【管理栄養士監修 さくらんぼ 栄養】さくらんぼに含まれる栄養成分と効果を徹底解説

【管理栄養士監修 さくらんぼ 栄養】さくらんぼに含まれる栄養成分と効果を徹底解説

初夏の訪れを告げる、人気の果物さくらんぼ。甘酸っぱく爽やかな味わいで、食べはじめるとつい、手が止まらなくなってしまいますよね◎そんな美味しいさくらんぼには、一体どんな栄養が含まれているのか気になる人も多いのではないでしょうか。 そこで今回は、さくらんぼの栄養や気になるカロリーについて紹介します!何個でもつまめてしまうさくらんぼですが、たくさん食べると体にどんな影響があるのか、1日の適量は何個くらいなのかも合わせて解説するので、この夏さくらんぼを思う存分味わおうと考えている人はぜひ参考にしてくださいね♪

さくらんぼの栄養とは?

さくらんぼは小粒で、あまり栄養がないイメージを持っている人も多いでしょう。しかしさくらんぼは「ビタミンの宝庫」と呼ばれるほど、ビタミンCやビタミンB群などをバランス良く含み、体に嬉しい様々な効果を期待できるんです◎

ここではまず、さくらんぼに含まれる主な栄養とその効能について紹介します。さくらんぼを食べることで一体どんなメリットがあるのか、詳しく見ていきましょう!

ビタミン類

先ほど紹介したように、さくらんぼにはビタミンCをはじめとするビタミン類が豊富に含まれており、積極的に食べることで肌荒れの改善や疲労回復に役立ちます。

さくらんぼ10粒(63g)あたりに含まれるビタミン類の含有量は、以下の通りです。

ビタミン含有量
ビタミンB1 0.02mg
ビタミンB2 0.02mg
ナイアシン 0.13mg
ビタミンB6 0.01mg
パントテン酸 0.15mg
葉酸 23.94μg
ビタミンC 6.3mg

さくらんぼは小粒なので、1粒1粒に含まれる栄養素量はあまり多くないものの、バランスが良く、天然のサプリメントとして理想的な果物といえます。中国医学では、さくらんぼは美肌食材として扱われており、旬の時期には毎日食べるという人も多いそうですよ◎

ポリフェノール

さくらんぼには、ポリフェノールが含まれています。さくらんぼの赤い色はポリフェノールの一種「アントシアニン」によるものです。ポリフェノールは抗酸化作用が強く、生活習慣病や動脈硬化などの予防に役立ちます。ポリフェノールは「若返りの栄養素」とも呼ばれ、アンチエイジング効果による老化防止や若返りも期待できます◎

アントシアニンには眼精疲労を緩和する効果があり、パソコンやスマホを日常的に使用する現代人におすすめの栄養素です。

カリウム

さくらんぼに含まれるカリウムには、塩分(ナトリウム)の排出を促す働きがあります。塩分の摂り過ぎは血圧にも大きく影響するため、血圧が高めの方や塩分の摂り過ぎによるむくみが気になる方は積極的に取り入れると良いでしょう◎

特に暑い時期は汗をかく分、塩分を多く摂りがちですが、摂り過ぎてしまった際には、旬のさくらんぼを食べてうまくコントロールできるとより健康的です。

食物繊維

さくらんぼには、整腸作用のある食物繊維も豊富に含まれています。食物繊維は、腸内に溜まった便の排出を促し、便秘解消に役立ちます。ポッコリお腹は便秘が原因となっていることもあるので、気になる人は積極的に取り入れてみてください◎

また食物繊維には、血糖値の上昇を抑える効果もあるため、健康やダイエットを意識している人にもおすすめです。朝食や間食にさくらんぼを取り入れれば、糖が脂肪として蓄積されるのを防ぎ、気になる便秘の解消も期待できるため体の内側からキレイを目指せますよ。

さくらんぼのカロリーとは?

