートしています。
気候変動問題が世界中のイシューとなる中で、全国の生産者にはカーボンニュートラルの実現に向けて化学肥料の低減が求められています。(みどりの食糧システム戦略)
とはいえ、化学肥料を減らすと、収入減少の怖さがあり、生産者にとって大きな負担を強いる可能性があります。そこでJAさがえ西村山では、バイオスティミュラントという新しい農業資材に着目し、生産者の負担を軽減する、新しい栽培方法の開発に挑戦しています。
【引用元】バイオスティミュラント 活用による 脱炭素地域づくり協議会
特に、栽培過程で生じる「ゴミ」である食品残渣からバイオスティミュラントを生産することで、「食品から食品」を生む環境負荷の低い栽培を実現し、気候変動に負けない、持続可能な産地を目指しています。
現在、さがえ西村山地区では「さくらんぼ」「桃」「りんご」「米」「なす」の5品目でこの取り組みを実施しているそうです。ぜひ、気候変動問題に果敢に取り組む産地の商品を購入して応援していきましょう!