ナスを生で食べると？アク抜きの必要性とおすすめの食べ方を紹介

ナスの料理について考えると、焼きナスや煮びたし、麻婆ナスなど、熱を加えて調理する方法が主流です。しかし、意外に知られていない事実として、実はナスは生食も可能なのです。しかしその際、重要なポイントがいくつかあります。本記事では、そんな生食可能なナスについて深掘りしていきます。ナスの生食の可能性、アク抜きの重要性、生食に適したナスの選び方、アク抜きの正しいやり方、そして生食におすすめのレシピと食べ方を紹介します。この記事を通じて、ナスの新たな可能性を発見し、あなたの料理の幅が広がれば幸いです。

2024.07.31

ナスは生で食べられる？

まずは、ナスの生食に関する基礎知識から見ていきましょう。

ナスの生食の可能性

ナスは生で食べることが可能です。多くの人が焼きナスや煮びたし、麻婆なすなど、加熱調理するイメージが強いかもしれませんが、実は生のままでもおいしく食べることができます。ただし、全てのナスが生食に適しているわけではありません。苦みやえぐみが強いナスは、生食するとおいしさを感じにくくなります。そのため、生食する際はアクが少ない品種を選んだり、新鮮なナスを選ぶことが推奨されます。

ナスのアク抜きの重要性

ナスを生で食べる際には、アク抜きが重要となります。ナスに含まれる「ソラニン」という成分が、そのまま食べると苦味や渋みとして感じられてしまいます。これを抑えるためにアク抜きを行います。

アク抜きは次の3つの手順で行います。

水に2～3分ほどさらす
塩水（水2カップにつき塩小さじ1/2）に2～3分ほどさらす
ナスに直接塩を振り、2～3分ほど放置したらキッチンペーパーで拭き取る

これらの操作により、ナス本来の美味しさを生で楽しむことが可能となります。アク抜きは見た目も美しく、口に入れた瞬間の美味しさを格段に上げる重要なステップです。

生食に適したナスの選び方

ここからは、生食に適したナスの選び方について紹介します。

新鮮なナスの見分け方

新鮮なナスを選ぶためには、次の3つのポイントがあります。

【皮の状態】: 新鮮なナスの皮は光沢があり、みずみずしい感触があります。ハリがあって均一な色味で、傷や色ムラがないことが理想的です。
【ヘタの切り口】: ヘタの切り口がしおれていないことも新鮮さを判断する重要なポイントです。しっかりとした色合いであることが望ましいです。
【トゲの状態】: ナスのヘタにトゲがある場合、それがとがっているかどうかで新鮮度を判断できます。トゲが鈍っている場合は収穫から時間が経っている可能性があります。

これらの点を確認することで、生食に適した新鮮なナスを選ぶことができます。加熱調理だけでなく、生食も気軽に楽しめるようになりますよ。

アクの少ない水ナスの特徴

水ナスとは、その名の通り水分が非常に多く含まれるナスの一種で、特に生食に適しています。水なすの皮も実も柔らかく、苦みがほとんどないため、アク抜きをする必要がないのが大きな特徴です。また、甘みが強いことも特筆すべきポイントです。

水ナスは全国各地で栽培されていますが、特に大阪府の泉州地域で作られる「泉州水なす」が有名です。その甘みと柔らかさは、生で食べるのに最適な品種と言えます。

旬の時期は5月から8月頃で、関西地方のスーパーではよく見かけます。また、インターネットを通じて全国どこでも購入することも可能です。

これらの特性から、生食にしやすいナスとして水ナスはおすすめです。次回ナスを生で食べる際には、ぜひ水ナスを試してみてください。

苦味の少ないナスの選び方

生で食べる場合、苦みの少ないナスの選び方が大切です。ナスにはさまざまな品種がありますが、中でも「水ナス」と呼ばれる品種は生食に最適で、アクが少なく、甘みが強く感じられます。水分を多く含み、皮も実もとてもやわらかいのが特徴です。

