夏が旬の野菜とは
夏野菜には、水分やミネラルがたっぷりと含まれており、夏バテ防止に役立ちます。また厳しい紫外線から肌を守るには、ビタミンCやビタミンEなどの栄養素が必要不可欠で、夏野菜にはこれらのビタミン類も多く含まれています。
夏は暑さや紫外線にって様々な健康被害を受けやすいため、毎日の食事に旬の野菜を取り入れ、効率よく栄養を摂取することが大切です◎
定番の夏野菜
夏が旬の野菜は、6月から8月頃にかけてよく出回ります。年中出回っている品目も、旬の時期にはお求めやすい価格になっているので、スーパーで見かけた際はぜひ手に取ってみてください◎
ここでは、そんな夏野菜の種類と、それぞれの特徴について詳しく紹介します。
ナス
ナスは、甘くてジューシーな味わいが特徴で、加熱すると柔らかくとろけるような食感になりますが、生のままでもシャキシャキとした独特の歯ごたえが楽しめます。アクが少なく、煮ても焼いても揚げても美味しく食べられます◎ナスは基本的に夏が旬ですが、6月から収穫されるものを「夏ナス」、9月から収穫されるものを「秋ナス」と呼びます。
ナスには、食物繊維が豊富に含まれており、便秘解消に効果的です。またナスの皮には「ナスニン」というポリフェノールが含まれているので、皮ごと食べることで高い抗酸化作用が期待できます◎
- 産地:高知県、熊本県、山形県など
- 旬の時期:6月から9月
- 選び方:色が濃くハリツヤがある、トゲが鋭く尖っている、ずっしりと重みがある
トマト
トマトは、果物にも似た甘みと程よい酸味を感じられる、夏野菜の定番品目。サラダをはじめ、カレーやスープ、ジュースなどにも活用できます。旬の時期は6月から8月頃ですが、「冬春トマト」は12月から6月頃まで出回っています。
トマトには、美肌づくりに欠かせないリコピンが豊富に含まれており、積極的に食べることでハリのある若々しい肌を保つことができますよ◎
- 産地:熊本県、北海道、茨城県など
- 旬の時期:6月から8月
- 選び方:赤色が濃く鮮やか、ヘタの緑色が濃い、ずっしりと重みがある
キュウリ
キュウリは、96%が水分でとてもみずみずしく、独特の歯触りと爽やかな味わいを楽しめます。丸かじりやサラダ、漬物などの生食に向いており、夏の副菜に欠かせない存在です。夏に出回るキュウリは、露地栽培で太陽の光をたっぷりと浴びているため、味も食感も格別ですよ◎
キュウリには、むくみ解消や夏バテ防止に役立つカリウム、美肌づくりに欠かせないビタミンCなどの栄養素が含まれています。ほとんど水分のため栄養がないと思われがちですが、水分と共に不足しがちなビタミンやミネラルを補うことができます。
- 産地:宮崎県、群馬県、埼玉県など
- 旬の時期:6月から9月
- 選び方:緑色が濃くハリがある、イボがゴツゴツと尖っている
ピーマン
ピーマンは、唐辛子の仲間で、独特の香りと苦みがあり、炒め物や天ぷらにすると美味しく食べられます。また肉との相性が良く、臭みを消したり旨みを引き出すのにも大活躍します。ピーマンは夏野菜の代表格で、旬の時期には甘みがアップして食べやすくなっていますよ◎
ピーマンには、ビタミンCやビタミンEに加え、抗酸化作用のあるポリフェノールの一種も含まれているため、積極的に食べることで美しく若々しい肌づくりに役立ちます。
- 産地:茨城県、宮崎県、高知県など
- 旬の時期:7月から9月
- 選び方:緑色が濃く鮮やか、ヘタの切り口がみずみずしい
トウモロコシ
トウモロコシは、甘くてジューシーな味わいが特徴で、茹で、焼きはもちろん、生でも食べられる野菜です。根元の部分や粒の芯が特に甘く、そのままかぶりつくのがおすすめです◎お祭りの屋台などでも定番のトウモロコシは夏に旬を迎え、この時期が最も甘みが強くジューシーです。
トウモロコシには、人の体のエネルギーとなる炭水化物やビタミンB群などの栄養素がバランスよく含まれており、疲労回復に効果的です。
- 産地:北海道、千葉県、茨城県など
- 旬の時期:6月から9月
- 選び方:皮の緑色が濃い、ひげが黒っぽい、粒が先端までぎっしりと詰まっている
