さくらんぼ栽培の魅力について知ろう!
家庭菜園でさくらんぼを育てることには、たくさんの魅力があります◎もちろん、日々のお世話など大変なこともありますが、家庭菜園ならではのメリットも多いんです!
さくらんぼ栽培の魅力について知ることでモチベーションがアップし、より楽しめるようになりますよ。
新鮮なさくらんぼを味わえる
家庭菜園でさくらんぼを育てる醍醐味といえば、やっぱり採れたてを味わえること!スーパーなどで購入できるさくらんぼも、もちろん美味しいですが、やっぱり一度は採れたて新鮮なものを食べてみたいですよね。
家庭菜園なら、さくらんぼ狩りに出かけることなく、自宅で採れたてのさくらんぼを思う存分味わうことができます。近隣にさくらんぼ狩りスポットがない人や、子どもがまだ小さくて行けないという人こそ、さくらんぼ栽培はおすすめですよ◎
実や花の観賞を楽しめる
さくらんぼは食べて美味しいのはもちろん、目で見ても楽しめる果物です。収穫時期には、元気いっぱいの真っ赤な実をたくさん付けるので、少し観賞を楽しんでから収穫するのもおすすめです◎
またさくらんぼの花はセイヨウザクラという桜の一種で、ソメイヨシノなどによく似た花を咲かせます。果実だけでなく花の観賞も楽しめるのは、さくらんぼ栽培ならではの魅力ですね。さくらんぼの実や花はガーデニングの彩りにもピッタリなので、可愛い鉢やポットに植えて、映えにこだわってみるのも良いでしょう!
さくらんぼ栽培を通して食育に繋がる
自分でさくらんぼを育て、収穫するという貴重な体験ができることも、さくらんぼ栽培の魅力の一つ。特にお子さんがいる家庭では、自分だけでなく子どもへの食育にも繋がる良い経験になるはずです◎
現代では、手軽に食べ物を得ることができるため、食育を学ぶ機会も減りつつあります。食べ物を作ることの大変さや喜びを、子どもに伝える機会としても、さくらんぼ栽培はおすすめですよ。
さくらんぼの育て方・栽培方法の紹介!
ここからは、さくらんぼの育て方や、具体的な栽培の手順について見ていきましょう!
さくらんぼ栽培の難易度はやや高めで、初心者には難しいと感じるかもしれませんが、ポイントをきちんとおさえておけば、十分美味しい実を収穫することができますよ◎今回は地植え・鉢植え両方の育て方を紹介するので、栽培面積や用途に合わせて、育てやすい方を選んでくださいね。
植え付け・定植の方法と時期
さくらんぼ栽培は、まず苗木を植え付けることからスタートします。さくらんぼの苗木は、ホームセンターや通販などで購入することができ、品種や年生にもよりますが、1,500~2,000円程度で販売されています。植え付けの適期は12月から3月頃です。
また地植えの場合も鉢植えの場合も、さくらんぼ栽培に適した土作りが必要となります。さくらんぼは水はけ・水もちの良い土用を好むので、市販されている土を使うなら、赤玉土小粒7~8、腐葉土3~2の割合で配合すると良いでしょう。
地植え
さくらんぼを地植えする際は、以下の手順を参考に行ってください。
- 配合土や堆肥を植え付け場所の土に3割ほど混ぜ込み1〜2週間寝かせます
- 直径80cm深さ60~80cmの植え穴を掘ります
- 株の間隔は4~5mあけ、植え穴の中心に苗を置いて周りを土で埋めます
- 途中で何度か揺さぶりながら土を入れて根との隙間を埋めます
- 根がすぐに乾燥しないよう、株元にワラや黒マルチを敷きます
- 最後に水をたっぷりとあげたら完了です
植え付け場所には、日当たりの良い場所を選びましょう。地植えは土作りに時間がかかるため、土用ができあがってから苗木を購入するのがおすすめです。また植え付け後に苗木がグラグラする場合は支柱を立て、倒れないよう注意しましょう。
鉢植え
さくらんぼを鉢植えする際は、以下の手順を参考に行ってください。
