店頭で美味しいなすを選ぶ方法は?
なすは追熟しない野菜で、収穫後間もない新鮮なうちが最も美味しい野菜です。そのためスーパーなどの店頭でなすを購入する際は、できるだけ新しくて鮮度が高いものを選ぶのがおすすめです◎
しかし、なすの鮮度は具体的にどう見分ければ良いのでしょうか。ここでは、新鮮で食べ頃ななすの特徴を3つ紹介します。これをおさえておけば、農家や専門家でなくとも、美味しいなすを簡単に見分けることができますよ!
ポイント①色づきが鮮やかでムラのないもの
太陽の光をたっぷりと浴びて元気に育ったなすは、「なす紺」と呼ばれる紫がかった独特の色味が強く、鮮やかに色づいています。この色づきにムラがなく、全体が均一に染まっているものほど栄養がたっぷりと詰まった美味しいなすの証です◎
また皮にハリがあり、表面がツヤツヤと光っているものは鮮度が良く、新鮮な状態です。反対に、皮がしなっとしていてあまり光沢がないものは食べ頃を過ぎているので、選ぶ際は注意しましょう。
ポイント②形がふっくらして重みがあるもの
なすの形は、品種によって細長いものや丸っこいものなど様々ですが、全体にふっくらとした厚みがあるものを選びましょう。細長い形をしたなすも、中腹からお尻にかけて丸みを帯びているはずなので、店頭で選ぶ際はぜひ注目してみてください◎
また同じ品種どうしで同程度の丸みがあるなすを見つけた際は、手に取ったときによりずっしりと重みを感じる方を選ぶのがおすすめです。なすの重みは、果肉が引き締まり、水分をたっぷり蓄えている証です。水分量が多いなすほど、みずみずしくジューシーな食感を楽しめますよ。
ポイント③ヘタのトゲが鋭く尖っているもの
なすの頭に付いているヒラヒラした部分を、ガクといいます。このガクにあるトゲは、なすの鮮度を測るのに重要なポイントで、鋭く尖っているほど新鮮です◎袋詰めされていないなすは、トゲに軽く触れてみて少し痛いと感じるくらいのものを選ぶと良いでしょう。
なすのトゲは鮮度が落ちてくると次第になくなっていくので、まずはトゲがあるかどうかチェックしてみてください。またヘタの切り口がみずみずしく、乾燥していないものは収穫から間もない可能性が高いです。なすのヘタやトゲには鮮度が現れやすいので、店頭で選ぶ際はよく観察してみてくださいね。
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※2024年8月のデータ美味しいなすは産地で選ぶのもおすすめ
美味しいなすを見分けるには、見た目の特徴をおさえることが重要ですが、産地で選ぶのもおすすめです◎なすの産地は全国にたくさんありますが、中でも生産量1位を誇るのが高知県です。高知県は通常なすがあまり出回らない冬から春にかけて出荷のピークを迎え、年間を通して美味しいなすを市場へ届けています。
しかし、なすが本来旬を迎えるのは初夏から秋にかけて。この時期に旬を迎えるなすの産地で注目したいのが、山形県です。山形県は、昼夜に大きな寒暖差がある独特の気候と豊かな山水を生かし、美味しいなすを育てています。一見、農作物の生育に不適と感じる山形県の厳しい気候は、なすを鍛え上げ、甘みと旨みの詰まった良質な味わいに仕上げています。
人気の 品種 はどれ?おすすめのなす品種5選
あまり知られていませんが、なすには実はたくさんの品種があり、それぞれ味・食感・見た目などの特徴が異なります。なすは様々な料理に広く活用できる野菜ですが、品種によっておすすめの調理法も異なり、違った美味しさを楽しめます◎
ここからは、数あるなすの品種の中でも、特におすすめな品種5選を紹介します。これまでなすの品種にはあまり注目してこなかった人も、ぜひ自分好みのなすを見つけてみてください!
