アメリカンチェリーとは
アメリカンチェリーは、その名の通りアメリカ原産のさくらんぼで、一般的に日本のさくらんぼよりも大きく、皮も果肉も赤黒いことが特徴です。なお、「ダークチェリー」という名前で販売されていることもあります。
アメリカンチェリーの主要な産地はアメリカのカリフォルニア州、オレゴン州、ワシントン州。旬は初夏から夏にかけてで、国産さくらんぼと同じ時期です。
味わいとしてはフレッシュな香りと甘味が強く、酸味が少ないのが特徴で、果肉はしっかりとしており、たっぷりとした食べごたえがあります。
産地
アメリカンチェリーは、アメリカのカリフォルニア州、オレゴン州、ワシントン州で栽培されており、特に2大産地として知られるオレゴン産とワシントン産を合わせて「ノースウエスト・チェリー」と呼ぶこともあります。
日本に最も多く出回っている品種「ビング」は、カリフォルニア州のローダイ地区やストックトン地区で盛んに栽培されています。
旬の時期
アメリカンチェリーの旬は6月から7月のはじめ頃にかけてとなっており、国産さくらんぼとほぼ同時期に出回ります。天候によって収量が左右されやすいため、あまり見かけない年もあるかもしれませんが、シーズン中はいつ購入しても安定した美味しさを楽しめます。
またアメリカンチェリーが多く出回る6月下旬から7月上旬にかけては、「佐藤錦」や「紅秀峰」といった国産の人気品種も旬を迎えているため、食べ比べを楽しむのもおすすめですよ◎
栄養素
アメリカンチェリーには、抗酸化作用のあるポリフェノールが豊富に含まれています。アメリカンチェリーの濃い赤紫色は、ポリフェノールの一種であるアントシアニンの色素で、積極的に摂ることでアンチエイジング効果や眼精疲労の回復が期待できます。
またアメリカンチェリーのカロリーは、100gあたり66kcalとヘルシーで、食後の血糖値の上昇を抑える食物繊維も豊富に含まれています。食物繊維には整腸作用もあるため、肥満や便秘によるポッコリお腹が気になる人にもおすすめです。
安全性
国産と違い、アメリカで栽培されているアメリカンチェリーの安全性が気になるという人も少なくないはず。アメリカンチェリーはさくらんぼと同様に病気にかかりやすく、農薬の使用が必須となっています。
しかし、アメリカンチェリーの栽培に使用される農薬は残留しにくく、人などの哺乳類に対する毒性も低いとされています。基本的に流水で洗うだけで、ほとんどの残留農薬をキレイに落とせるので、生のままでも安心して食べることができますよ◎
アメリカンチェリーとさくらんぼの違いは何か?
さくらんぼとアメリカンチェリーの違い
さくらんぼとアメリカンチェリーはよく似ていますが、実は別の果物です。実際に食べてみると味や食感も異なりますし、色や大きさもよく見ると違います。
さくらんぼといえば、鮮やかな紅色の果皮と、ころんと小粒で丸い形が特徴的ですよね。対してアメリカンチェリーは、黒っぽく濃い紅色で、さくらんぼより一回りほど大粒です。別々に並んでいたら、それがさくらんぼなのかアメリカンチェリーなのか見分けがつかないかもしれませんが、比べてみるとその違いは一目瞭然です。
また味わいについても、さくらんぼは甘さの中に程よい酸味も感じられ上品なのに対し、アメリカンチェリーは甘みが強く濃厚で、食べ応えがあります。どちらも生食・調理共に向いていますが、どちらかといえばさくらんぼは生食、アメリカンチェリーはジャムや焼き菓子など調理して食べるのがおすすめです。
2024年さくらんぼ人気ランキング
※2024年4~6月のデータ味わいの違い
アメリカンチェリーと一般的なさくらんぼでは、果肉の質感や味わい方に違いがあります。
アメリカンチェリーはフレッシュな香りが特徴で、甘味が強く酸味が少ないとされています。また、果肉はしっかりとしており、シャクシャクとした食べ応えがあります。
一方、日本のさくらんぼは果肉がやわらかく、ジューシーで甘味と酸味のバランスが楽しめます。
最大の違いは見た目!
