レバーとは何か
レバーは、主に食用となる動物の肝臓を指します。料理や栄養価においては、その動物の種類によって特性が変わります。一般的には牛、豚、鶏のレバーが出回っています。
牛レバーはや柔らかくて味が濃厚であり、ビタミンB12やビタミンAが豊富です。一方で、臭みを感じやすいため、下処理が重要となります。
豚レバーは弾力があり、たんぱく質や鉄分が最も豊富で低脂肪なため、運動後のたんぱく質補給や貧血予防におすすめです。
鶏レバーはクセが少なく食べやすく、低カロリーです。ビタミンB1や葉酸が多く含まれているため、特にダイエット中の女性や妊婦におすすめです。
レバーは、種類によってそれぞれ異なる特性を持つため、栄養価や料理法により適したものを選ぶことが大切です。
レバーの栄養価とその効果
ここからは、レバーに含まれる栄養素と健康効果について見ていきましょう!
レバーに含まれる主な栄養素
レバーは、その種類(牛、豚、鶏)によって、含まれる栄養素の量や種類が多少異なりますが、いずれも高い栄養価を持つ食材です。それぞれの主な栄養素とその含有量を以下の表にまとめました。
牛レバー | 豚レバー | 鶏レバー | |
---|---|---|---|
エネルギー | 119kcal | 114kcal | 100kcal |
たんぱく質 | 19.6g | 20.4g | 18.9g |
脂質 | 3.7g | 3.4g | 3.1g |
炭水化物 | 3.7g | 2.5g | 0.6g |
鉄 | 4.0mg | 13.0mg | 9.0mg |
それぞれの栄養素が体に与える影響と効果
レバーには、多くの栄養素が含まれています。レバーに豊富なたんぱく質はエネルギーとなるほか、筋肉や皮膚の材料となったり抗体やホルモンを構成し体の機能を調整したりする働きがあります。
鉄は赤血球中の「ヘモグロビン」の生成に不可欠なミネラルです。ヘモグロビンは全身の組織に酸素を運ぶ役割を果たしています。そのため、鉄が不足すると体のすみずみまで酸素が運べず、疲労感や動悸、息切れ、めまいなどの症状を引き起こす鉄欠乏性貧血の原因となります。レバー中の鉄は吸収率が高い「ヘム鉄」であり、効率よい鉄の摂取に役立ちます。
また、レバーにはビタミンAも豊富で、皮膚や目の健康を保つ働きのあるビタミンAが豊富です。特に鶏レバーには多く含まれています。
レバーの食べ過ぎが健康に与える影響
ここからは、レバーの食べ過ぎによる健康への影響や、食べ過ぎの目安について解説します。
レバーの過剰摂取がもたらす具体的な健康被害
レバーの過剰摂取には注意が必要です。特に鶏レバーと豚レバーには、ビタミンAが豊富に含まれています。しかし、ビタミンAを過剰摂取すると、体内に蓄積され頭痛や吐き気が生じるほか、長期間の過剰摂取では中枢神経や肝臓に悪影響を及ぼすとされています。
また、レバーは脂質も多い食材であり、過剰摂取は肥満や生活習慣病のリスクを高める可能性があります。これらの理由から、レバーの摂取は適量に留め、バランスの良い食事を心掛けることが大切です。
どれくらいの頻度や量が食べ過ぎとなるか
レバーは栄養価が高く、特に鉄分やビタミンA、ビタミンB群などが豊富に含まれています。しかし、これらは適量であれば健康に良い影響をもたらしますが、過剰摂取すると健康を害する可能性があります。
具体的には、レバー100gあたりのビタミンA(レチノール活性当量として)は、牛レバーで1100μg、豚レバーで13000μg、鶏レバーで14000μg含まれます。成人1日あたりのビタミンAの耐容上限量(長期的に摂取しても健康被害のリスクがないとされる最大摂取量)は、2700μgです。
したがって、豚レバーや鶏レバーを毎日大量に食べ続けるとビタミンAの過剰摂取となり、頭痛や吐き気などの症状を引き起こす可能性があります。
また、レバーには高レベルのコレステロールも含まれるため、摂取量にも注意が必要です。生活習慣病予防の観点から1日のコレステロールの摂取目安量200mg未満が望ましいとされています。レバーには100gあたり200mg以上のコレステロールが含まれているため、食べ過ぎには注意が必要です。
したがって、レバーは週に1〜2回程度、1回あたりの摂取量は20〜30g程度を目安にするのが良いでしょう。
適量摂取のためのレバーの食べ方のコツ
ここからは、レバーを美味しく安全に食べるコツについて見ていきましょう!