具体的に選ぶ際のポイントは以下の通りです。

皮に光沢があり、みずみずしいこと
表面にハリがあり、傷や色ムラがないこと
ヘタの切り口がしおれていないこと
ヘタにトゲがある場合、トゲがとがっていること

これらの選び方で、新鮮で苦味の少ないナスを選ぶことができます。特に水ナスは、そのまま割って食べるのもおすすめです。

アク抜きの正しいやり方

ここからは、ナスの生食に欠かせないアク抜きのやり方を紹介します。

塩水にさらしてアク抜きする方法

ナスのアク抜きは見た目の味わいを高め、食べた時の渋みを抑えるために重要です。特に生食する際には欠かせない手順となります。そこで一つの方法として「塩水にさらす」があります。

まず、必要なものは水2カップと塩小さじ1/2のみ。この分量で塩水を作り、そこにスライスしたナスを浸します。そのまま2～3分程度待つだけでアク抜きは完了。この方法は手軽さが魅力で、特に時間がないときや大量のナスを処理するときにおすすめです。

ただし、浸けた後はキッチンペーパーで水気をしっかり拭き取ることが重要。余計な水分が残ってしまうと、料理の味が薄くなってしまう可能性があるためです。

この方法でアク抜きを行えば、生のナスも美味しく安心して食べられます。

直接塩を振ってアク抜きする方法

直接塩を振ってアク抜きする方法は、ナスに含まれる苦味成分を取り除く効果的な手法です。具体的な手順は以下の通りです。

ナスを洗い、食べやすい大きさに切ります。
切ったナスの表面全体に均一に塩を振ります。
塩を振ったナスを約10分程度置いておきます。この間、ナスから水分と共にアクが出てきます。
10分経ったら、キッチンペーパーでナスの表面を優しく拭き取ります。

これでアク抜きは完了です。この方法は、アク抜きをするだけでなく、ナスの食感を引き立てる効果もあります。素材の味を活かした生ナス料理におすすめです。

生食におすすめのレシピと食べ方

ここからは、ナスを生で美味しく食べられるおすすめレシピを紹介します。

生ナスを使ったサラダの作り方

新鮮なナスと季節の野菜を使った、爽やかなサラダの作り方をご紹介します。

このレシピでは、ナスのプリッとした食感と野菜の鮮やかな色合いが楽しめます。特に夏場は、冷たい野菜が美味しく感じられ、さっぱりとした味わいが好評です。また、ナスはアク抜きを行うことで、苦味が軽減され、そのままでもおいしく食べることができます。

ただし、新鮮なナスを使うこと、傷んだ部分は切り落とすことが大切です。食中毒を防ぐためにも、食材の管理には十分ご注意ください。

食材リスト(2人前)

なす: 2個
水: 適量（なすのアク抜き用）
塩: 少々（アク抜き用）
ニンニク: 1片（みじん切り）
オリーブ油: 大さじ2
トマト: 1個（角切り）
バジル: 数枚（ちぎったもの）
塩コショウ: 適宜

作り方

なすは皮をむき、薄切りにして水に塩を加えたものでアク抜きをします。その後、水気をしっかりと絞ります。
ニンニクをみじん切りにし、オリーブ油で香りが出るまで炒めます。
ボウルにアク抜きしたなす、炒めたニンニク、角切りにしたトマト、ちぎったバジルを加え、塩コショウで味を整えます。
よく混ぜ合わせたら、冷蔵庫で冷やしてからお皿に盛り付けます。

水なすの漬物の作り方

水なすの漬物は、そのまま食べるだけでなく、おつまみやお弁当の一品としても最適です。ここでは、簡単に作れる水なすの漬物のレシピをご紹介します。

このレシピは、水なすのみずみずしさと優しい味わいを楽しむのに最適です。夏の暑い時期にピッタリの、さっぱりとしたお漬物をお楽しみください。

食材リスト(2人前)

