さくらんぼ栽培の魅力について知ろう!
まずは自宅でさくらんぼを栽培する魅力について見ていきましょう。家庭菜園で果物を育てるのは簡単ではありませんが、自分の手で実を収穫する喜びは、他では味わえない貴重な経験です◎
これからはじめるさくらんぼ栽培へのモチベーションをアップさせるためにも、その魅力やメリットについてあらかじめ知っておくことも大切ですよ。
とれたてのさくらんぼを自宅で味わえる
自分でさくらんぼを育てるということは、普段なかなか出会う機会のない、とれたて新鮮なさくらんぼを自宅で味わえるということ◎これが何よりの楽しみという人も多いはず。
スーパーなどで購入できるさくらんぼはもちろん美味しいですが、さくらんぼの最も美味しいタイミングは収穫直後です。とれたてのさくらんぼは味も香りも格別で、果汁を豊富に含んだ果肉はプチッと弾けるような食感です。
さくらんぼ栽培を通して食育に繋がる
さくらんぼ栽培の魅力は、とれたての実を味わえることだけではありません。近年、学ぶ機会の減りつつある食育にも繋がり、食べ物を作ることの難しさや大切さを実感できますよ。
またお子さんと一緒に育てれば、自分だけでなくお子さんにも食育を学んでもらうことができ、日常生活では得られない貴重な体験をさせてあげることができますよ。
開花時期にはお花見も楽しめる
さくらんぼは5月下旬から6月上旬頃に収穫を迎えますが、春には桜にそっくりな花を咲かせます。色は白っぽく上品で、花弁の形は桜そのものです。
通常、お花見は公園などのスポットに行かなければできませんが、さくらんぼを育てている家庭では自宅でお花見も楽しめるんです◎家族みんなでさくらんぼのお花見というのも、家庭菜園ならではの春の風物詩になりそうですね。
さくらんぼの育て方・栽培方法の紹介!
ここからは、実際にさくらんぼを育てるとき必要な作業内容について見ていきましょう!さくらんぼは苗から育てるのが一般的で、苗はホームセンターなどで手軽に購入できます。
またさくらんぼは自家結実性が低いため、単体で育てるより、親和性の高い2種類以上の品種を同時に育てるのがおすすめです◎
2024年さくらんぼ人気ランキング
※2024年4~6月のデータ植え付け・定植の方法と時期
購入したさくらんぼの苗は、地植えまたは鉢植えで育てます。植え付け時期は、12月から3月の間が適切です。
さくらんぼは果樹なので、地植えの方が大きく育ち、その分たくさん実を収穫できます。しかし鉢植えでコンパクトに育てることも可能なので、庭の広さや家庭の都合に合わせて、適切な栽培方法を選びましょう。
地植え
地植えする場合、苗を植え付ける前にあらかじめ土を作っておく必要があります。植え付け予定地に、直径80cm深さ60~80cmの植え穴を堀り、そのとき出た土に腐葉土や堆肥を3割ほど混ぜ込んで1~2週間ほど寝かせれば完成です◎地植えの植え付け手順は、以下を参考にしてください。
<地植えの植え付け手順>
①植え穴の中心に苗を置きます(複数ある場合は株の間隔を4~5mあけます)
②あらかじめ作っておいた土で苗の周りを埋めます
③途中で何度か揺さぶりながら土を入れて根との隙間を埋めます
④根がすぐに乾燥しないよう株元にワラや黒マルチを敷きます
鉢植え
鉢植えにする場合は、苗と一緒に鉢と土を購入すれば即日で植え付けできます。鉢は苗木より1~2回り大きく底の深いものを選びましょう。ベランダや庭先で育てるなら、7~8号くらいの鉢におさめるのがおすすめです◎
土は、赤玉土7~8:腐葉土2~3の割合で混ぜたものを使いましょう。自分で作っても良いですし、あらかじめ配合されているものを使ってもOKです。鉢植えの植え付け手順は、以下を参考にしてください。
<鉢植えの植え付け手順>
①はじめに鉢底ネットと軽石を敷きます
②鉢の底から1/3~1/2ほどの土を入れます
③根に付いた土を軽くもみほぐして、苗を鉢の中心に置きます
④苗の周りに土を入れます
⑤鉢の縁から下2cmほどまで土を入れたら、たっぷりと水を与えます
⑥根と土が馴染み、株が固定されたら植え付け完了です(株が不安定なときは1m以上の支柱を立てて支えます)
定植後の栽培管理と頻度
苗の植え付けが無事完了し定植させたら、日々のお手入れも欠かさず行いましょう。特にさくらんぼはデリケートな植物で、病気や害虫に弱いため注意が必要です。
水やり
さくらんぼは湿気を嫌い、乾いた土壌を好む性質です。そのため地植えの場合は、真夏に日照りの強い日が続かない限り、基本的に水やりは不要と考えて良いでしょう。鉢植えの場合は、表面の土が白っぽく乾燥していたら、水をやります。鉢底の穴から少し流れ出るくらいたっぷり与えてOKです。