レバーを安全に、かつ栄養を逃さずに頂くための方法
レバーは栄養価が高い一方で、新鮮さが命です。購入後はすぐに調理し、摂取することが大切です。また、加熱調理もしっかりと行いましょう。これはレバーに含まれる可能性のある細菌を死滅させ、食材を安全に摂取するためです。
さらに、レバーの栄養を逃さないためには下処理が重要です。酢と塩を使った下処理方法や、牛乳を使った下処理方法があります。酢や塩は臭みを取る効果があり、牛乳はレバーの味をマイルドにするといわれています。
また、ビタミンCと一緒に食べることで、レバーに含まれる鉄分の吸収効率が上がるとされています。玉ねぎやニラなどの野菜と一緒にレバーを調理すると、より栄養価の高い食事を楽しむことができます。
レバーが苦手な人のための食べやすくする方法
レバー特有の苦味が苦手な方には、下ごしらえで苦味を取る方法がおすすめです。
まず、レバーを切り分けた後、水か牛乳に15分程度漬けておきます。牛乳に含まれるラクターゼがレバーの苦味の元であるヘム鉄を分解し、苦味を和らげます。その後、水気をよく拭き取り、料理に使用します。また、調理法としては煮込み料理がおすすめです。
具体的には、カレーやハヤシライスなど、たっぷりのソースやスパイスで風味を付けることで、レバーのクセをカバーすることができます。これらの工夫をすることで、レバーの栄養を積極的に摂取することが可能になります。
レバーと相性の良いニラとの食べ合わせ
ニラはレバーと相性が良く、一緒に調理すると美味しく食べられます。またニラには、ビタミンB群やβ-カロテンが豊富に含まれており、レバーと一緒に食べればさらに効率よく栄養を補給することができます。おすすめメニューはレバニラ炒めで、白ご飯のお供にピッタリですよ!
材料
- レバー:150g
- ニラ:1束
- 醤油、酒、砂糖、ニンニク:適量
作り方
- レバーは薄切りにし、ニラは5cm長さに切る。
- フライパンでにんにくを炒めた後、レバーを加えて炒めます。
- レバーの色が変わったら、醤油、酒、砂糖を加えてさらに炒めます。
- 最後にニラを加えて炒め、全体が混ざったら完成です。
まとめ
レバーは、その栄養価の高さから、様々な健康効果が期待できる食材として知られています。特に、吸収率が高いヘム鉄、ビタミンA、葉酸などが豊富で、健康維持に欠かせない要素を多く含んでいます。
牛レバーや豚レバーは、鉄分やビタミンB12などたんぱく質補給や貧血予防に役立ちますが、しっかりとした下処理と加熱が必要です。一方で、鶏レバーはビタミンB1や葉酸が豊富で、比較的低カロリーでクセが少ないため食べやすい食材です。
しかし、反面レバーの過剰摂取はビタミンAの過剰摂取につながり、健康被害をもたらす可能性があります。そのため、適度な摂取が大切となります。
結論として、レバーの適度な摂取は健康維持に重要ですが、その摂取量や頻度は個々の身体状況によります。適切な食生活を心がけることが、健康維持に繋がります◎
【参考サイト】
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イチゴはもちろん、メロンや梨といったフルーツや、なす、ニラ、トマトなどの野菜の生産も盛ん!豊富に降り注ぐ太陽光ときれいな水、肥沃な大地、そして昼夜の寒暖差の大きな内陸型の気が農作物を鍛え、おいしく育みます。これらに加え、首都圏に近いことから、新鮮な果物や野菜をいち早く大消費地にお届けできることも特徴です。
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【引用元】バイオスティミュラント 活用による 脱炭素地域づくり協議会
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現在、はが野地区では「いちご」「玉ねぎ」「アスパラガス」の3品目でこの取り組みを実施しているそうです。ぜひ、気候変動問題に果敢に取り組む産地の商品を購入して応援していきましょう!