お米マイスターのランクとその定義
お米マイスターには主に「三ツ星お米マイスター」と「五ツ星お米マイスター」の2つのランクが存在します。
「三ツ星お米マイスター」は、お米に関する幅広い知識を持ち、米の特性(品種特性、精米特性)、ブレンド特性、炊飯特性を見極めることができる者を指します。消費者との対話を通じて、その米の良さを伝えることができる人物です。
【三ツ星お米マイスター認定試験の試験範囲】
- 米の品種特性・来歴
- 精米技術
- 米の保存と保管技術
- 炊飯特性と炊き上がりチェック、ブレンド特性
- 接客マナーと対話法
- 米の栄養学・ごはん食の効用
- 関係法令
一方、「五ツ星お米マイスター」は更に高度な知識と技術を持つ者で、お米についての豊富な知識とともに、お米の品質評価や新しいお米の開発など、お米に関する専門的な領域で活動している者を指します。
【五ツ星お米マイスター認定試験の試験範囲】
- 精米技術(お米を精米する技能。精米機械の知識)
- 玄米鑑定(玄米としての米を見極める能力)
- 米穀商品説明(三ツ星で学んだこと等を消費者に説明する能力)
- 炊飯技術(ご飯を炊く能力)
- 食味官能評価(ご飯としての米を見極める能力)
- 米穀ブレンド技術(ブレンドする能力)
- 炊飯指導技術(飲食店主等に炊飯を指導する能力)
これらのランクは、お米に関する知識や情熱、そしてその情報を伝える技術によって決定されます。
お米マイスターの資格取得方法
お米マイスターの資格を取得するためには、以下の一連のプロセスが必要です。
まず、応募資格を確認します。これには、米穀の小売業を営む者及びその家族、従業員、及び5年以上米穀小売業に従事している者などが含まれます。
次に、開催日時と開催場所を確認し、申込締切前に申し込む必要があります。また、講習会時間割(標準)をチェックし、講義の内容と試験科目を把握します。その後は、指定された日に講習会に参加し、試験を受けます。
詳細な講義内容については、品種特性、精米技術、保存と保管技術から店内レイアウトと接客マナーまで幅広く学びます。最終的に資格取得までの流れは、申込みから受講、そして認定まで順を追って進めることとなります。
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※2024年1~8月のデータお米マイスターの取得者数と合格率
お米マイスターは20年の歴史がある資格で、年々、合格者が増加しています。
お米マイスター全国ネットワークによると、五ツ星マイスターの取得者は530件(令和6年2月時点)の登録がありました。
一方、三ツ星お米マイスターの認定者数は、2,274名。令和4年9月30日時点で2,145名、令和5年度に新たに129名が合格していると公表されています。上位資格の五ツ星マイスターまで取得するのは、三ツ星マイスターの4分の1未満(23.3%)となっています。
お米マイスターが行う活動とその影響
お米マイスターは「お米に関する幅広い知識を持ち、米の特性を見極め、その良さを消費者との対話を通じて伝えることができる者」と定義されています。そのため、彼らの活動は多岐に渡ります。
全国でのお米マイスターの取組み
お米マイスターは全国各地で活動を行っており、それぞれの地域の米についての特性を理解し、その良さを消費者に伝える一方、生産者との交流も深めています。
お米・ごはんにまつわる情報発信
情報発信も重要な活動の一つで、米の品種特性、炊飯特性など、お米に関する様々な情報を消費者に伝えています。
生産者との交流会
また、生産者との交流会を開催し、生産者からの生の声を聞くことで、さらに詳しい情報を消費者に提供する役割も果たしています。
新しいお米の評価・紹介
新しい品種の米の評価や紹介も行い、その品種ごとの特性を最大限に引き出す炊き方や、適した料理についてアドバイスを行っています。
まとめ:お米マイスターへの道のりとその重要性
「お米マイスター」は、米に明るい人々を表す資格であり、米に関する広範な知識を持ち、その米の特性を最大限に活かし、消費者へ伝える能力を認定します。資格取得のためには小売業者やその家族、従業員、または5年以上米穀小売業に従事されている方が対象となります。さらに、一連の講習と試験を経て合格することで認定されます。
お米マイスターの存在は、我が国の食文化を守り、発展させる上で大きな役割を果たしています。お米マイスターが行う活動は、消費者への情報提供だけでなく、美味しいお米の提供やブレンド米の商品開発など幅広く、日本人の食生活に直結しています。
一人でも多くの方がこの資格を取得し、日本の米文化を後世に伝えていくことは大変重要な使命です。日本のお米に対する理解と愛情を深め、お米マイスターとして活動することで、日本の食文化保護に貢献しましょう◎
お米を食べてJAさがえ西村山の挑戦を応援しよう!
さくらんぼや桃、りんごなどのフルーツをはじめ、日本で有数の「米どころ」としても知られる山形県さがえ西村山地区。豊かで寒暖差のある自然環境と生産者のたしかな技術によって、「さくらんぼの王様」といわれる佐藤錦など、四季折々の美味しい食べ物を全国にお届けしています。
そんなさがえ西村山地区に拠点を置き、山形県の中央エリアを管轄するJAさがえ西村山では、2023年より「環境にやさしい栽培技術」と「省力化に資する先端技術等」を取り入れた「グリーンな栽培体系」を目指し、新たな取り組みをスタートしています。
気候変動問題が世界中で注目されるようになった中で、全国の生産者にはカーボンニュートラルの実現に向けて化学肥料の低減が求められています。(みどりの食糧システム戦略)
とはいえ、化学肥料を減らすと、収入減少の怖さがあり、生産者にとって大きな負担を強いる可能性があります。そこでJAさがえ西村山では、バイオスティミュラントという新しい農業資材に着目し、生産者の負担を軽減する、新しい栽培方法の開発に挑戦しています。
【引用元】バイオスティミュラント 活用による 脱炭素地域づくり協議会
特に、栽培過程で生じる「ゴミ」である食品残渣からバイオスティミュラントを生産することで、「食品から食品」を生む環境負荷の低い栽培を実現し、気候変動に負けない、持続可能な産地を目指しています。
現在、さがえ西村山地区では「さくらんぼ」「桃」「りんご」「米」「なす」の5品目でこの取り組みを実施しているそうです。ぜひ、気候変動問題に果敢に取り組む産地の商品を購入して応援していきましょう!