カレーの食べ過ぎによる具体的な影響
早速、カレーの食べ過ぎによる体への影響について見ていきましょう。
カロリーの高さからくる肥満の危険性
肉やさまざまな野菜が具材となるカレー。一見栄養バランスの良い健康的な食事のように思えますが、実はカロリーが高く、毎日食べるとカロリーオーバーを招く危険性があります。
具体的には、一般的なカレーの1食分のカロリーは800kcal程度。これは一日の必要カロリー量(平均的な大人の場合、男性:2500kcal、女性:2000kcal程度)の約3分の1にもなります。これを毎日の食事として摂り続けると、カロリー過多となり、肥満を引き起こす可能性があります。
作り方によってもカロリーは異なりますが、市販のカレールウを使用した場合は脂質が多くなりがちです。またご飯はいつも食べる量よりも多くなる傾向があるため、糖質の摂取量も増えてしまいます。
こういった理由から、肥満はもちろん中性脂肪や血糖値の上昇といった体によくない影響が現れる恐れがあるのです。
塩分の過剰摂取と関連疾患
カレーの味が濃いと感じるのは、カレールーに多くのスパイスだけでなく、塩分も含まれているからです。1食分のカレーに含まれる塩分は3〜4g。1日あたりの食塩摂取量の目標は男性で7.5g、女性で6.5gであることを考えれば、1食で半分以上の塩分を摂取してしまうことになります。
塩分を過剰に摂取すると、高血圧を引き起こす可能性があります。血圧が高い状態が長期にわたると、血管や心臓の大きな負担となり、結果的に心臓病や脳血管疾患を引き起こす恐れも。毎日カレーを食べるとしても、塩分の摂取量には十分注意する必要があります。
食中毒のリスク
カレーを作った日の翌日以降も食べることを考えて、多めに作る方もいるでしょう。作ったカレーを常温保存し、時間が経ってから食べることは「ウェルシュ菌」による食中毒の危険性が潜んでいるのです。
ウェルシュ菌はもともと土壌や水中、動物の腸管内などに広く存在する細菌。高温下など生育しにくい環境のもとでは「芽胞(がほう)」を作るため、加熱しても死滅しません。こうして生き残ったウェルシュ菌は、適温(常温)下で増殖し食中毒を引き起こすのです。
たくさん作ったカレーは、常温のまま放置せず冷蔵保存し、しっかりと再加熱してから食べるようにしましょう。もちろん、調理前に十分手洗いをしたり、野菜をきれいに洗ったりすることも忘れないでくださいね。
体臭への影響
カレーに含まれるスパイス「クミン」は、過剰に摂取すると体臭に影響を及ぼすと言われています。そのため毎日カレーを食べ続けると、体臭がきつくなる可能性もあるでしょう。
毎日カレーを健康的に食べる方法
ここからは、毎日カレーを健康的に食べる方法について紹介します。
具だくさんのカレールウにする
毎日カレーを食べると栄養が偏りがちです。そのため、カレーの具材を工夫して、栄養が偏らないようにしましょう。
定番野菜の玉ねぎやじゃがいも、にんじん以外にも、れんこんやトマト、なす、オクラ、きのこ類などもおすすめ。よりヘルシーに食べたいなら、肉の代わりに大豆やひよこ豆などの豆類を入れても美味しいですよ。
また野菜サラダをプラスすれば、いつものカレーでも栄養バランスが整えられるでしょう。
ご飯の量に注意する
カレーを健康的に食べたいなら、ご飯の量にも注意すべき。いつもの茶碗とは違う器に盛り付けるカレーでは、ついご飯を多く盛ってしまう方も多いでしょう。
ご飯は体に必要な糖質や食物繊維を摂るために役立ちますが、食べ過ぎるとカロリーオーバーを招きやすくなります。大きめのお皿でたくさん食べたいカレーですが、頻繁に食べたいならご飯の量に注意しておきましょう。
同じカレーでも、野菜や豆類などの具材を取り入れることで栄養価がアップし、バランスの良い食事になりますよ。
こちらの記事では、管理栄養士監修のもと、低カロリーで満足感のあるカレーのレシピを紹介しています。具体的な材料や作り方が知りたい人は、ぜひ併せてチェックしてくださいね!
まとめ
一人暮らしの方の中には、手軽さとコスパから毎日カレーを食べるという人が多いかもしれません。しかし、カロリーの高さ、塩分の過剰摂取、食中毒のリスク、体臭への影響など、毎日カレーを食べ続けることには注意が必要です。
一方で、栄養バランスに気をつけたりご飯を食べすぎないようにしたりさえすれば、毎日のカレーが健康的な食生活につながる可能性もあります。一人暮らしの食事は自己管理が大切です。栄養素をバランスを意識しながら、毎日健康的な食生活を送りましょう◎
<参考文献>
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【引用元】バイオスティミュラント 活用による 脱炭素地域づくり協議会
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