カリウムとは?
まずは、カリウムの働きや1日の必要量について詳しく見ていきましょう!
カリウムの重要性と働き
カリウムは主に細胞内に存在し、細胞外にあるナトリウムと互いに作用し合い、体液のバランスを保っています。そのほか、神経伝達や筋肉の収縮などにも大きく関わるミネラルです。
またカリウムには、食塩の主成分であるナトリウムを体外に排出する作用があります。この働きにより、高血圧の予防や改善に役立つほか、ナトリウムとともに余分な水分も排出するため、むくみを解消する効果も期待できます。
1日に必要なカリウム量
1日あたりのカリウムの摂取目安量は年齢や性別により異なりますが、成人男性では2500mg、成人女性では2000mgです。
また生活習慣病予防目的の摂取目標量は、成人男性では3000mg、成人女性では2600mgとなっています。健康維持のためには、日々の食事でカリウムを適切に摂取することが重要となります。
カリウムの重要性や必要量について詳しく知りたい人は、こちらの記事もぜひ併せてチェックしてくださいね!
カリウムを含む食材
ここからは、カリウムを豊富に含む食材を野菜、果物、肉・魚、海藻の中からそれぞれ紹介します。
野菜類
カリウムは、主に野菜や果物に多く含まれています。カリウムを豊富に含んでいる代表的な野菜には、以下のようなものがあります。
品目 | カリウム含有量 (mg) |
---|---|
ほうれん草 | 690 |
ブロッコリー | 460 |
西洋かぼちゃ | 450 |
れんこん | 440 |
カリフラワー | 410 |
にんじん(皮付き) | 300 |
かぶ(皮付き) | 280 |
なす | 220 |
白菜 | 220 |
トマト | 210 |
きゅうり | 200 |
レタス | 200 |
玉ねぎ | 150 |
※可食部100gあたり
野菜は使い勝手が良く、少量でも食卓に取り入れやすい食材です。また、いも類もカリウムが豊富で、一度に食べる量も比較的多いため、カリウム摂取におすすめの食材といえます。
果物類
果物もカリウムを豊富に含む食材として知られています。特にドライフルーツでは、あんずやマンゴー、そしていちじくがカリウムを多く含んでおり、栄養価が高いことが特徴です。カリウムを豊富に含んでいる代表的な果物には、以下のようなものがあります。
品目 | カリウム含有量 (mg) |
---|---|
干しあんず | 1300 |
ドライマンゴー | 1100 |
ドライいちじく | 840 |
干し柿 | 670 |
バナナ | 360 |
メロン(露地・緑肉種) | 350 |
キウイフルーツ(緑肉種) | 300 |
あんず(生) | 180 |
温州みかん | 150 |
りんご | 120 |
カリウム摂取のためには、生の果物を主軸とし、りんごや桃、温州みかんなど季節の果物を取り入れるのもおすすめです。ドライフルーツは糖質を多く含むため、食べ過ぎに注意し、補助的に取り入れると良いでしょう。
肉・魚類
カリウムは肉・魚類からも摂取することが可能です。カリウムを豊富に含んでいる代表的な肉・魚には、以下のようなものがあります。
品目 | カリウム含有量 (mg) |
---|---|
鶏ささみ | 410 |
豚肉(ヒレ) | 430 |
さわら | 490 |
まだい | 490 |
※可食部100gあたり
なお、カリウムは調理過程で水溶性のため流出してしまいます。そのため、肉・魚を調理する際は、煮物やスープなどで流出したカリウムも一緒に摂取できる調理法を選ぶことがおすすめです。
海藻類
海藻類は、カリウムを豊富に含む食材として知られています。特に、「ひじき」や「昆布」はカリウム含有量が非常に多いです。カリウムを豊富に含んでいる代表的な海藻には、以下のようなものがあります。
品目 | カリウム含有量 (mg) |
---|---|
ひじき | 6400 |
刻み昆布 | 8400 |
焼きのり | 2400 |
※可食部100gあたり
ただし、これらは主に乾燥状態で販売されているため、一度に大量に摂取することは難しいかもしれません。それでも、それぞれの海藻の特性を活かした調理法で、日々の食事に取り入れることで、適度なカリウム摂取が可能です。
カリウムを効率的に摂取する方法
ここからは、カリウムを効率的に摂取する方法を紹介します。
生で食べる
カリウムは、熱に強い成分ではありますが、水に溶けやすいという特性を持っています。これは、食材を水にさらすとカリウムが流れ出てしまうという意味です。したがって、食材を生で食べることで、その食材が元々持つカリウムを最大限に摂取することが可能となります。
スープにして食べる
カリウムは水溶性のミネラルであり、調理過程で水に溶け出してしまうことがあります。しかし、その溶け出たカリウムを無駄にしないためには、食材をスープにして食べるという方法が有効です。
たとえば、牛もも肉やさわらなどの動物性食品にもカリウムは多く含まれており、これらを煮物やスープにすることでカリウムを逃がさずに摂取することが可能です。
また、野菜や海藻もスープにすることで、食材から溶け出たカリウムを効率よく摂取することができます。具体的には、ほうれん草やブロッコリーなどの野菜や、ひじきや昆布などの海藻類を使ったお吸い物や味噌汁などがおすすめです。
