サンふじはどこで生まれたりんご?
サンふじは、昭和45年に山形県朝日町で実施された「ふじ」の無袋栽培によって誕生しました。当時、ふじの栽培は果実に袋をかける有袋栽培が主流でした。しかし1個1個に袋を掛けていく作業は生産者への負担が大きく、農家全体の課題となっていました。
そこで袋掛けを行わない無袋栽培を実施したところ、結果として有袋栽培のふじよりも甘みや香りが強く、良好な食味を持つりんごへと育ち、現在では無袋栽培が主流となりました。
ちなみに、サンふじの「サン」は太陽の「sun」という意味で、袋をかけず太陽の光をたっぷりと浴びて美味しく育ったサンふじにピッタリの名前ですね◎
サンふじの特徴
サンふじは、袋掛けを行わないことで完熟するまで太陽の光をたっぷりと浴びて育ち、従来のふじにはない味や食感の良さを持ち合わせた美味しいりんごです。ここでは、そんなサンふじの特徴や魅力について詳しく見ていきましょう!
味・食感
太陽の光をたっぷりと浴びたサンふじは、りんごの中でも糖度が高く平均15度前後にもなります。蜜入りのものは特に甘みが強く、濃厚な味わいです。果汁たっぷりでジューシーな果肉は歯ごたえバツグンで、シャキシャキとした心地よい食感を楽しめます。また香りも強く、皮を剥かなくても顔を近づけるとりんごの甘い芳香を感じられますよ。
味、食感、香りの三拍子が揃ったサンふじは、加工せず生でそのまま味わうのがおすすめです◎特に旬のサンふじは蜜が入りやすく、甘みもジューシーさも格別なので、ぜひ生のままフレッシュな美味しさを堪能してください◎
見た目
サンふじは表面にザラつきがあったり、色ムラがあったりと一見あまりキレイではないものも多く販売されています。元々ふじが有袋栽培されていたのは、風害や害虫の被害から果実を守り、色づきやツヤを良くするためでした。そのため袋がけされないサンふじは、有袋栽培のふじや他の品種に比べると、見た目の美しさではやや劣る傾向にあります。
しかし最近では、品種改良や着色系の枝変わりなども進み、袋がけをしなくても、ある程度綺麗に色づくものが出来るようになってきました。 今後、栽培技術がより進化すれば、見た目も美しいサンふじが登場する可能性もあり得るでしょう◎
主な産地
山形県発祥のサンふじですが、現在では山形県以外にも、青森県、岩手県、秋田県、福島県などの東北地方で盛んに栽培されています。東北地方の気候は朝晩の冷え込みが激しく、大きな寒暖差があります。この寒暖差がりんごに適度なストレスを与え、栄養や糖分を蓄えさせます。
栽培の特色から、従来より甘みが強くジューシーに育ったサンふじは、日本で最も生産量の多いりんごとなり、全国にたくさんのファンを獲得しています。またサンふじを誕生させた山形県朝日町では、「天狗印ブランド」として地元で育ったりんごの海外輸出も行われており、その中でもサンふじの人気は高く、世界にも通用する美味しいりんごとして評判です◎
旬の時期
サンふじの旬は、11月下旬から3月下旬頃にかけてとなっており、山形県産や福島県産は比較的早い時期から出回りはじめます。最も食べ頃といわれているのは年末から3月上旬頃で、この時期は蜜が入りやすく、糖度の高いサンふじの中でも特に強く濃厚な甘みを感じられますよ◎
蜜入りのサンふじは、気温が高いと劣化しやすくなってしまうため、購入した際は寒い時期でも冷蔵保存するのがおすすめです。
価格
サンふじの価格は、1kgあたり1,000円程度ですが、等級によって前後します。りんごの等級は、色や形、傷などの状態によって「特選」、「特秀」、「秀」、「優」、「星」の5段階に分けられます。
特選や特秀のりんごは贈答品としての需要が高く、サンふじだと1kgあたり2,000円前後で販売されていることが多いです。等級が高いほど色づきが良く、大玉で傷も少ない良品となるため高価です。用途によって品質と価格のバランスは異なるはずなので、通販などでサンふじを購入際はぜひ参考にしてくださいね◎
サンふじとふじの違い
サンふじとふじは、元々同じりんごですが、袋がけを行うか行わないか、栽培方法が異なります。そんなサンふじとふじの特徴の違いを、一覧でチェックしてみましょう。
サンふじ | ふじ | |
---|---|---|
味わい | 甘みが強く濃厚で、コクがある | 強い甘みは感じず、さっぱりしている |
見た目 | 色づきにムラがあり表面がザラザラしている | 鮮やかな紅色でツヤツヤしている |
旬の時期 | 年末から3月頃まで | 4月頃から夏場まで |
貯蔵性 | 低い | 高い |
サンふじは、ふじよりも食味に優れ、糖度は2度前後高くなっています。あまり強い甘みは感じず、さっぱりとした味わいのふじに比べ、サンふじは甘みが強く、コクのある濃厚な味わいをしています。食べる際は、ぜひ生でそのまま味わってみてください!
