貧血改善に有効な栄養素
まずは、貧血改善に有効な栄養素と、それぞれの働きについて紹介します。
鉄
鉄不足は鉄欠乏性貧血の原因となります。
日々の食事から摂取する1日あたりの鉄の推奨量は、成人男性で7.0〜7.5mg、月経のある成人女性10.5〜11.0mg、月経がない場合で6.0〜6.5mgです。
とくに女性では、ライフステージの変化に伴い鉄の需要が高まります。また、無理なダイエットでも鉄欠乏を招くため、鉄を豊富に含む赤身の肉や魚、ほうれん草や小松菜などの緑色の野菜、海藻類などを十分に摂取しましょう。
ビタミンC
ビタミンCは、鉄の吸収を高める栄養素です。鉄を多く含む食品に加え、ビタミンCが豊富な食品も十分に摂取しましょう。
ビタミンCは、主に果物や野菜に多く含まれています。ビタミンCは水に溶けやすく、加熱すると含有量が減少することがあるため、食品から摂取する際はできるだけ生のまま食べるのがおすすめです。
葉酸・ビタミンB12
ビタミンB12と葉酸は造血に関わるビタミンで、赤血球の形成に関わっています。2つの栄養素が不足すると、正常な赤血球の形成に支障をきたし「巨赤芽球性(きょせきがきゅうせい)貧血」を引き起こします。
葉酸やビタミンB12が不足する原因は食事だけではないため、過度に気にする必要はありません。しかし、偏食がひどい、十分に食事を摂れない、摂らないケースでは不足することがあるため、1日3食栄養バランスの良い食事を心がけることが大切です。
鉄分を多く含むフルーツ
実は、生のフルーツにはあまり鉄が多くありません。フルーツの中でも比較的鉄が多いものが、さくらんぼやいちごなどがあります。
鉄の含有量の比較は、以下の通りです。
2024年さくらんぼ人気ランキング
※2024年4~6月のデータ食品名 | 含有量(100gあたり) |
---|---|
さくらんぼ(国産) | 0.3mg |
いちご | 0.3mg |
いちじく | 0.3mg |
あんず | 0.3mg |
バナナ | 0.3mg |
キウイフルーツ(緑) | 0.3mg |
また、ドライフルーツにも鉄が多く含まれています。
食品名 | 含有量(100gあたり) |
---|---|
干しぶどう | 2.3mg |
プルーン(乾) | 1.1mg |
バナナ(乾) | 1.1mg |
干し柿 | 0.6mg |
ドライマンゴー | 0.5mg |
ドライフルーツは水分が少ない分、100gあたりの鉄の含有量が多くなっているにすぎませんが、効率よく鉄を摂取するためにはおすすめの食品です。
ビタミンCを多く含むフルーツ
ビタミンCが豊富なフルーツといえば、柑橘類を思い浮かべる方も多いでしょう。例えば、レモンは100gあたり100mgのビタミンCが含まれています。
その他、主な柑橘類のビタミンC含有量は以下の通りです。
食品名 | 含有量(100gあたり) |
---|---|
ネーブルオレンジ | 60mg |
しらぬひ(デコポン) | 40mg |
なつみかん | 38mg |
グレープフルーツ | 36mg |
うんしゅうみかん | 33mg |
またキウイフルーツもビタミンCが豊富な果物です。果肉が緑色のキウイフルーツのビタミンC含有量は、100gあたり71mg。黄色い果肉のキウイフルーツは、なんとレモンより多い140mgものビタミンCが含まれています。
また、いちごや柿もビタミンCが豊富。いちご100gあたりには62mg、柿は70mgのビタミンCが含まれています。
柑橘類のような酸味のあるフルーツにはビタミンCが多いイメージですが、そうとも限らないようですね。
鉄の吸収に悪影響を与える食べ物に注意
緑茶や紅茶、コーヒーなどに含まれるタンニンは、鉄の吸収を阻害するため注意が必要です。
貧血気味の方や鉄の摂取を意識している方は、食事中や食後の摂取を避け、食事から時間を置いて摂るようにしましょう。
まとめ
身近なフルーツには鉄が含まれていますが、特別多いわけではありません。ただし、鉄の吸収を高めるビタミンCは豊富に含まれています。
貧血気味の方や、貧血を予防したい方は、鉄を多く含む赤身の肉や魚、緑の野菜の摂取を意識するとともに、ビタミンCが豊富な果物を摂取するとよいでしょう。
ドライフルーツなら効率良く鉄を摂取できるため、食べ過ぎには注意が必要であるものの、上手に活用することもおすすめです◎
さくらんぼ を食べてJAさがえ西村山の挑戦を応援しよう!
さくらんぼや桃、りんごなどのフルーツをはじめ、日本で有数の「米どころ」としても知られる山形県さがえ西村山地区。豊かで寒暖差のある自然環境と生産者のたしかな技術によって、「さくらんぼの王様」といわれる佐藤錦など、四季折々の美味しい食べ物を全国にお届けしています。
そんなさがえ西村山地区に拠点を置き、山形県の中央エリアを管轄するJAさがえ西村山では、2023年より「環境にやさしい栽培技術」と「省力化に資する先端技術等」を取り入れた「グリーンな栽培体系」を目指し、新たな取り組みをスタートしています。
気候変動問題が世界中で注目されるようになった中で、全国の生産者にはカーボンニュートラルの実現に向けて化学肥料の低減が求められています。(みどりの食糧システム戦略)
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【引用元】バイオスティミュラント 活用による 脱炭素地域づくり協議会
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