加工度の少ない食材を選ぶ
カリウムは、調理過程での損失が大きいミネラルです。そのため、冷凍野菜や水煮野菜では、生の状態と比べてカリウム含有量が低いことが考えられます。
冷凍野菜や水煮野菜は便利な食材ですが、カリウムを意識的に摂取したい場合はあまり適さないかもしれません。
カリウムが豊富な食材を使ったレシピ集
ここからは、カリウムが豊富な食材を使ったおすすめレシピを紹介します。
野菜を使ったレシピ
カリウムが豊富な野菜を使った一例として、「ほうれん草とブロッコリーのガーリックソテー」と「西洋かぼちゃとれんこんの味噌汁」をご紹介します。
献立 | 材料 |
---|---|
ほうれん草とブロッコリーのガーリックソテー | ほうれん草、ブロッコリー、オリーブオイル、にんにく |
西洋かぼちゃとれんこんの味噌汁 | 西洋かぼちゃ、れんこん、味噌、ダシ |
「ほうれん草とブロッコリーのガーリックソテー」は、カリウムを多く含むほうれん草とブロッコリーをオリーブオイルでソテーし、にんにくで風味付けを行います。
また「西洋かぼちゃとれんこんの味噌汁」もおすすめです。水溶性のカリウムはスープに溶け出るため、味噌汁などの汁ものに使用することで効率的にカリウムを摂取することが可能です。
果物を使ったレシピ
カリウムを豊富に含む果物として、りんごやバナナ、キウイフルーツなどが挙げられます。例えば、りんごを活用したレシピとして、「りんごのヨーグルトスムージー」がおすすめです。ミキサーにりんご1個、牛乳200ml、ヨーグルト100gを投入し、りんごの果肉がお好みの食感になるまで混ぜます。カリウムだけでなく、食物繊維やカルシウムもしっかり摂れる一品です。
また、ドライいちじくや干し柿などのドライフルーツもカリウムが凝縮されています。そのまま食べても良いですが、シリアルやヨーグルトに加えると一層栄養価が上がります。
肉・魚を使ったレシピ
まず、カリウムが豊富な肉・魚類から「さわら」と「鶏ささみ」をピックアップ。これらを使った簡単なレシピをご紹介します。
さわらのグリル
さわらに塩を振り、オーブンで焼くだけのシンプルなレシピ。焼き時間は200度で約15分。カリウムを逃さないため、余分な水分を出さないように注意してください。
鶏ささみと野菜のスープ
いろいろな野菜と鶏ささみで、食べごたえのあるスープを作ってみてはいかがでしょうか。カリウムは水に溶け出しやすい性質がありますが、スープなら丸ごと摂取できます。トマト味やコンソメ味など、お好きな味付けで試してくださいね。
カリウムは健康維持に欠かせないミネラルですが、意識して摂取しないと不足しがち。日々の食事にこれらのレシピを取り入れ、健康な体を維持しましょう。
カリウムの不足や過剰摂取による体への影響
ここからは、カリウムの過剰摂取・不足による影響と、注意が必要な人の特徴につ付いて解説します。
カリウムの過剰摂取とその影響
通常の食品を摂取する場合、健康に問題がない場合にはカリウムの過剰摂取の心配はありませんが、以下のようなケースでは注意が必要です。
- サプリメントなどからカリウムを摂取している方
- 腎機能が低下している方
カリウムはさまざまな食品に含まれているため、サプリメントなどからカリウムを補おうとすると過剰摂取となる可能性があります。
また腎機能が正常であれば、食品から摂取したカリウムは尿として排泄されます。しかし腎機能が低下している場合はカリウムがうまく排出できず、血液中のカリウム値が非常に高くなる「高カリウム血症」となる恐れがあります。高カリウム血症があると不整脈を引き起こすリスクが高まり、最悪の場合は心停止を起こすため大変危険です。
腎機能の低下を指摘されている方は、カリウムの摂取について医師の指示に従いましょう。
カリウムの不足とその影響
カリウムの不足は、脱力感や食欲不振、精神障害、不整脈といった症状を引き起こします。
また、カリウム不足は血圧の上昇にも関わります。そのため、カリウムの不足によって高血圧が長期に渡ると、心疾患や脳血管疾患のリスクも高まるでしょう。
これらのリスクを避けるため、バランスの良い食事によって適切な量のカリウムを摂取することが大切です。
まとめ
今回は、カリウムが豊富な食材について詳しく解説し、その摂取方法やおすすめレシピも紹介しました。ポイントは、野菜、果物、肉・魚類、海藻類など様々な食材にカリウムが豊富に含まれていることと、これらを活用したレシピを通して、日々の食事で効率的にカリウムを摂取する方法を知ることです。
ただし、カリウムの過剰摂取や不足は健康に影響を及ぼすため、適切な摂取量を守ることが大切です。また、食材の選び方や調理方法によってもカリウムの摂取効率が変わるため、生で食べたり、スープに入れたり、加工度の少ない食材を選ぶなどの工夫が有効です。
カリウムが豊富な食品を取り入れて、健康で豊かな食生活を送りましょう!
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【引用元】バイオスティミュラント 活用による 脱炭素地域づくり協議会
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