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【管理栄養士監修】米の栄養は?健康効果や食べ過ぎ、調理の注意点を紹介

【管理栄養士監修】米の栄養は?健康効果や食べ過ぎ、調理の注意点を紹介

私たちの食事に欠かせない米。あまり意識することなく毎日のように食べている方も多いでしょう。そんな米にはどんな栄養素が含まれているのでしょうか。この記事では、米に含まれる栄養素とその働きや効果的な食べ方などをご紹介します。米の栄養が気になっている方は、ぜひ参考にしてください。

米に含まれる栄養素とその働き

米に多く含まれる栄養素といえば「糖質」を思い浮かべる方も多いでしょう。ここでは、米に含まれる主な栄養素について解説します。

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体を動かすエネルギー源となる「糖質」

糖質は、食品に含まれる栄養素のうちエネルギー(カロリー)をつくり出す「エネルギー産生栄養素」です。

糖質は体に欠かせない栄養素ですが、過剰摂取すると脂肪として蓄えられ肥満や生活習慣病などの原因となります。

精白米100gあたりの糖質含有量は83.1gです。

整腸作用などの効果が期待できる「食物繊維」

食物繊維は食べ物に含まれる栄養素のうち、消化されずに大腸まで届き健康に良い影響をもたらす成分です。

食物繊維には整腸作用があります。十分に摂取することで便のカサを増やし、腸を刺激し排便を促します。このような作用のある食物繊維を十分摂取することで、便秘の改善が期待できるでしょう。

また糖や脂質などを体外へ排出してくれる作用から、生活習慣病の予防に役立つといわれています。

米の中でも食物繊維がとくに多いのは玄米です。玄米は精米によって取り除かれる「外皮(ぬか)」や「胚芽(はいが)」をあえて残したお米。ビタミンやミネラル、食物繊維は精白米より豊富に含まれています。

精白米100gあたりには0.5g、同じく玄米には3.0gの食物繊維が含まれています。

筋肉やホルモンのもととなる「たんぱく質」

糖質、脂質と並ぶエネルギー産生栄養素の一つがたんぱく質です。エネルギーとなるほか、筋肉や皮膚、毛髪を構成したりホルモンや抗体の成分となったりします。

たんぱく質といえば肉や魚、卵などに多い栄養素のイメージですが、米にもたんぱく質が含まれています。

精白米100gあたりのたんぱく質含有量は、6.1gです。

糖質の代謝に関わる「ビタミンB1」

ビタミンB1は、糖質からエネルギーをつくり出すことに欠かせない栄養素。糖質やアルコールをたくさん摂取する場合は、ビタミンB1の必要量が高まります。

持久力を必要とする運動を行う場合は、エネルギー(糖質)の補給が重要であり、同時にB1の補給も必要であるといわれています。

骨の健康を維持に欠かせない「マグネシウム」

ミネラルの一種であるマグネシウムは、体の機能維持に必要な物質の合成を助けたり骨の健康を保ったりする作用のある栄養素です。その他体温や血圧の調節、神経伝達などにも関わっています。

米のビタミンやミネラルは食物繊維と同様に、玄米により多く含まれています。

米の1日当たりの摂取量の目安

お米の栄養の主体はエネルギー(カロリー)となる糖質です。

そんなお米(ご飯)の1日当たりの摂取量の目安や、食べ過ぎた場合の影響などをご紹介します。

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※2024年1~8月のデータ

1日に食べるご飯の量の目安

1日に摂取する米(ご飯)の適量は、年齢や活動量によって異なります。

厚生労働省・農林水産省「食事バランスガイド」では、米(ご飯)の摂取量の目安を成人男性で1食200~265g、成人女性1食165~235gほどとしています。

3食すべてご飯を主食とするなら、成人女性で500~700g程度、成人男性は600~800g程度が1日のご飯の適量ということになるでしょう。

以下のご飯の量別のカロリーも参考にしつつ、体重の増減や体調を見ながら米の摂取量を決めるのがおすすめです。

カロリー 1日3食食べた場合のカロリー
ご飯150g(およそ茶碗1杯) 234kcal 702kcal
ご飯100g 156kcal 468kcal
ご飯200g 312kcal 936kcal
ご飯250g 390kcal 1,170kcal

米を食べ過ぎるとどうなる?!

米には糖質が多く含まれているのは、周知の事実。糖質の摂り過ぎは肥満や生活習慣病の原因となります。

くれぐれも食べ過ぎには注意しましょう。

米を健康的に食べるためのコツ

米の効果を最大限に活かし、健康に役立てるには食べ過ぎないこともポイントのひとつです。その他、米を健康的に食べるために意識しておくと良いことについてご紹介します。

食べ方①おかずも一緒に食べる

お米にはたんぱく質やビタミン・ミネラルなどが含まれます。しかし栄養素の1日あたりの必要量を米だけで補うことはできません。健康を維持するためには、米と合わせてさまざまな食品を摂取する必要があります。

エネルギー源となる糖質は主食となる米から摂取し、たんぱく質は肉や魚、卵、大豆製品などから、ビタミンやミネラルは野菜類やきのこ類、海藻類、果物などから摂取することを意識しましょう。

バランスの整った食事を心がけること、健康維持に役立ちます。

食べ方②大豆製品と一緒に食べる

米にはたんぱく質が含まれていますが、実は利用効率があまり良くありません。分かりやすくいうと、米からたんぱく質を多く摂取しても、筋肉づくりにはあまり役立ってくれないということになります。

これは、米のたんぱく質には必須アミノ酸である「リジン」というアミノ酸が少ないため。このリジンを豊富に含む代表的な食品が大豆です。米に不足したリジンを補える大豆製品を一緒に摂ることで、たんぱく質の利用が高まります。

豆腐や味噌、納豆など日本ならではの大豆製品と米との相性の良さは、栄養面でもいえることなのですね。

まとめ|米はこんな人におすすめの食品!

米には糖質のほか、食物繊維やビタミン・ミネラルなどが含まれています。活動するためのエネルギーを補い、体調を整えたい方は米をしっかりと摂取しましょう。ただし過剰摂取は禁物です。米を摂り過ぎると、体重増加や生活習慣病のリスクが高まる恐れがあります。

また、米に不足する栄養素もあります。栄養バランスを意識して、さまざまな食品と組み合わせて食べることを意識しましょう。

【参考サイト】

日本食品標準成分表2020年版(八訂):文部科学省
「何を」「どれだけ」材料と料理区分|食事バランスガイド早分かり:農林水産省
「食事バランスガイド」の適量と料理区分:農林水産省

魚沼産コシヒカリを代表する南魚沼コシヒカリ

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鈴木 亜子

鈴木 亜子 Suzuki Ako

管理栄養士

大学卒業後、主に医療機関に勤務。チーム医療の一端を担い、生活習慣病などさまざまな疾患の栄養管理に取り組む。得意分野は糖尿病で、療養指導や透析予防、重症化予防などを担当した経験も。現在は豊富な栄養相談経験を活かし、ウェルネス関連の記事執筆および監修に携わる。

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