アメリカンチェリーと日本のさくらんぼの最大の違いは、大きさと色です。アメリカンチェリーは一般的に大きく、皮と果肉が赤黒い色をしています。一方、日本のさくらんぼは小振りで、果肉はやわらかいです。
アメリカンチェリーにはいくつかの主要な品種があります。「ビング」は日本で最も一般的に見かける品種で、大きさと甘さが特徴です。「レイニア」は皮が明るい赤色で、果肉は淡い黄色でやわらかいことが特徴です。「ブルックス」はレイニアとビングの交配種で、鮮やかな赤色が特徴です。
アメリカンチェリーの品種
アメリカンチェリーには多数の品種があり、見た目や味わいも様々です。ここでは、アメリカンチェリーの代表的な品種について紹介します。日本ではあまり見かけない品種もありますが、お取り寄せなどで購入することも可能なので、気になる人はぜひチェックしてみてくださいね◎
ビング
ビングは、1875年にオレゴン州で開発された品種で、アメリカンチェリーの代表格といえます。日本に輸入されるアメリカンチェリーのうち約90%を占め、スーパーなどの店頭に並んでいるアメリカンチェリーはほとんどがビングです。
味わいは強い甘みと優しい酸味のバランスが良く、非常に濃厚です。大粒でボリュームがあり、果皮も果肉も鮮やかな赤紫色をしています。見栄えバツグンの外観と濃厚な味わいから、洋菓子の生地やトッピングによく使用されています。
レーニア(レイニア)
レーニアは、元々ワシントン州で誕生した品種ですが、現在はカリフォルニア州やオレゴン州でも盛んに栽培されています。アメリカンチェリーの中でも特に味わいが良く、国産さくらんぼでいう山形県産「佐藤錦」と同等の位置付けとなっています。
ビングをはじめとするアメリカンチェリーは、果皮が黒っぽく深い色味をしていますが、レーニアは国産さくらんぼに似た鮮やかな紅色が特徴です。味わいは非常にクリーミーで上品な甘さがあり、一度食べるとその味の虜になってしまう人も少なくありません。
ブルックス
ブルックスは、カリフォルニア州の各地で盛んに栽培されている早生品種で、ビングやレーニアに先駆け、4月頃から出回りはじめます。ビングとレーニアの交配種で、見た目はビングによく似ています。
味わいは双方の特徴がそれぞれ受け継がれており、酸味が少なく濃厚な甘みを感じます。酸味が控えめな分、ビングより後味がさっぱりしています。
ツラーレ
ツラーレは、ビングの交配によって誕生した品種で、ブルックスと同じ早生品種です。地域によって「チュラーレー」や「タラリー」など呼び名が変わりますが、日本では「ツラーレ」という名称が一般的です。
ハート型の可愛らしい果実と美しい深紅の色合いが特徴的で、ジャムやスムージーなどに加工すると見映えバツグンです。味わいはアメリカンチェリーらしい甘酸っぱさと、口いっぱいに広がる爽やかな風味を兼ね備えています。
アメリカンチェリーの栄養と健康効果
アメリカンチェリーに含まれる主な栄養素
アメリカンチェリーはその美しい色合いからも推察できるように、ビタミンCをはじめとする豊富な栄養素を含んでいます。特にビタミンCは肌の健康を保つだけでなく、強い抗酸化作用を持つため、美容や健康にとっても重要な役割を果たします。
また、アメリカンチェリーにはポリフェノールという抗酸化物質も含まれています。これは体内の活性酸素を抑制する働きがあり、老化防止やがん予防にも効果的とされています。
さらに、食物繊維も豊富で、便秘解消や血糖値の管理に役立つといわれています。これらの栄養素により、アメリカンチェリーは健康的で美味しい果物として評価されています。
アメリカンチェリーを食べることで期待できる健康効果
アメリカンチェリーはその美味しさだけでなく、栄養面でも非常に優れています。特に、抗酸化作用のあるビタミンCや食物繊維が豊富で、免疫力を高める効果や便秘解消に役立つとされています。
また、アメリカンチェリーに含まれるアントシアニンという色素は、抗酸化作用により老化防止や疲労回復にも寄与します。さらに、心臓病予防や美肌効果も期待できます。
アメリカンチェリーの選び方
店頭でアメリカンチェリーを選ぶ際は、以下のポイントに注目してみましょう!
