カリウムの働きと効果
カリウムは私たちの体に欠かせないミネラルです。その主な役割は、以下の通りです。
- 高血圧の予防・改善:カリウムは腎臓でのナトリウムの再吸収を抑制し、尿中への排泄を促進します。これにより、血圧の上昇を抑える効果があります。
- 筋肉のはたらきを維持:カリウムは神経刺激の伝達や心臓機能、筋肉機能の調節にも関与しています。これにより、筋肉の正常なはたらきを維持します。
- むくみの予防・改善:カリウムは、ナトリウムを調節することで余分な水分も体外に排出します。この作用により、むくみの予防と改善に効果的です。
カリウムを適切に摂取することで、これらの働きを最大限に発揮し、健康の維持に寄与します。
カリウムの食事摂取基準
カリウムの食事摂取基準量は、性別や年齢によって異なります。成人男性の場合、摂取目安量は1日2,500mg、摂取目標は3,000mg以上です。
成人女性においては摂取目安が1日2,000mg、摂取目標量は2,600mgとされています。
目標量は、生活習慣病予防を目的として設定されました。この量を目安として、適切な摂取量を意識することが大切です。
カリウムの過不足による体への影響
ここからは、カリウムが不足した場合や過剰摂取した場合の影響や対策について紹介します。
カリウムの摂取不足が体に及ぼす影響
筋収縮や神経伝達に関わるカリウムが不足すると、脱力感や食欲不振、不整脈、精神障害などを引き起こす可能性もあります。
またカリウムの摂取不足は高血圧のリスクを高めることにもつながりかねません。
健康維持や病気予防のためにも、日々の食事でカリウムを十分に摂取していくことが重要です。
カリウムの過剰摂取が体に及ぼす影響
通常の食品以外、例えばサプリメントなどからカリウムを摂取していない場合、腎機能が正常である場合は、カリウムの過剰摂取による健康リスクは低いと考えられています。
カリウムはさまざまな食品に含まれているため、サプリメントなどからカリウムを補おうとすると過剰摂取となる可能性があるのです。
また腎機能が正常であれば、食品から摂取したカリウムは尿として排泄されます。しかし腎機能が低下している場合はカリウムがうまく排出できず、血液中のカリウム値が非常に高くなる「高カリウム血症」となる恐れがあります。高カリウム血症があると不整脈を引き起こすリスクが高まり、大変危険です。腎機能の低下を指摘されている方は、カリウムの摂取については医師の指示に従いましょう。
カリウムを含む食品と摂取のポイント
ここからは、カリウムを多く含む食品と摂取のポイントについて見ていきましょう!
カリウムを含む食品
カリウムが特に豊富な食品としては、以下のようなものがあります。
- 果物類:バナナ、キウイ、プルーン、さくらんぼ、ぶどう、りんご
- 野菜類:ほうれん草、ブロッコリー、枝豆、にんじん、水菜
- いも類:じゃがいも、さつまいも、さといも、ながいも
- 穀物類:玄米、そば、大麦、オートミール
- 豆類:大豆、レンズ豆、そら豆、ひよこ豆、インゲン豆
- ナッツ類:アーモンド、ピスタチオ、らっかせい、栗、くるみ、カシューナッツ
これらの食品を意識的に日々の食事に取り入れることで、カリウムの摂取量を確保できるでしょう。
野菜類は調理方法を工夫する
カリウムは水溶性の成分です。生で食べられる野菜は、含まれるカリウムを丸ごと摂取できますが、茹でたり水にさらしたりする工程が必要なものはカリウムの損失が大きくなってしまいます。
加熱する場合は、茹でるよりも蒸したり炒めたり、電子レンジを使ったりといった調理法を選択すると、カリウムの損失を減らすことができます。また、アク抜きなど水にさらす場合も、極力短時間にするようにしましょう。
この方法以外にも、スープや味噌汁など汁ごと食べられるメニューにすれば、水に溶け出たカリウムを丸ごと摂取できます。
果物はドライフルーツにする
果物は、生で食べるのが一般的ですが、ドライフルーツにすることでカリウムの含有量がアップし、少量でも効率よく摂取することができます。
中でも桃は、100gあたり180mgのカリウムを含み、ドライフルーツにすると生のままとは違った独特の食感と濃厚な甘みを楽しめます。特にりんごは一年を通して手軽に購入できるので、カリウム補給のためにも、生で食べるだけでなくドライフルーツにアレンジして味わうのもおすすめですよ。
まとめ:カリウムの適切な摂取を心がけて健康維持を
今回は、カリウムの働きや摂取基準量、不足と過剰摂取によるそれぞれの影響、そして豊富に含む食品について解説しました。
健康維持においてカリウムの適切な摂取は欠かせません。一日の摂取基準量は、18歳以上男性で2,500mg、18歳以上女性で2,000mgとされています。適切なカリウムの摂取を心がけ、健康で豊かな食生活を送りましょう!
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【引用元】バイオスティミュラント 活用による 脱炭素地域づくり協議会
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