旬のなすの魅力
旬を迎え、食べ頃となったなすは果肉がふっくらと成熟し、甘くてとてもジューシーな味わいです。また皮はピンと張ってツヤがあり、食べるとパリッとした心地よい歯ごたえを楽しめますよ。旬のなすはいつも以上に味わいや食感が良く、焼きなすや天ぷらなど様々な料理で美味しく頂けます◎
また旬のなすは色づきが良く鮮やかで、アントシアニンの含有量が通常より多い傾向にあります。アントシアニンはポリフェノールの一種で、アンチエイジングや眼精疲労に効果的です。他にもなすには、食物繊維やカリウム、葉酸など豊富な栄養素が含まれているため、旬の時期にはぜひ積極的に取り入れてほしい食材です。
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※2024年8月のデータなすの旬はいつ?
ここからは、具体的ななすの旬の時期について見ていきましょう!
実はなすにはたくさんの品種があり、特徴や旬の時期が異なります。今回は、一般的に多く出回っているメジャーな品種を中心に、それぞれの旬や味わい・見た目などの特徴について解説します◎
スーパーに多く出回るのは初夏から秋
なすは、一年を通してスーパーなどの店頭に並び、いつでも購入することができますが、最も多く出回るのは初夏から秋にかけてとなっています。一般的に、6月頃から収穫されるなすを「夏なす」、9月以降に収穫されるなすを「秋なす」といい、スーパーには主にこの2種類のなすが並んでいます。
夏なすと秋なすにはそれぞれに属する品種があり、旬の時期にもバラつきがありますが、店頭で購入できるなすの中では、初夏から秋にかけて出回っているものが最も美味しく食べ頃です◎
ほとんどの品種は夏が旬
先ほど紹介したように、なすには主に夏なすと秋なすという2つの種類があり、夏なすは6月頃から収穫がはじまります。また、なすの品種のほとんどは夏なすとして販売され、呼び名の通り夏に出荷のピークを迎えます。
スーパーなどで最も多く目にする「長卵形なす」や「長なす」も夏に旬を迎える品種で、6月から9月頃にかけてが食べ頃となっています。また京都の特産品ともいえる、ころんと丸い形が特徴的な「丸なす」や、近年注目を集めている、柔らかくとろけるような肉質を持つ山形県の「くろべえ」も夏の比較的早い時期から出回りはじめます。
秋なすの特徴と旬
夏に旬を迎える夏なすより、少し遅れて登場するのが秋なすです。秋なすは9月頃から収穫がはじまり、店頭には9月から10月頃にかけて並びます。秋なすに属する品種は少なく、また本来夏に旬を迎える長卵形なすや長なすも、9月以降に収穫されたものは秋なすとして販売され、夏なすよりも味が良いとされています。
「秋なすは嫁に食わすな」ということわざがありますが、この意味の一つに「秋なすは美味しくてもったいないから嫁には食べさせない」という意地悪なものがあります。しかしそういわれるほど秋なすは美味しく、思わず独り占めしたくなってしまう味わいなのです。
人気の品種と旬【産地別】
ここからは、産地別に見たなすの旬と人気品種をそれぞれ紹介します。
美味しいなすの産地は全国各地に存在しますが、今回はその中でも特に注目の4つの県について紹介します。各産地で育ったなすの旬の違いや品種をおさえて、自分好みの美味しいなすを見つけましょう!
高知県
高知県は、生産量全国1位を誇るなすの名産地。ハウス栽培を中心に行い、年間を通して美味しいなすを収穫しています。そんな高知県のなすは、通常多く出回っている夏から秋にかけてよりも、冬から春にかけて最盛期を迎えます。
高知県で生産されているなすは「冬春なす」と呼ばれ、この時期に出回っているなすの多くは高知県産となっています。冬春なすの旬は11月から翌年6月頃までと長く、特に人気があって多く生産されている品種は「竜馬」です。竜馬は肉質が柔らかく濃厚な味わいで、焼きなすなどシンプルな料理にピッタリです◎
熊本県
熊本県は、高知県に次いで生産量2位を誇る、日本でも屈指のなす産地。「熊本赤なす」というブランドなすの生産が盛んで、旬の時期は2月から6月にかけてと、9月から11月にかけての年2回訪れます。
中でも特に人気の品種は「筑陽」で、地元では古くから親しまれているポピュラーななすです。筑陽は肉質が緻密で、舌触りがとても滑らかです。煮物や漬物など、なす本来の食感を楽しめる料理によく合いますよ◎
群馬県
群馬県は、東日本を代表するなす産地。冬春なすの生産量は高知県がトップなのに対し、夏秋なすの生産量は群馬県がトップとなっています。そんな群馬県では、ハウス栽培も取り入れながら、3月から11月にかけての長期にわたり美味しいなすを収穫しています。
群馬県のなすが最盛期を迎えるのは7月から11月にかけてで、中でも人気な品種は「式部」です。式部は果肉がしっかりしており日持ちが良く、冷凍保存も可能◎炒め物や揚げ物にしても食感が残り、心地よい歯ごたえを楽しめます。
山形県
山形県は、生産量こそトップクラスではないものの、独自の栽培技術によって生まれたオリジナル品種が注目を集め、高評価を獲得しているなす産地。そんな山形県のなすは7月から8月にかけての暑い時期に最盛期を迎え、見た目や味わいに優れた夏なすを数多く収穫しています。
中でも人気の品種は「くろべえ」で、名前の通り黒く光沢のある美しい見た目と、柔らかな肉質が特徴となっています。また硬くハリのある皮との食感の違いも面白く、皮ごと調理すれば煮ても焼いても崩れないため料理の質もアップしますよ◎味わいはえぐみがなく、ほんのりと甘くて非常に上品です。
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※2024年8月のデータなすを食べてJAさがえ西村山の挑戦を応援しよう!
さくらんぼや桃、りんごなどのフルーツをはじめ、日本で有数の「米どころ」としても知られる山形県さがえ西村山地区。豊かで寒暖差のある自然環境と生産者のたしかな技術によって、「さくらんぼの王様」といわれる佐藤錦など、四季折々の美味しい食べ物を全国にお届けしています。
そんなさがえ西村山地区に拠点を置き、山形県の中央エリアを管轄するJAさがえ西村山では、2023年より「環境にやさしい栽培技術」と「省力化に資する先端技術等」を取り入れた「グリーンな栽培体系」を目指し、新たな取り組みをスタートしています。
気候変動問題が世界中のイシューとなる中で、全国の生産者にはカーボンニュートラルの実現に向けて化学肥料の低減が求められています。(みどりの食糧システム戦略)
とはいえ、化学肥料を減らすと、収入減少の怖さがあり、生産者にとって大きな負担を強いる可能性があります。そこでJAさがえ西村山では、バイオスティミュラントという新しい農業資材に着目し、生産者の負担を軽減する、新しい栽培方法の開発に挑戦しています。
【引用元】バイオスティミュラント 活用による 脱炭素地域づくり協議会
特に、栽培過程で生じる「ゴミ」である食品残渣からバイオスティミュラントを生産することで、「食品から食品」を生む環境負荷の低い栽培を実現し、気候変動に負けない、持続可能な産地を目指しています。
現在、さがえ西村山地区では「さくらんぼ」「桃」「りんご」「米」「なす」の5品目でこの取り組みを実施しているそうです。ぜひ、気候変動問題に果敢に取り組む産地の商品を購入して応援していきましょう!