日本一のりんごの産地は?生産量推移
令和4年度のりんごの生産量第一位は青森県で、国内総生産量の約6割を占めています。
りんごは比較的安定した量が生産されている果物です。令和元年度のりんごの総収穫量は70万1,600トン、令和4年度は73万7,100トンとなっています。台風やモニリア病などの影響で増減はしますが、生産量が大幅に減ることはないようです。
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※2024年4月~2024年8月のデータ美味しいりんごが育つ条件とは?
では、美味しいりんごが育つにはどのような条件が必要なのでしょうか。3つご紹介します。
涼しい気候
美味しいりんごが育つ条件1つ目は、涼しい気候であることです。
りんごの栽培に適した年の平均気温は、6度〜14度ほどだといわれています。気温が低いことで、果実がしっかり赤く色づくのです。またりんごの木は、収穫後の12月〜3月にかけて休眠期間に入ります。休眠期間から目覚めるためにも、一定期間低温にさらす必要があります。
青森県や長野県、岩手県などのりんごの名産地は冷涼な気候なので、りんごの栽培に適しているといえるでしょう。
日中と夜間の温度差が激しい気候
美味しいりんごが育つ条件2つ目は、日中と夜間の温度差が激しい気候であることです。
りんごは、日中に太陽の光を浴びて光合成することで糖を作り出します。糖はりんごの呼吸によって消費されてしまいますが、夜間の気温が低ければ、呼吸を抑えることができるのです。
日中と夜間の温度差が激しい気候なら、昼間蓄えた糖分を夜間になるべく消費せずに済みます。温度差の激しい気候によって、甘く美味しいりんごに育つのです。
降水量が少ない気候
美味しいりんごが育つ条件3つ目は、降水量が少ない気候であることです。
雨が多く湿気た場所だと、病害虫のリスクが高まります。また、土壌の栄養が雨で流れてしまうかもしれません。
降水量が少ない気候であれば、リスクを減らしてりんごの栽培ができるでしょう。
あの地域がなぜ?りんごの名産地の秘密に迫る!
国内のりんごの名産地といえば、青森県、長野県、岩手県です。では、一体なぜこれらの地域でりんごの栽培が盛んなのでしょうか。りんごの名産地の秘密を紐解いていきましょう。
【1位】青森県のりんご栽培の特長
青森県のりんご栽培は、明治8年に始まりました。本州最北端の冷涼な気候、そして広大な敷地があることからりんご畑が増え、盛んに栽培されるようになったそうです。
もともと青森県は冷涼な気候から、農作物の栽培には不向きだといわれていました。冷害で米が不作になることもあったそうです。農作物が上手く育たず窮地に立たされた農家は、気候を活かしたりんご栽培に力を入れ始めたといわれています。
今では国内第1位の生産量を誇る青森県。農家の方の地道な努力の結果だといえるでしょう。
【2位】長野県のりんご栽培の特長
果物の生産が盛んな長野県の中で、最も生産されているのがりんごです。
もともと長野県では、養蚕業が盛んに行われていました。しかし昭和初期の世界恐慌により養蚕業が振るわなくなり、代わりにりんごの栽培が推奨されたそうです。
日照時間が長く、昼夜の寒暖差が激しい長野県の気候はりんごの栽培に適しています。国内のりんごの名産地の中では南に位置しており、青森県、岩手県より早めに収穫できるのが特徴です。
【3位】岩手県のりんご栽培の特長
青森県と同様、冷涼な気候と豊かな土壌でりんごの栽培が盛んに行われているのが岩手県です。
岩手県では、「わい化栽培」「樹上完熟」などの方法でりんごが栽培されています。わい化栽培とは、小さめのりんごの樹を多数植える栽培方法です。疎植栽培に比べて面積あたりのりんごの収穫量を増やすことができます。また、樹全体にしっかり太陽の光が当たるので、きれいに赤く色づいたりんごが育つそうです。樹上完熟とは、樹の上でしっかり完熟させてから収穫する方法です。未熟なまま収穫されたりんごに比べて、果汁たっぷりの深みのある味わいのりんごに育ちます。
まとめ
国内でのりんごの名産地は、青森県、長野県、岩手県です。
美味しいりんごが育つには、
- 冷涼な気候
- 昼夜の寒暖差が激しい気候
- 降水量が少ない気候
などの気象条件があります。青森県、長野県、岩手県ではこれらの条件を満たし、かつそれぞれの産地にあわせた方法でりんごが栽培されているのです。
私達のもとに美味しいりんごが届くまでには、農家の方のさまざまな努力と工夫があります。りんごの背景を知り、今まで以上に美味しくりんごを食べましょう!
【参考サイト】