反対に、ふじは見た目の美しさや貯蔵性に優れており、生食よりもジャムやコンポートなどに加工して長期保存させるのがおすすめの品種です。またふじは皮が薄く食感も気にならないため、調理する際は皮ごと使っても良いでしょう◎
こちらの記事では、サンふじとふじの違いについて解説しています。それぞれの栽培方法や産地などより詳しく知りたい人は、ぜひ合わせてチェックしてくださいね♪
サンふじの選び方
サンふじを購入するなら、できれば新鮮で美味しいものを選びたいですよね◎スーパーなどで購入できるサンふじはもちろん美味しいですが、産地直送の通販サイトを利用すると、より新鮮なものをゲットできますよ。
サンふじ発祥の地である山形県朝日町を管轄する、JAさがえ西村山の公式通販サイトには、旬の時期が近づくとサンふじの販売予定がいち早く掲載されています。注文から発送までもスピーディーなので、旬を迎えた新鮮なサンふじをゲットしたい人はぜひチェックしてみてくださいね!
新鮮なサンふじはどこで購入できる?
サンふじを購入するなら、できれば新鮮で美味しいものを選びたいですよね◎スーパーなどで購入できるサンふじも、もちろん美味しいですが、直売所や産地直送の通販サイトを利用すると、より新鮮なものをゲットできますよ。
原産地である山形県のJA公式通販サイトや、各農家のホームページには、旬の時期が近づくとサンふじの販売予定が掲載されていることも多いので、逃さずゲットしたい人はぜひチェックしてみてくださいね!
まとめ
さくらんぼや桃、りんごなどのフルーツをはじめ、日本で有数の「米どころ」としても知られる山形県さがえ西村山地区。豊かで寒暖差のある自然環境と生産者のたしかな技術によって、「さくらんぼの王様」といわれる佐藤錦など、四季折々の美味しい食べ物を全国にお届けしています。
そんなさがえ西村山地区に拠点を置き、山形県の中央エリアを管轄するJAさがえ西村山では、2023年より「環境にやさしい栽培技術」と「省力化に資する先端技術等」を取り入れた「グリーンな栽培体系」を目指し、新たな取り組みをスタートしています。
気候変動問題が世界中のイシューとなる中で、全国の生産者にはカーボンニュートラルの実現に向けて化学肥料の低減が求められています。(みどりの食糧システム戦略)
とはいえ、化学肥料を減らすと、収入減少の怖さがあり、生産者にとって大きな負担を強いる可能性があります。そこでJAさがえ西村山では、バイオスティミュラントという新しい農業資材に着目し、生産者の負担を軽減する、新しい栽培方法の開発に挑戦しています。
【引用元】バイオスティミュラント 活用による 脱炭素地域づくり協議会
特に、栽培過程で生じる「ゴミ」である食品残渣からバイオスティミュラントを生産することで、「食品から食品」を生む環境負荷の低い栽培を実現し、気候変動に負けない、持続可能な産地を目指しています。
現在、さがえ西村山地区では「さくらんぼ」「桃」「りんご」「米」「なす」の5品目でこの取り組みを実施しているそうです。ぜひ、気候変動問題に果敢に取り組む産地の商品を購入して応援していきましょう!