美味しいだけでなく、体に良い栄養も豊富に含むさくらんぼ。でも健康やダイエットを意識する場合、カロリーはどれくらいなのか気になる人も多いでしょう。さくらんぼのカロリーは1粒(6g)あたり約4kcal、糖質は約0.85gとなっています。

しかしこれだけでは、高いのか低いのかいまいち分かりませんよね。以下の表は、さくらんぼのカロリー・糖質量を他の果物と比較したものです。果物を食べるにあたって、カロリーや糖質が気になる人はぜひ参考にしてください◎

カロリー(kcal) 糖質量(g)
さくらんぼ 64 14.2
りんご(皮なし) 53 13.0
いちご 31 6.6
ぶどう(皮なし) 58 14.8
バナナ 93 21.1

さくらんぼのカロリーや糖質量は、他の果物に比べ特別高いということはありませんが、100g食べた場合のカロリーは64kcal、糖質量は14.2gとなり、食べ過ぎると肥満の原因になり得ます。

特にさくらんぼは小粒な分、パクパクと食べ続けてしまうことも多いはずなので、適切な量を守り、食べ過ぎには十分注意しましょう。

さくらんぼの1日の適量は?食べ過ぎによる影響とは?

旬の時期にさくらんぼを毎日食べるなら、1日の適量を守りましょう。厚生労働省と農林水産省の「食事バランスガイド」によると、果物は1日200gが目安となっています。そのためさくらんぼ1日あたりの適量は39粒ほどとなります。この量を守り、旬の味を楽しみながら、効率よく栄養を補給しましょう◎

また先ほど紹介したように、さくらんぼには100gあたり14.2gの糖質が含まれています。気にするほどの数値ではありませんが、極端に食べ過ぎると肥満の原因になり得ますし、栄養バランスも偏ってしまいます。

さらにさくらんぼに含まれるカリウムは、過剰摂取すると手指のしびれや体のだるさを引き起こす可能性があるため、注意が必要です。さくらんぼに限らず、どんな食べ物も摂りすぎは体に良くないので、あくまでも適量を守って食べるよう心がけましょう。

サクランボを食べてJAさがえ西村山の挑戦を応援しよう!

さくらんぼや桃、りんごなどのフルーツをはじめ、日本で有数の「米どころ」としても知られる山形県さがえ西村山地区。豊かで寒暖差のある自然環境と生産者のたしかな技術によって、「さくらんぼの王様」といわれる佐藤錦など、四季折々の美味しい食べ物を全国にお届けしています。

そんなさがえ西村山地区に拠点を置き、山形県の中央エリアを管轄するJAさがえ西村山では、2023年より「環境にやさしい栽培技術」と「省力化に資する先端技術等」を取り入れた「グリーンな栽培体系」を目指し、新たな取り組みをスタートしています。

気候変動問題が世界中のイシューとなる中で、全国の生産者にはカーボンニュートラルの実現に向けて化学肥料の低減が求められています。(みどりの食糧システム戦略)

とはいえ、化学肥料を減らすと、収入減少の怖さがあり、生産者にとって大きな負担を強いる可能性があります。そこでJAさがえ西村山では、バイオスティミュラントという新しい農業資材に着目し、生産者の負担を軽減する、新しい栽培方法の開発に挑戦しています。

バイオスティミュラントは、植物に生理学的刺激を与えることで、環境ストレスを受けたために発揮されていない「農作物が本来持っている能力」を、最大限まで改善する資材として期待されている新しい農業用資材です。 農作物の品質や収量の向上や、栄養吸収率を高めることによる化学肥料使用量の低減などの効果をもたらします。
【引用元】バイオスティミュラント 活用による 脱炭素地域づくり協議会

特に、栽培過程で生じる「ゴミ」である食品残渣からバイオスティミュラントを生産することで、「食品から食品」を生む環境負荷の低い栽培を実現し、気候変動に負けない、持続可能な産地を目指しています。

現在、さがえ西村山地区では「さくらんぼ」「桃」「りんご」「米」「なす」の5品目でこの取り組みを実施しているそうです。ぜひ、気候変動問題に果敢に取り組む産地の商品を購入して応援していきましょう!

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鈴木 亜子

鈴木 亜子 Suzuki Ako

管理栄養士

管理栄養士。大学卒業後、主に医療機関に勤務。チーム医療の一端を担い、生活習慣病どさまざまな疾患の栄養管理に取り組む。得意分野は糖尿病で療養指導や透析予防、重症化予防などを担当した経験も。現在は豊富な栄養相談経験を活かし、健康に関わる分野の記事執筆などを行う。

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