はじめに
代表的な冬野菜のひとつであるネギは、冬になると鍋物や煮物など様々な料理で大活躍します。
そんなネギですが、「風邪をひいたらネギをたべるとよい」であったり、「首にネギを巻くと風邪が治る」という話を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。子供のころからそう言われてきたからと、なんとなく信じている人も多いと思いますが、そもそもこの話は本当なのでしょうか。
そこで、今回は「ネギは本当に風邪によく効くのか」を検証します。
「首にネギを巻くと風邪が治る」は本当!?
風邪に関する様々な言い伝えのなかでも、「ネギの首巻き」の話は特に信じがたく、ただ臭いだけではないかという気もしてきます。しかし、実はこの方法、効果がないと完全には言い切れないのです。
ネギは特有のつんとした匂いを持っています。この匂いの原因は「アリシン」という物質で、殺菌効果や疲労回復効果を持っています。そして、アリシンは風邪にも効くと言われているのです。
アリシンは揮発成分で、首にネギを巻くと口や鼻から体内に吸収されます。ただし、この方法で吸収されるアリシンは微量のため、本当に効果が出るかは不透明な部分があります。以下にネギの首巻きの作り方をご紹介します。
ネギの首巻きの作り方
まず、生の白ネギに切り込みを入れていき、ネギが曲がりやすいようにします。
たくさん切れ込みを入れることによって、切れ目からより多くのアリシンが発生します。切れ込みを入れたネギを手ぬぐいやタオルなどで包んで首に巻けば、ネギの首巻きの完成です。
汁が皮膚についてかぶれないように注意してください。
アリシン
ネギだけでなく、ニンニクや玉ねぎにも含まれている成分で、硫化アリルの一種です。ビタミンの吸収を助け、血行を良くする働きが期待されています。また、ビタミンB1と結びついて糖の代謝に関わり、疲労回復に効果のあるアリチアミンという物質に変化します。
アリシンは殺菌・抗菌作用、コレステロール値の抑制、血液の流れの維持、血糖値の抑制、などにも効果を発揮して、人体の健康に大きく貢献してくれる成分です。
ネギを食べて風邪を治すために
ネギはアリシンの他にもビタミンAやビタミンC、βカロテン、葉酸やフルクタンといった栄養素を含んでいるため、風邪に対して良い効果をもたらしてくれます。
アリシンは加熱に弱いため、生で食べるのが最も良いと言われています。また、油で調理するとアリシンが分解されにくい状態になるのでおすすめです。鍋や煮物に使う場合でも、加熱する際には一度油で炒めるというひと手間を加えると良いでしょう。
おわりに
今回は、ネギと風邪の関係についてご紹介しました。ネギに含まれるアリシンを上手に摂取して、風邪にかかりにくい身体をつくりましょう。
ネギは家庭菜園でも人気の作物です。ネギを栽培される方へ!ネギ栽培における病気とその対処法まとめでは、ネギを栽培するときに注意したい病気についてご紹介しています。併せてご参照ください。