- 底に鉢底ネットと軽石を敷きます
- 鉢の底から1/3~1/2ほどの土を入れます
- 根に付いた土を軽くもみほぐして、苗を鉢の中心に置きます
- 苗の周りに土を入れ、鉢の縁から下2cmほどまで土を入れます
- たっぷりと水をあげ、根と土が馴染だら完了です
鉢のサイズは、苗木の1~2回りほど大きいものを選ぶのがおすすめです。また苗木自体も大きすぎず、7~8号程度の鉢に収まる程度にしておくと管理しやすいですよ。地植えの場合と同様に、苗が安定せず不安な場合は1m以上の支柱を立てて固定しましょう。
定植後の栽培管理と頻度
定植後は日々のお世話と管理を行います。さくらんぼの品質や収穫量に直結する大切な作業となるので、それぞれのやり方やポイントをしっかりとおさえておきましょう◎
特にさくらんぼは1本だけでは実をつけることができないため、近くに異なる品種を植えて管理する必要があります。相性の良い品種の例には「佐藤錦とナポレオン」、「紅秀峰と佐藤錦」などが挙げられ、親和性が高いほど実つきが良くなりますよ。
水やり・肥料
さくらんぼの水やりは、地植えの場合、日照りの強い日が続き酷く乾燥しないかぎり不要です。鉢植えの場合は、土の表面が乾いたら底から流れ出るくらいたっぷりと与えましょう。
またさくらんぼの生育に欠かせない肥料は、地植えの場合、2月と10月の年2回、鉢植えの場合、さらに5月頃にも与えます。発酵油かすなどの有機肥料や、リン酸の多い化成肥料を与えると生育が良くなりますよ◎
人工授粉
先ほど紹介したように、さくらんぼは1本だけでは結実しないため、複数本植えたり、人工授粉させる必要があります。ただし相性の悪い品種どうしでは受粉できない場合もあるため、事前に調べておくと良いでしょう。
さくらんぼの人工授粉は、花が五部咲きと満開のときの2回行い、異なる品種の花粉を筆や綿棒の先に付け、受粉させる花の雌しべにこすりつけます。このときあまり強くやり過ぎると、花が傷ついて実を付けなくなってしまうため注意しましょう。
受粉のやり方については、こちらの記事でもご紹介していますので、ぜひご覧ください!
摘果
さくらんぼの実がついてきたら、摘果をして数を調整しましょう。1か所あたり2~3つを残すようにして摘み取ると、1つ1つに栄養が行きわたり、甘くて美味しいさくらんぼへと育ちますよ。
あまりたくさんの実を付けたままにしておくと、株が体力を消耗し過ぎて弱ってしまい、翌年以降の実りにも影響が出てしまいます。たくさん収穫したい気持ちもあるかと思いますが、美味しいさくらんぼを長く実らせるためにも、摘果は必ず行いましょう◎
病害虫対策
さくらんぼは灰星病、炭疽病、褐斑病などの病気と、アブラムシやカイガラムシなどの害虫に注意が必要です。病気にかかった葉や実には褐色の斑点が現れるので、見つけ次第できるだけ早めに取り除き、薬剤を散布して感染の拡大を防ぎましょう。
アブラムシやカイガラムシなどの害虫は、株の養分を吸い取って最悪の場合枯らしてしまうので、見つけたら速やかに駆除しましょう。
収穫
5月中旬頃から、いよいよ育てたさくらんぼが収穫期を迎えます。収穫の適期は5月中旬から6月中旬にかけてで、花が満開になってから40~50日ほどで実が赤く色づいてきます。
全体が鮮やかに染まり、ふっくらしてきたら収穫可能なサインです。手やハサミで1つ1つ丁寧に摘み取っていきましょう。
さくらんぼ栽培でよく発生する問題と原因
ここからは、さくらんぼ栽培でよく発生する問題とその原因について紹介します。さくらんぼ栽培は、上手くいくと楽しいですし、美味しい実を収穫することができますが、決して簡単ではありません。
時には問題が発生することもあるかもしれないので、栽培をはじめる前に、先回りして失敗パターンをおさえておきましょう!
