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コンパニオンプランツとは?コンパニオンプランツの効果と気になる用語を解説!

コンパニオンプランツとは?コンパニオンプランツの効果と気になる用語を解説!

家庭菜園で野菜を育てるとき、農薬は使いたくない、という方も多いのではないでしょうか。しかし、無農薬で育てる野菜には病気や虫がつきもの。そこで今回は、野菜を組み合わせて植えることで「植物同士の相互作用」を利用し、農薬を使わずに病害虫を防ぐ方法をご紹介します。

コンパニオンプランツとは?

植物には、特定の虫がつきやすかったり、出やすい病気が決まっていたりするものがあります。また、逆に病気や害虫を遠ざける性質を持っていて病害虫の被害を受けにくい植物もあります。

このような植物の特性を活かし、異なる種類の植物を組み合わせて育てることで、農薬に頼らずに病害虫を防除したり野菜の成長を促進したりすることができます。このように、一緒に栽培することで互いに良い影響を与え合う植物の組み合わせをコンパニオンプランツと呼びます。

コンパニオンプランツの効果

害虫を防ぐ

多くの害虫は植物が発する匂いをかぎ分けて自分が好む植物を見つけます。 異なる種類の野菜を組み合わせて植えると野菜同士の匂いが混ざり合うため、害虫は混乱して目当ての野菜を探すのが困難になります。

また、強い香りを持つ野菜を植えるとそれらの匂いを嫌う害虫は近づかなくなるため、近くで育てる他の種類の野菜にも虫がつきにくくなります。害虫が避けるような強い匂いを持つ植物にはキク科やセリ科、シソ科があり、バジルなどのハーブが含まれます。

病気を防ぐ

植物の中には、根に微生物が共生していて病気に対する耐性を持つものがあります。例えばネギ科の野菜では、根に共生する微生物がつくる抗生物質によって病原菌を防除することができます。そこで、ネギ科の野菜をウリ科やナス科の野菜と一緒に育てることで、ウリ科やナス科がかかりやすい病気を避けることができます。

ネギ科の野菜は優秀なコンパニオンプランツです。ネギ科の野菜をコンパニオンプランとして取り入れるときに効果的な組み合わせ方については、こちらの記事をご参照ください。

また、異なる種類の野菜を育てることで、野菜だけでなく虫や鳥などの家庭菜園に集まる生物の種類が多様化するため、特定の病原菌が増加することを防ぐ効果もあります。

生長・結実を促進する

異なる種類の野菜を組み合わせて近くで育てると、生長が早まったり、収量が増えたりすることがあります。これは、野菜の茎や根、葉から分泌される物質が他の種類の野菜の生育を促進していると考えられます。このような相互作用をアレロパシーと呼びます(3.1 アレロパシーとは?)。

また、地上だけでなく土壌中で生活する生物の種類が多様になるため、土が肥沃になることで野菜の生育が促進されるという効果もあります。

空間を有効活用できる

植物は種類によって草丈や成長の早さが異なります。それらの違いを活用して、背が高い野菜の根元にあまり草丈が伸びない野菜を植えたり、植える時期をずらして順に収穫したりすることで、ひとつの空間の中で多くの種類の野菜を育てることができます。特に家庭菜園ではスペースに限りがある場合が多いため、コンパニオンプランツを取り入れて空間を有効に活用することが大切です。

気になる用語を解説!

アレロパシーとは?

コンパニオンプランツに関する説明の中で、よく目にするのが「アレロパシー」という言葉です。アレロパシーは日本語で「多感作用」と訳されます。

アレロパシーは一般的に、「ある植物が放出する化学物質が、他の生物に阻害的、あるいは促進的な何らかの作用を及ぼす現象」を意味します。すなわち、植物が出す化学物質が匂いや刺激として他の生物に伝わり、それによって他の生物の生育が妨げられたり促進されたりするという現象のことをアレロパシーといいます。

アレロパシーが働く経路は主に4種類あると考えられています。

  • 植物が光合成や呼吸を行うときに揮発成分が空気中に放出される
  • 葉が雨や露などで濡れたときに成分が水滴に溶け込む
  • 根からにじみ出る
  • 落ち葉などの植物の残渣が蓄積する

どの経路を通るか、どのような化学物質を成分として含むかによって影響を受ける生物の種類やその反応が変化します。

揮発成分が呼吸時に放出されると、それが匂いとして昆虫や微生物に働きかけることで虫や微生物を引きつける、あるいは遠ざける効果があります(2.1 害虫を防ぐ 2.2 病気を防ぐ )。

また、葉や根から成分がにじみ出ると、他の野菜の生長・結実が促進されたり雑草の生育が抑えられたりします(2.3 生長・結実を促進する )。さらに、落ち葉などが蓄積してマルチとして機能することで、土壌中の水分蒸発の抑制や地温が維持につながり、雑草が生えにくくなることなどが知られています。

バンカープランツとは?

バンカープランツとは、植物にやってくる病害虫に対して、天敵を増やしたり温存したりする植物のことです。バンカーには「銀行」という意味がありますが、天敵を植物の中に蓄えておき、病害虫が発生したときにすぐに天敵が対応できるようにするということです。 バンカープランツを利用することで、農薬を使わずに病害虫を防ぐというコンパニオンプランツと同様の効果を得ることができます。

アブラムシの天敵を引きよせるコムギやソルガムがバンカープランツとして知られています。また、ソラマメはアブラムシを呼び込む性質があるため、ソラマメを「おとり」として植えることでキャベツや玉ねぎなどの野菜にアブラムシがつくのを防ぐことができます。

ほかにも、うどんこ病を引きつけるクローバーの性質を利用すると、野菜にうどんこ病が発生するのを防止できると言われています。バンカープランツを利用する際には、どのような病害虫の天敵を呼び寄せるのかを踏まえて、組み合わせる植物の種類をしっかりと検討することが重要です。

おわりに

今回は、コンパニオンプランツの効果とアレロパシーの役割、そしてバンカープランツについてご紹介しました。マメ科のコンパニオンプランツの効果的な組み合わせ方についてはこちらをご参照ください。

コンパニオンプランツを上手に取り入れて、野菜づくりを充実させましょう!

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