- 全体がムラなく色づいている
- 大粒で全体にハリツヤがある
- 軸がみずみずしく鮮やかな緑色
アメリカンチェリーといえば、ふっくら大粒で国産さくらんぼよりも深い色合いが特徴的ですよね。店頭で購入する際はこの色づきにムラがなく、光沢のあるものを選びましょう。また軸の状態が良く、果実にしっかりと付いているものほど新鮮な証です◎
アメリカンチェリーの食べ方
アメリカンチェリーは、国産さくらんぼと同様にデリケートで、あまり日持ちしない果物です。果皮が薄く傷つきやすいため、美味しく食べるには洗い方にも注意が必要です。
ここでは、アメリカンチェリーを美味しく食べるための洗い方や保存のコツについて紹介します。ポイントをおさえることで、デリケートなアメリカンチェリーを長く美味しく楽しむことができますよ◎
洗い方
アメリカンチェリーは、流水で30秒ほど洗えば汚れや残留農薬をキレイに落とすことができます◎ボウルなどに貯めた水に浸けて洗うと、一度落ちた農薬がまた付いてしまう可能性があるため、できれば流水に当てながら洗うのがおすすめです。
また強く擦りすぎると果皮の表面が傷ついてしまうため、手や指の腹を使って優しく丁寧に洗いましょう。
保存方法
アメリカンチェリーは、温度変化や乾燥に弱く、冷蔵庫に入れると味が落ちてしまいます。そのためアメリカンチェリーを保存する際は、風通しが良く涼しい場所で常温保存するのがおすすめです。
冷房の風が当たる場所は乾燥しやすいためできるだけ避け、新聞紙などで包んでおくとよりみずみずしさが長持ちしますよ◎ただし、アメリカンチェリーは元々あまり日持ちしない果物なので、2~3日以内を目安に食べきりましょう。食べるときは、1~2時間ほど冷蔵庫で冷やすと果肉が引き締まり、甘みをより強く感じられます。
アメリカンチェリーを使ったおすすめレシピ
アメリカンチェリーは、生で食べても美味しいですが、洋菓子にアレンジしても美味しく食べられます◎ここでは、アメリカンチェリーを使ったおすすめレシピを3つ紹介するので、たくさん購入した際はぜひお試しください!
チェリー&チョコマフィン
チョコレートのコクとアメリカンチェリーの甘酸っぱさがマッチする「チェリー&チョコマフィン」。焼くまで5分の簡単レシピなので、お子さんと一緒に作るのもおすすめです◎
【材料】
- 卵 1個
- きび砂糖 大さじ2(砂糖)
- 牛乳 75cc
- ホットケーキミックス 150g
- ピュアココア 大さじ1
- サラダ油 大さじ3
- アメリカンチェリー 6個
- 板チョコ 1枚
【作り方】
- オーブンを180℃に予熱します
- 板チョコは適当な大きさに割っておきます
- ボウルに卵・きび砂糖を入れ、ホイッパーで卵を溶きほぐしながらよく混ぜます
- 牛乳を加えて混ぜ、ホットケーキミックス・ピュアココアを加えてさらに混ぜます
- 粉っぽさがなくなったらサラダ油を加え、板チョコの半量を加えざっくり混ぜます
- グラシン紙を敷いた型に生地を等分に流し入れます
- アメリカンチェリーと残りの板チョコをトッピングし、オーブンで20分焼きます
- 焼けたら型から取り出し、お皿に盛り付けて完成です
アメリカンチェリー入りベークドチーズケーキ
鮮やかなアメリカンチェリーの水玉模様が可愛い「アメリカンチェリー入りベークドチーズケーキ」。甘さ控えめで、濃厚だけどさっぱりとした後味です◎
【材料】
- オレオ 6個(約60g)
- 無塩バター 20g
- アメリカンチェリー 14〜16個(90g〜100g)
- クリームチーズ 200g
- グラニュー糖 50g
- サワークリーム 100g
- 牛乳 50g
- 卵 1個
- 薄力粉 20g
- レモン汁 小さじ2
【作り方】
- オーブンを170℃に予熱します