花が咲かない
さくらんぼの花が咲かない原因はいくつかありますが、中でも多いのが枝の伸び過ぎや剪定のし過ぎです。
特に地植えの場合、株が大きく育ちやすく、枝ばかりが伸びてしまうことも。さくらんぼの木は枝が伸びすぎるとそこに体力を注いでしまい、花や実を付けなくなってしまいます。そのため地植えしたさくらんぼは、適度に剪定を行い、枝の成長加減を調整しましょう。
また反対に、剪定のし過ぎにも注意が必要です。さくらんぼの新芽は前年の枝の脇芽に作られるので、あまり深く剪定すると古い枝と一緒に新芽まで切り落としてしまう可能性があります。新芽を切り落とせば、当然その年に花は咲かないので、剪定のし過ぎには十分注意しましょう。
実がならない
さくらんぼは、1本では実を付けることができない「自家不和合性」という性質を持っています。そのため異なる品種を同時に植え、開花時期に人工授粉させる必要があります。このとき注意したいのが、品種どうしの親和性です。さくらんぼにはたくさんの品種があり、相性の良いものと悪いものがあるため、事前によく調べたうえで育てるようにしましょう。
また摘果を忘れたままにしてしまうと、株が翌年に実をつける体力まで消耗してしまう可能性があります。摘果は実の品質を良くするだけでなく、株の生育にも関わる重要な作業なので、欠かさず行うようにしましょう。
実が割れたり変形してしまう
さくらんぼは、雨に当たり過ぎると実が割れたり、変形しやすくなります。そのため実を付けはじめた頃から、株に雨対策を施しましょう。
露地栽培の場合はビニールで覆うか、簡易的なビニールハウスを設置し、鉢植えの場合は雨が降った日だけ鉢を屋内か屋根のある場所に移し、実に雨が当たらないようにします。それ以外の日は、できるだけ日に当てて実の生育を促しましょう。
その他さくらんぼの育て方については、こちらの記事でもご紹介していますので、ぜひご覧くださいね◎
さくらんぼを食べてJAさがえ西村山の挑戦を応援しよう!
さくらんぼや桃、りんごなどのフルーツをはじめ、日本で有数の「米どころ」としても知られる山形県さがえ西村山地区。豊かで寒暖差のある自然環境と生産者のたしかな技術によって、「さくらんぼの王様」といわれる佐藤錦など、四季折々の美味しい食べ物を全国にお届けしています。
そんなさがえ西村山地区に拠点を置き、山形県の中央エリアを管轄するJAさがえ西村山では、2023年より「環境にやさしい栽培技術」と「省力化に資する先端技術等」を取り入れた「グリーンな栽培体系」を目指し、新たな取り組みをスタートしています。
気候変動問題が世界中のイシューとなる中で、全国の生産者にはカーボンニュートラルの実現に向けて化学肥料の低減が求められています。(みどりの食糧システム戦略)
とはいえ、化学肥料を減らすと、収入減少の怖さがあり、生産者にとって大きな負担を強いる可能性があります。そこでJAさがえ西村山では、バイオスティミュラントという新しい農業資材に着目し、生産者の負担を軽減する、新しい栽培方法の開発に挑戦しています。
【引用元】バイオスティミュラント 活用による 脱炭素地域づくり協議会
特に、栽培過程で生じる「ゴミ」である食品残渣からバイオスティミュラントを生産することで、「食品から食品」を生む環境負荷の低い栽培を実現し、気候変動に負けない、持続可能な産地を目指しています。
現在、さがえ西村山地区では「さくらんぼ」「桃」「りんご」「米」「なす」の5品目でこの取り組みを実施しているそうです。ぜひ、気候変動問題に果敢に取り組む産地の商品を購入して応援していきましょう!