やまがた紅王とは?
やまがた紅王は、世界最大級のさくらんぼを生み出すべく開発された品種で、大きさは直径25ミリ以上の大玉で、特に大きいものは34ミリを超えることもあるのだとか!2020年(令和2年)に品種登録されたばかりの新品種ですが、その規格外の大きさからすでに話題となっています。
そんなやまがた紅王の味わいには、一体どんな特徴があるのか気になりますよね。ここでは、やまがた紅王の味わいや旬の時期、栽培の歴史について紹介します。やまがた紅王に秘められた、新たなさくらんぼの魅力を詳しく見ていきましょう!
味や食感
やまがた紅王の味わいは、酸味控えめの上品な甘みが特徴です。糖度は20度と高めで、佐藤錦並み。果肉はしっかりと硬く、シャクシャクとした心地よい歯ごたえがあります。そして何よりその大粒な果実が魅力的で、本来は小粒な果物であるさくらんぼとは思えないほど、食べ進めていくうちにずっしりと満腹感を得られます◎
やまがた紅王の魅力を最大限に味わうなら生食が最もおすすめですが、大きさに反して味わいは非常に上品なので、他の食材と合わせて調理しても美味しく食べられます。また食感を生かしたままジャムに加工すると、ごろっとした果肉の存在感が際立ち、ヨーグルトやアイスクリームとの相性もバツグンです!
旬の時期
やまがた紅王の旬は、6月下旬から7月上旬にかけて。ちょうど佐藤錦と紅秀峰の間くらいの時期に出回ります。ただ、やまがた紅王は2020年に品種登録された新品種で、2022年に先行販売が実施されたばかり。スーパーや八百屋さんなどで見かけることは、まだまだ少ないでしょう。
2023年には全国に向け本格販売が予定されているので、確実にゲットしたい人は6月以降、山形県のホームページや各JAの公式サイトをチェックしておくと良いでしょう◎
栽培の歴史
やまがた紅王の栽培は、1997年(平成9年)山形県農業総合研究センター園芸農業研究所にて、「紅秀峰」と「C-47-70」という「紅さやか」と「レーニア」をかけ合わせた品種の交配からスタートしました。この2つの品種の親和性は低く、開発には実に20年もの歳月がかかりました。
その後、2020年(令和2年)に「やまがた紅王」として正式に品種登録され、直径25ミリ以下のものは「山形C12号」とするよう決定しました。つまり「やまがた紅王」という名称で販売できるのは直径25ミリを超えるものに限り、これまでにないほど厳しい出荷規格が設けられています。
やまがた紅王はどこで買える?
先ほど紹介したように、やまがた紅王は2020年に品種登録されたばかりの新品種で、さらに厳しい出荷規格も設けられているため、現状では全国どこでも購入できるというわけではありません。
やまがた紅王を購入するなら、山形県のJA公式通販サイトや、直売所を利用しましょう◎これらの販売元でも、数量が限られていることが多いので、逃さずゲットしたい人は6月以降、こまめにサイトをチェックすることをおすすめします!
やまがた紅王の選び方
やまがた紅王を直売所などの店頭で購入する場合は、できるだけ新鮮で食べ頃なものを選びたいですよね◎店頭でやまがた紅王を選ぶときは、以下のようなポイントに注目してみてください。
- 全体がムラなく鮮やかに色づいている
- 果皮にハリツヤがありふっくらとしている
- 軸が緑色でしっかりしている
やまがた紅王は大粒な果実が何よりの特徴ですが、色づきも良く鮮やかで、新鮮なものは果皮にハリツヤがあります。全体がムラなく紅色に染まり、ツヤツヤと輝いているものを選べば、美味しいやまがた紅王をゲットできるはずです!また、やまがた紅王は軸もしっかりしているので、より緑色が鮮やかで太さを感じるものを選びましょう。
店頭では実物のやまがた紅王を自分の目で見て選ぶことができるので、そのメリットを生かし、ぜひ美味しいやまがた紅王を見極めてくださいね。
サクランボの選び方については、こちらの記事でもご紹介していますので、ぜひご覧ください♪
2024年さくらんぼ人気ランキング
※2024年4~6月のデータやまがた紅王の保存方法
やまがた紅王は果肉が硬く、佐藤錦など他の品種に比べ日持ちするという利点があります。しかしさくらんぼは非常にデリケートな果物で追熟もしないため、収穫後は短い間しか美味しさをキープできません。
やまがた紅王を保存する際は温度変化に注意し、常温で購入したものは常温保存、クール便など冷蔵状態で購入したものは冷蔵保存しましょう。どちらの場合も、保存容器にペーパータオルを敷いたものなどに移してから保管します。
常温保存する場合は、風通しの良い涼しい場所に置き、1週間以内を目安に食べきることをおすすめします。冷蔵保存する場合は、野菜室で保管し、最大でも2週間、できれば1週間以内に食べきるよう心がけましょう◎
さくらんぼの保存方法については、こちらの記事でもご紹介していますので、ぜひご覧ください!
サクランボを食べてJAさがえ西村山の挑戦を応援しよう!
さくらんぼや桃、りんごなどのフルーツをはじめ、日本で有数の「米どころ」としても知られる山形県さがえ西村山地区。豊かで寒暖差のある自然環境と生産者のたしかな技術によって、「さくらんぼの王様」といわれる佐藤錦など、四季折々の美味しい食べ物を全国にお届けしています。
そんなさがえ西村山地区に拠点を置き、山形県の中央エリアを管轄するJAさがえ西村山では、2023年より「環境にやさしい栽培技術」と「省力化に資する先端技術等」を取り入れた「グリーンな栽培体系」を目指し、新たな取り組みをスタートしています。
気候変動問題が世界中のイシューとなる中で、全国の生産者にはカーボンニュートラルの実現に向けて化学肥料の低減が求められています。(みどりの食糧システム戦略)
とはいえ、化学肥料を減らすと、収入減少の怖さがあり、生産者にとって大きな負担を強いる可能性があります。そこでJAさがえ西村山では、バイオスティミュラントという新しい農業資材に着目し、生産者の負担を軽減する、新しい栽培方法の開発に挑戦しています。
【引用元】バイオスティミュラント 活用による 脱炭素地域づくり協議会
特に、栽培過程で生じる「ゴミ」である食品残渣からバイオスティミュラントを生産することで、「食品から食品」を生む環境負荷の低い栽培を実現し、気候変動に負けない、持続可能な産地を目指しています。
現在、さがえ西村山地区では「さくらんぼ」「桃」「りんご」「米」「なす」の5品目でこの取り組みを実施しているそうです。ぜひ、気候変動問題に果敢に取り組む産地の商品を購入して応援していきましょう!