- オーブンシートを型に合わせて切り、型にサラダ油を塗って貼り付けます
- クリームチーズ、サワークリーム、卵は常温に戻しておきます
- 無塩バターを耐熱容器に入れてラップをし、600Wのレンジで30秒加熱します
- クリームが付いたままのオレオをビニール袋に入れ、めん棒で叩いて砕きます
- 4を加えて加えて袋の上から揉み、混ざったら型の底に敷き詰めます
- アメリカンチェリーを水洗いしてヘタを取り、ペーパーで水気を取ります
- クリームチーズををボウルに入れ、ゴムベラで滑らかになるまで混ぜます
- グラニュー糖を加え混ぜ、サワークリーム、牛乳を加えてさらに混ぜます
- 卵を溶きほぐして3回に分けて加え混ぜ、薄力粉を振るいながら加えます
- レモン汁を加え混ぜ、ザルで一度こします
- 型に生地の半分を流し入れ、アメリカンチェリーを並べます
- 上から残りの生地を全て流し入れ、オーブンで48分焼きます
- 焼けたら粗熱を取り、冷蔵庫で2時間以上冷やします
- お好みの大きさにカットし、お皿に盛り付けて完成です
チェリーのヨーグルトクラフティ
アメリカンチェリーを使った洋菓子の定番クラフティを、ヨーグルトでさっぱりと仕上げた「チェリーのヨーグルトクラフティ」。いくらでも食べられる絶妙な甘さです◎
【材料】
- アメリカンチェリー 5個
- 薄力粉 大さじ1
- 砂糖 大さじ2〜3
- 卵 1個
- プレーンヨーグルト 150g
- バニラエッセンス 少々
【作り方】
- オーブンを170℃に予熱します
- アメリカンチェリーを水洗いしてヘタを取り、ペーパーで水気を取ります
- ボウルに薄力粉、砂糖を入れ軽く混ぜ合わせます
- 卵を加え、粉っぽさがなくなるまでさらに混ぜます
- プレーンヨーグルト、バニラエッセンスを加え混ぜます
- 生地を耐熱皿に流し入れ、上からアメリカンチェリーを並べます
- オーブンで25分焼き、さらに160度に温度をさげて8〜10分焼きます
- 焼けたら粗熱を取り、お好みで粉糖を振ってお皿に盛り付けて完成です
アメリカンチェリーを用いたレシピは下記記事でもご紹介していますので、ぜひご覧ください♪
さくらんぼを食べてJAさがえ西村山の挑戦を応援しよう!
さくらんぼや桃、りんごなどのフルーツをはじめ、日本で有数の「米どころ」としても知られる山形県さがえ西村山地区。豊かで寒暖差のある自然環境と生産者のたしかな技術によって、「さくらんぼの王様」といわれる佐藤錦など、四季折々の美味しい食べ物を全国にお届けしています。
そんなさがえ西村山地区に拠点を置き、山形県の中央エリアを管轄するJAさがえ西村山では、2023年より「環境にやさしい栽培技術」と「省力化に資する先端技術等」を取り入れた「グリーンな栽培体系」を目指し、新たな取り組みをスタートしています。
気候変動問題が世界中のイシューとなる中で、全国の生産者にはカーボンニュートラルの実現に向けて化学肥料の低減が求められています。(みどりの食糧システム戦略)
とはいえ、化学肥料を減らすと、収入減少の怖さがあり、生産者にとって大きな負担を強いる可能性があります。そこでJAさがえ西村山では、バイオスティミュラントという新しい農業資材に着目し、生産者の負担を軽減する、新しい栽培方法の開発に挑戦しています。
【引用元】バイオスティミュラント 活用による 脱炭素地域づくり協議会
特に、栽培過程で生じる「ゴミ」である食品残渣からバイオスティミュラントを生産することで、「食品から食品」を生む環境負荷の低い栽培を実現し、気候変動に負けない、持続可能な産地を目指しています。
現在、さがえ西村山地区では「さくらんぼ」「桃」「りんご」「米」「なす」の5品目でこの取り組みを実施しているそうです。ぜひ、気候変動問題に果敢に取り組む産地の商品を購入して応援していきましょう!