【カボチャ大全】カボチャの旬と種類を解説!

【カボチャ大全】カボチャの旬と種類を解説!

ほくほくとした食感とほんのり甘味が感じられる地味深いカボチャは、秋から冬にかけて食卓を彩ってくれる野菜です。今回は、カボチャの旬や日本で食べられているカボチャの種類についてご紹介します。

カボチャとは

カボチャは、鮮やかな橙色の果肉が特徴的なウリ科の野菜です。原産地はアメリカ大陸と言われており、コロンブスによって発見されてヨーロッパに伝わったとされています。
日本には、戦国時代の16世紀にポルトガルから鉄砲とともに持ち込まれたと言われており、その際の経由地とされている「カンボジア」が名前の由来という説が有力です。

現在では、世界中で様々な品種のカボチャが栽培されています。皮の色や肌触り、食感などは非常に多彩で、生食できるものからスープや煮物に適しているものまで様々な用途に用いられます。

日本で栽培されている品種は「日本カボチャ」「西洋カボチャ」「ペポカボチャ」の3種類に大別されます。洋食文化の普及とともにカボチャの消費量も増加しています。

カボチャの一大生産地として知られているのは北海道で、全国のカボチャ生産の4割以上を占めています。全国第2位の鹿児島や第3位の茨城とは生産量が一桁異なるほどの大きな産地です。

カボチャの旬はいつ?

カボチャは基本的に露地で栽培され、夏~初秋にかけて収穫がおこなわれます。しかし、そのまますぐに食卓に届くわけではありません。日本カボチャや西洋カボチャは非常に貯蔵性が高い野菜で、収穫後2~3か月ほどおいて程よく水分が抜けたころに市場流通にのせられます。したがって、カボチャが多く出回るのは9月~10月以降の冬の時期となります。

貯蔵性の高いカボチャ類の中で、ペポカボチャは収穫後すぐに食べられる種類として知られています。水分含有量が高いため、保存性は劣ります。ペポカボチャの代表的な品種であるズッキーニが夏の野菜として知られているのはそのためです。

カボチャの種類:西洋カボチャ

市場に流通しているカボチャのおよそ9割を占めるのが西洋カボチャです。表面に光沢があり、凹凸が少ないのが特徴です。

お店でカボチャを購入する際には、皮にハリとツヤがあり、重みが感じられるものを選びましょう。ヘタの周囲にくぼみがあれば、完熟している証拠です。購入後は冷暗所で保管します。

西洋カボチャは加熱するとほくほくとした食感を楽しむことができ、ほんのりとした甘味もあるため、パイやクッキーなどのお菓子やコロッケなどに用いられます。シンプルに蒸しても美味しく食べられます。

黒皮栗カボチャ

代表的な西洋カボチャで、皮は濃い緑色~黒色をしています。「えびすカボチャ」や「みやこカボチャ」などが有名です。果肉は濃い黄色をしており、加熱して食べると甘味が増します。中をくりぬいてシュレッドチーズを入れ、丸ごとオーブンで焼くとおしゃれで味もよい一品となります。

坊ちゃんカボチャ

重さが500g前後と手のひらに乗るくらい小さなサイズのカボチャです。見かけも味も栗カボチャと似ており、粉質の果肉は加熱すると甘味が強くなります。

電子レンジで5~10分ほど加熱すると十分火が通るため、種とワタを取り除いて中にひき肉やチーズなどを詰めて電子レンジにかけ、グラタン風に仕立てて食べるのもおすすめです。

雪化粧カボチャ

雪化粧カボチャは白皮栗カボチャの一種で、皮が薄く表面に光沢があるのが特徴です。白皮栗カボチャとしては「伯爵カボチャ」も知られています。雪化粧カボチャの方が皮の緑色が強く、伯爵カボチャの皮はほぼ真っ白に近いことから見分けられます。

果肉は粉質で、加熱するとほくほくの食感を楽しめます。甘みはほかの西洋カボチャと比べると少ないため、あっさりとした味わいです。

カボチャの栽培方法については、本サイト内のこちらの記事をご参照ください。

コリンキー

コリンキーは、皮が黄色がかった橙色をしているカボチャで、大きさは500g~1㎏ほどです。完熟させることなく早めに収穫するため、生のまま食べることができます。

皮は一般的なカボチャと比べて柔らかく、皮ごと食べられるのが特徴です。薄くスライスしてドレッシングや塩コショウをかけるのがおすすめです。浅漬けにしたり、炒め物に使ったりすることもできます。

