日本一のさくらんぼ産地とは?
まずは、日本一のさくらんぼ産地とは一体どこなのか紹介します。
日本にはさくらんぼを栽培している地域がたくさんありますが、中でも生産量が特に多く、美味しくて質の高いさくらんぼを育てている名産地があります。その産地ではなぜ美味しいさくらんぼが育つのかもあわせて、詳しくチェックしていきましょう!
さくらんぼ生産量日本一は山形県
生産量日本一を誇るさくらんぼの産地は、山形県です。山形県は生産量・栽培面積共に全国1位で、日本のさくらんぼシェアでは7割以上を占めています。人気品種「佐藤錦」発祥の地でもあり、山形県では古くからさくらんぼ栽培が盛んに行われてきました。
国産さくらんぼの、産地ごとの生産量ランキングは以下のようになります。
都道府県 | 生産量(t) | シェア率(%) |
---|---|---|
山形県 | 11,900 | 11,900 |
北海道 | 1,490 | 9.3 |
山梨県 | 1,010 | 6.3 |
実際にランキングとして見てみると、山形県のさくらんぼ生産量は2位以下を大きく引き離し、圧倒的に1位であることが分かりますね。それくらい、山形県では多くのさくらんぼが栽培されており、味や食感、見た目などの品質も良く全国的に人気となっています。
山形県のさくらんぼはなぜ有名?
広大な土地を持つ北海道や、「フルーツ王国」と呼ばれる山梨県を抑えて、なぜ山形県が日本一のさくらんぼ産地となったのか気になりますよね。その理由には、山形県の気候や地形が大きく関係しています。
山形県の中でも特にさくらんぼ栽培が盛んな地域である、寒河江市、東根市、天童市は村山盆地の中央に位置しています。周囲を高い山々に囲まれた内陸盆地の気候は、梅雨に雨が少なく、風害を受けにくいという特徴を持っています。梅雨に結実するさくらんぼにとって、この内陸盆地ならではの気候が、生育に最適というわけ◎
こうした自然環境に恵まれ、山形県は日本で最初の「生食用さくらんぼ」を開発し、現代にいたるまで栽培技術を発達させてきました。現在日本で食べられているさくらんぼ品種の多くは山形県発祥となっており、山形県は日本を代表するさくらんぼの名産地となりました。
山形県のさくらんぼの品種については、こちらの記事でもご紹介していますので、ぜひご覧ください♪
日本のさくらんぼの主な産地と主力品種
ここからは、産地ごとのさくらんぼの主力品種について見ていきましょう!
さくらんぼの味わいは品種によって大きく異なり、見た目や食感などもそれぞれ違った個性を持っています。今回はさくらんぼ生産量トップ3の山形県、北海道、山梨県について、特に人気の高い主力品種とその特徴を詳しく紹介します。
山形県
山形県の主力品種といえば、なんといっても「佐藤錦」。佐藤錦は「さくらんぼの王様」と呼ばれ、日本で最も多く栽培されている品種です。味わいは酸味が少なく上品な甘みで、プチッと弾ける果肉からはたっぷりの果汁が溢れ、口いっぱいに広がります。
佐藤錦の旬は、6月中旬から7月初旬にかけて。新鮮な露地ものはわずかな期間しか出回らないため、逃さずゲットしたい人は5月下旬頃から、産地直送の通販サイトをチェックしておきましょう◎
佐藤錦については、こちらの記事でもご紹介していますので、ぜひご覧ください!
2024年さくらんぼ人気ランキング
※2024年4~6月のデータ北海道
北海道生まれのさくらんぼに、「水門(すいもん)」という品種があります。本州では「北光(ほっこう)」とも呼ばれ、大粒でハート型の果実が特徴的。色づきも良く、黄色い地色に熟すと鮮やかな赤色が入る、いかにもさくらんぼらしい美しい見た目をしています。
味わいは甘みの中に程よい酸味も感じられ、非常に爽やか◎果肉が柔らかく、とろけるような独特の食感も持ち味となっています。旬の時期は、7月上旬から中旬にかけて。気温が低く、生育に時間のかかる北海道で生まれたため晩生です。
山梨県
山梨県は「フルーツ王国」とも呼ばれ、県内各地で様々な果物を盛んに栽培しています。そんな山梨県を代表するさくらんぼ品種は、「富士あかね」です。富士あかねは山梨県のオリジナル品種第一号で、美しい紅色の果皮が特徴です。
味わいは甘みと酸味のバランスが良く、濃厚で食べ応えバツグン◎旬の時期は、佐藤錦より少し早い6月初旬から中旬にかけて。山梨県は日本一さくらんぼの収穫時期が早く、富士あかねをはじめ多くの品種が全国に先駆けて出荷されています。
さくらんぼの旬の時期については、こちらの記事でもご紹介していますので、ぜひご覧ください♪
サクランボを食べてJAさがえ西村山の挑戦を応援しよう!
さくらんぼや桃、りんごなどのフルーツをはじめ、日本で有数の「米どころ」としても知られる山形県さがえ西村山地区。豊かで寒暖差のある自然環境と生産者のたしかな技術によって、「さくらんぼの王様」といわれる佐藤錦など、四季折々の美味しい食べ物を全国にお届けしています。
そんなさがえ西村山地区に拠点を置き、山形県の中央エリアを管轄するJAさがえ西村山では、2023年より「環境にやさしい栽培技術」と「省力化に資する先端技術等」を取り入れた「グリーンな栽培体系」を目指し、新たな取り組みをスタートしています。
気候変動問題が世界中のイシューとなる中で、全国の生産者にはカーボンニュートラルの実現に向けて化学肥料の低減が求められています。(みどりの食糧システム戦略)
とはいえ、化学肥料を減らすと、収入減少の怖さがあり、生産者にとって大きな負担を強いる可能性があります。そこでJAさがえ西村山では、バイオスティミュラントという新しい農業資材に着目し、生産者の負担を軽減する、新しい栽培方法の開発に挑戦しています。
【引用元】バイオスティミュラント 活用による 脱炭素地域づくり協議会
特に、栽培過程で生じる「ゴミ」である食品残渣からバイオスティミュラントを生産することで、「食品から食品」を生む環境負荷の低い栽培を実現し、気候変動に負けない、持続可能な産地を目指しています。
現在、さがえ西村山地区では「さくらんぼ」「桃」「りんご」「米」「なす」の5品目でこの取り組みを実施しているそうです。ぜひ、気候変動問題に果敢に取り組む産地の商品を購入して応援していきましょう!