人工授粉・摘蕾・摘果
さくらんぼは、複数の品種を近くに植えたり、人工授粉させることで結実します。花が五分咲きのときと満開のときの2回に分けて、異なる品種の花粉を人工授粉させます。
またあまりたくさんの実が付き過ぎると、木が体力を多く消耗してしまうため、剪定の際に摘蕾を行い、短い枝に付いている花芽を中心に間引いておきましょう。またさくらんぼの実がなったら、収穫までに摘果を行い、1本の枝に対し2~3個を残して間引きましょう。
肥料・追肥
さくらんぼの実りや品質に直結する肥料は、地植えの場合2月と10月、鉢植えの場合はさらに5月頃にも与えます。肥料も市販されているものでOKですが、特に発酵油かすなどの有機肥料や、リン酸の多い化成肥料を与えると生育が良くなるためおすすめですよ。
病害虫対策
さくらんぼは病気や害虫の被害を受けやすく、最悪の場合木が枯れてしまうこともあります。代表的な病気には灰星病や褐斑病があり、葉や果実に赤褐色または褐色の斑点が付く症状が見られます。このような症状が出た場合、被害枝を迅速に切り落とし、焼却処分するか再感染の心配のない場所まで運んで処分します。
また害虫では、主に実に食い入るシンクイムシ、幹に食い入るコスカシバ、新梢や枝などで吸汁するアブラムシ類、カイガラムシ類に注意が必要です。ホームセンターには専用薬も販売されているので、特に休眠期間の12月~2月にかけて定期的に散布し、害虫の発生を予防しましょう。
収穫
5月中旬に入ると、いよいよさくらんぼの収穫が訪れます。花が満開になってから約15~20日ほど経つと小さな実ができはじめ、40~50日ほどで赤く色付いてきます。
さくらんぼの収穫適期は、地域や品種によって異なるため、あらかじめ調べておくか果実の状態を見て段階的に行うのがおすすめです。収穫する際は、1つ1つ丁寧に手やハサミで摘み取っていきましょう。
さくらんぼ栽培でよく発生する問題と原因
さくらんぼ栽培は、果物の中でも難易度が高く、どんなに大切に育てても上手くいかないこともあります。ここでは、さくらんぼ栽培で発生しがちな問題と、その原因について紹介します。
もし現状で当てはまっているという人は、ぜひ参考にしてください!またこれからはじめたいという人も、これらの問題はよく起きますので、あらかじめチェックしておきましょう◎
花が咲かない
定植させて木は順調に育っているのに、一向に花が咲く気配がないという場合、さくらんぼを育てている環境や土に問題があることが多いです。
さくらんぼには栽培に適した気候や風土が存在し、それとかけ離れ過ぎているとうまく育ちません。また土用は水はけが良く、基本的に乾燥していることが条件となります。特に年間を通して暖かい地域では、さくらんぼが育ちにくい傾向にあるため、ビニールハウスなどの設備が必要になるかもしれません。
実がならない
花は咲いているのに、肝心の実がならないという問題も、さくらんぼ栽培ではあるあるです。さくらんぼの品種には、自家結実性があるものとないものが存在していて、自家結実性がない品種は単体で実を付けることはできません。
また複数の品種を植えていても、品種同士の親和性が低ければ、結実しないこともあります。人気品種の佐藤錦やナポレオンには自家結実性がないので、これらを結実させたいときは、親和性の高い高砂などの品種を同時に育てるのがおすすめです。
木が倒れてしまう
さくらんぼの根は浅く、気が付いたら木が倒れているなんてことも。一度倒れてしまうと木に大きなダメージを与えてしまうため、特に結実するまで育ったさくらんぼの木は倒れないよう十分に配慮しましょう。
倒木を防ぐために、地植えの場合も、鉢植えの場合も、年間を通して支柱を立てておくと安心です。また台風の季節には、小規模でも良いのでビニールハウスなどの設備を設けるとより倒木のリスクを軽減できます。
まとめ
今回は、自宅でさくらんぼを育てる方法について紹介しました!
さくらんぼは、デリケートで病気や害虫の被害を受けやすく、果物の中でも栽培難易度が高いといわれています。しかし上手に育てれば、数十年にわたって実りを楽しめ、普段味わうことのできない、とれたてのさくらんぼを毎年堪能することができます◎
育てるのが難しいさくらんぼだからこそ、その大変さや収穫の喜びを強く実感でき、食育への理解も深まりますよ。少しでも興味がある人はぜひ家族と一緒に、さくらんぼ栽培に挑戦してみてくださいね♪