竜馬
竜馬は、なすの生産量全国1位の高知県で誕生した品種です。旨みの強い濃厚な味わいで、柔らかくとろけるような食感を楽しめます◎
サイズは小さめですが、しっかりとなすの旨みを感じられるので、焼きなすや蒸しなすはもちろん、お味噌汁などの汁物にもピッタリです。また果肉が柔らかく小ぶりなので、小さなお子さんでも美味しく安全に食べられますよ。
筑陽
筑陽は、高知県に次ぐ生産量を誇る熊本県で誕生した品種です。実がスラリと伸びた「長なす」で、アクの少ないジューシーな甘みが特徴です◎
筑陽は長なすの中でも大ぶりで、果肉がしっかりと引き締まっているため食べ応えバツグン!焼きなすや天ぷらなどのシンプルな調理法で頂くと、心地よい歯ごたえと溢れる果汁のジューシーな美味しさを存分に堪能できますよ。
賀茂なす
賀茂なすは、京都府の名産品として知られる、玉なすの一種です。玉なすというだけあって、ころんと丸い形が特徴的。味わいは、甘みが強くジューシーで「なすの女王」とも呼ばれています。
京都府では、古くから日本料理の食材として賀茂なすを使用するお店が多く、味噌田楽やしぎ焼きなどが人気です◎肉質は緻密で硬く引き締まっているので、程よい噛み応えと滑らかな舌触りを楽しめますよ。
式部
式部は、山形県や群馬県を中心に、全国で広く栽培されている品種です。特に山形県では古くから式部の栽培が盛んに行われており、現在も県を代表する伝統なすの一つとして数えられています。
式部は中長なすの一種で、スーパーなどの店頭にも比較的よく並んでいます。味わいはアクが少なく上品で、柔らかな皮の食感と引き締まった果肉の歯ごたえを楽しめます◎煮崩れしにくく食感が非常に良いので、煮物や焼き浸しなどにおすすめです。
くろべえ
くろべえは、主に山形県の西村山地域で栽培されている品種です。名前の通り色素が濃く、黒っぽい艶やかな見た目が特徴的。大きさはちょうど中長なす程度で、皮にしっかりと硬さがある分、比較的日持ちしやすいというメリットがあります◎
硬めの皮に対し果肉は非常に柔らかく、とろけるような食感を楽しめます。味わいは旨みと甘みのバランスが良く上品で、どんな料理とも相性バツグン。くろべえ本来の味わいや食感を存分に楽しむなら、シンプルな焼きなすや素揚げがおすすめです。
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※2024年8月のデータなすを食べてJAさがえ西村山の挑戦を応援しよう!
さくらんぼや桃、りんごなどのフルーツをはじめ、日本で有数の「米どころ」としても知られる山形県さがえ西村山地区。豊かで寒暖差のある自然環境と生産者のたしかな技術によって、「さくらんぼの王様」といわれる佐藤錦など、四季折々の美味しい食べ物を全国にお届けしています。
そんなさがえ西村山地区に拠点を置き、山形県の中央エリアを管轄するJAさがえ西村山では、2023年より「環境にやさしい栽培技術」と「省力化に資する先端技術等」を取り入れた「グリーンな栽培体系」を目指し、新たな取り組みをスタートしています。
気候変動問題が世界中のイシューとなる中で、全国の生産者にはカーボンニュートラルの実現に向けて化学肥料の低減が求められています。(みどりの食糧システム戦略)
とはいえ、化学肥料を減らすと、収入減少の怖さがあり、生産者にとって大きな負担を強いる可能性があります。そこでJAさがえ西村山では、バイオスティミュラントという新しい農業資材に着目し、生産者の負担を軽減する、新しい栽培方法の開発に挑戦しています。
【引用元】バイオスティミュラント 活用による 脱炭素地域づくり協議会
特に、栽培過程で生じる「ゴミ」である食品残渣からバイオスティミュラントを生産することで、「食品から食品」を生む環境負荷の低い栽培を実現し、気候変動に負けない、持続可能な産地を目指しています。
現在、さがえ西村山地区では「さくらんぼ」「桃」「りんご」「米」「なす」の5品目でこの取り組みを実施しているそうです。ぜひ、気候変動問題に果敢に取り組む産地の商品を購入して応援していきましょう!