カボチャの種類:日本カボチャ

日本カボチャは、全体的に表面の凹凸がはっきりしているのが特徴です。皮の色は種類によって異なります。果肉には水分が多く含まれているほか、西洋カボチャに比べて甘味が少ないという特徴があります。

代表的な品種には「小菊カボチャ」や「鶴首カボチャ」などがあります。近年は生産量が減少していると言われています。

小菊カボチャ

代表的な日本カボチャの一種で、石川県や福井県で伝統的に栽培されてきた能登野菜として知られています。直径は15㎝、重さは500~800gと小ぶりで、上から見た時に菊の花に形が似ていることが名前の由来と言われています。

収穫適期には皮は濃い緑色、果肉は明るい黄色をしていますが、完熟すると皮の色がくすんだ赤橙色に変化します。
肉質は粘りがあり、近年好まれている西洋カボチャのほくほくとした食感とは異なりますが、味がしみこみやすく、煮崩れしにくいという特徴を生かして、種やワタをくりぬいた中にエビなどの魚介類や豚肉などを詰めて含め煮にした印籠蒸しが有名です。

収穫時期は7月~8月頃で、西洋カボチャと比べて追熟させてもそれほど甘味は増しません。また、水分の含有量が高く貯蔵性も低いため、収穫後それほど時間をおかずに7月~9月頃に市場に出回ります。

鹿ヶ谷カボチャ

鹿ヶ谷(ししがたに)カボチャは京野菜に指定されており、表面に多くのこぶが見られるのが特徴です。形もユニークで、真ん中がくびれた「だるま」のようなひょうたん形をしています。皮は若いうちは濃い緑色をしていますが、完熟すると柿色に変化し、全体的に白っぽく粉をふいた状態になります。

近年生産量は減少しており、高級料亭や百貨店などが主な取り扱い先となっています。果肉は日本カボチャに特徴的な粘質の橙色で、甘味が少ない一方で煮崩れしにくいことから、煮物やそぼろ餡かけなど、優しい味付けで加熱するのがおすすめです。

バターナッツ

最近注目度が高まっている「バターナッツ」は皮の表面が滑らかで西洋カボチャの仲間のような見かけをしていますが、系統的には日本カボチャの一種に分類されます。下部が膨らんだひょうたん型をしており、膨らんでいる部位に種が入っています。

果肉は加熱するとねっとりと滑らかになるため、潰してポタージュにするのが定番の食べ方です。また、フライにしても美味しく食べることができます。
バターナッツは固定種のため、自家採種が可能です。家庭菜園でも比較的育てやすいため、バターナッツを食べた後には種をプランターに植えてみると、収穫を楽しめるかもしれません。

カボチャの種類:ペポカボチャ

ペポカボチャは普通のカボチャとは異なり、未完熟の状態で収穫してすぐに食べることができる種類のカボチャです。完熟の状態を食すカボチャと違い、種の周囲に空洞ができないほか、種類によっては種も食すことができるのが特徴です。

そうめんカボチャ(金糸瓜)

そうめんカボチャは別名「金糸瓜(きんしうり)」とも呼ばれ、皮は薄い黄色をしています。輪切りにして茹でたり蒸したりすると、果肉の部分が糸状にほぐれてそうめんのように見えることから「そうめんカボチャ」の名前が付きました。

能登半島では伝統野菜に登録されているほか、日本各地で栽培がおこなわれていますが、流通量は少ないため産地直売所などで見つけた時に購入するのがおすすめです。
茹でてからほぐしたそうめん状の果肉をめんつゆにつけて食べたり、パスタのようにソースを絡めて食べてもよいでしょう。

ズッキーニ

見かけはカボチャの仲間というよりもキュウリに似ていますが、花を見るとカボチャの一種であることがわかります。

皮の色は濃い緑色や黄色など様々で、柔らかいため果肉と一緒に食べることができます。シンプルにオリーブ油を引いて焼いたり、トマトやパプリカなどと一緒にラタトゥイユとして煮込んだりと火を通して食べることで甘みが増します。

おわりに

現在は年間を通して手に入るカボチャですが、旬の時期が一番おいしいのはどの野菜にも共通しています。カボチャの旬や種類に注目すると、日々の買い物や料理がより楽しくなることでしょう。

カボチャには様々な種類があり、それぞれの特徴を活かして色々な料理に活用されます。普段は食べない種類のカボチャでも、お店や直売所で見かけたらぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。

家庭菜園でのカボチャの育て方についてはこちらの記事でご紹介しています。ご参照ください。

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