水なす: 1個
水: 200cc（または2カップ）
塩: 大さじ1（または小さじ2）
酢: 小さじ1（オプション）
砂糖: 小さじ1（オプション）
昆布: 3×3センチ（オプション）
白だし: 大さじ1（オプション）

作り方

水なすを適当な大きさに切り、塩を加えた水（または水と塩、酢、砂糖を混ぜ合わせたもの）に一晩漬ける。
漬けた水なすの水気をよく切り、お好みでさらに調味料（白だしや昆布など）を加えて味を調える。
器に盛り付け、塩を少し振って完成。

山形の郷土料理「だし」の作り方

山形県の郷土料理である「だし」は、生のナスを使用した味わい深い一品です。特にすっきりとした酸味が特長で、暑い夏の食卓にピッタリのメニューとなっています。

山形の「だし」はそのシンプルさで野菜の旨みを最大限に楽しむことができ、簡単に作れるため、夏バテ防止や暑い日の食欲不振にもおすすめです。ご飯のお供にはもちろん、そうめんや冷たいうどん、そばにトッピングしても美味しくいただけます。また、冷奴や納豆に添えるとさらに食欲をそそります。

食材リスト(2人前)

ナス（中サイズ）: 1個
きゅうり: 1本
みょうが: 2個
生姜: 1片
だし汁: 1カップ
醤油: 大さじ2
酢: 大さじ1

作り方

ナスときゅうりは細かく切り、塩でもんで水分を出した後、水洗いして水気をしっかり絞ります。
みょうがと生姜も細かく切ります。
ボウルにだし汁、醤油、酢を混ぜ、1と2を加えて和えます。
冷蔵庫でよく冷やしてから、お好みで大葉（青じそ）をトッピングして完成です。

まとめ

本記事では、ナスの生食についての知識と食べ方を紹介しました。基本的にナスは生でも食べられますが、苦味やえぐみが少ない新鮮なナスや、水ナスなど特定の品種を選ぶことで、より美味しくいただけます。

また、アク抜きは見た目と味わいを良くするために重要で、水にさらす方法や直接塩を振る方法等、いくつかの手法が存在します。そして、生食に適したレシピとしては、サラダや漬物、地元の郷土料理など様々なバリエーションが存在します。

今回の知識を元に、ナスの生食に挑戦してみてはいかがでしょうか。新たなナスの美味しさを発見することができるかもしれません。

なすを食べてJAさがえ西村山の挑戦を応援しよう！

さくらんぼや桃、りんごなどのフルーツをはじめ、日本で有数の「米どころ」としても知られる山形県さがえ西村山地区。豊かで寒暖差のある自然環境と生産者のたしかな技術によって、「さくらんぼの王様」といわれる佐藤錦など、四季折々の美味しい食べ物を全国にお届けしています。

そんなさがえ西村山地区に拠点を置き、山形県の中央エリアを管轄するJAさがえ西村山では、2023年より「環境にやさしい栽培技術」と「省力化に資する先端技術等」を取り入れた「グリーンな栽培体系」を目指し、新たな取り組みをスタートしています。

気候変動問題が世界中で注目されるようになった中で、全国の生産者にはカーボンニュートラルの実現に向けて化学肥料の低減が求められています。（みどりの食糧システム戦略）

とはいえ、化学肥料を減らすと、収入減少の怖さがあり、生産者にとって大きな負担を強いる可能性があります。そこでJAさがえ西村山では、バイオスティミュラントという新しい農業資材に着目し、生産者の負担を軽減する、新しい栽培方法の開発に挑戦しています。

バイオスティミュラントは、植物に生理学的刺激を与えることで、環境ストレスを受けたために発揮されていない「農作物が本来持っている能力」を、最大限まで改善する資材として期待されている新しい農業用資材です。農作物の品質や収量の向上や、栄養吸収率を高めることによる化学肥料使用量の低減などの効果をもたらします。
【引用元】バイオスティミュラント活用による脱炭素地域づくり協議会