枝豆
枝豆は、品種によって特徴が異なりますが、豆類の中でも旨みとコクが強く、濃厚な味わいをしています。旬の枝豆は特に風味が良く、味や食感も格別なので、シンプルな塩茹でにして本来の美味しさを楽しむのがおすすめです◎
枝豆には、筋肉の素となるタンパク質が豊富に含まれており、さらに低カロリー、低脂質、低糖質なので筋トレのお供に最適です。
- 産地:北海道、宮城県、佐賀県など
- 旬の時期:6月から7月
- 選び方:さやの緑色が鮮やか、産毛がびっしりと生えている、粒揃いが良い
オクラ
オクラは、独特のネバネバと食感が特徴で、加熱すると非常に鮮やかな緑色になります。料理の彩りとしてトッピングするのも良し、焼き野菜や天ぷらにしても美味しく食べられますよ◎
オクラには、整腸効果のある食物繊維が豊富に含まれており、便秘解消に効果的です。また夏バテ防止に役立つカリウムや、体内でビタミンAに変換し、皮膚や粘膜の健康を維持するβカロテンも含まれています。
- 産地:鹿児島県、高知県、沖縄県など
- 旬の時期:6月から9月
- 選び方:緑色が濃く鮮やか、産毛がびっしりと生えている
ズッキーニ
ズッキーニは、キュウリに似た見た目と、ナスに似た食感を持っていますが、実はカボチャの一種。クセがなくあっさりとした味わいが特徴で、油との相性が良いためソテーやフライにすると美味しく食べられます◎
ズッキーニには、ビタミンB群が豊富に含まれており、エネルギー代謝や細胞のターンオーバーを助けます。
- 産地:長野県、宮崎県、群馬県など
- 旬の時期:6月から8月
- 選び方:皮の色が鮮やかで傷がない、太さが均一でふっくらしている
インゲン
インゲンは、シャキシャキとした食感と甘みが特徴で、炒め物や天ぷらにすると美味しく食べられます。またインゲンは生で食べることはできませんが、しっかりと茹でておひたしにすると、本来の甘みや旨み、食感を存分に楽しめますよ◎
インゲンには、炭水化物やタンパク質など、人の体に欠かせない重要な栄養素が多く含まれているほか、ビタミンB群や鉄、カルシウムなどがバランスよく含まれています。
- 産地:千葉県、福島県、鹿児島県など
- 旬の時期:6月から9月
- 選び方:緑色が濃く鮮やか、種子の部分が盛り上がっていない、太さが均一
シシトウ
シシトウは、ピーマン同様に唐辛子の仲間ですが、辛みや苦みが少なく、肉厚で甘みがあるのが特徴です。パリッとした食感と爽やかな香りがあり、焼き野菜や天ぷら、焼き浸しにしても美味しく食べられます◎
シシトウには、βカロテンやビタミンCをはじめとしたビタミン類が豊富に含まれており、老化防止や美肌づくりに効果的です。
- 産地:高知県、千葉県、和歌山県など
- 旬の時期:6月から9月
- 選び方:色鮮やかでハリツヤがある、形が真っすぐ、先端がくぼんでいる
珍しい夏野菜や香味野菜
夏に旬を迎える野菜の中には、ちょっと珍しい野菜や香味野菜も含まれています。定番品目に比べるとスーパーで見かける機会は少ないかもしれませんが、どれも栄養たっぷりで美味しいので、旬の時期にはぜひ食べてみてください◎
アーティチョーク
アーティチョークは、10~15cmほどに育った若い蕾の部分を食用として使う野菜です。独特な形をしていますが、味わいはそら豆に似ており、ほのかな甘みとホクホクとした食感を楽しめます◎日本ではあまりメジャーではありませんが、フランスでは煮込み料理によく用いられています。
アーティチョークには、食物繊維が豊富に含まれており、便秘解消や血糖値を下げる効果が期待できます。
- 産地:大阪府、茨城県、神奈川県など
- 旬の時期:6月
- 選び方:切り口がみずみずしい、ふっくらと丸みがある、ずっしりと重みがある
ルバーブ
ルバーブは、あんずにも似た独特の香りと酸味が特徴で、ジャムやお菓子作りの材料として用いられることが多い野菜です。見た目はフキに似ており、緑から赤のグラデーションが非常に鮮やかです◎
ルバーブには、食物繊維やビタミン、ミネラルが豊富に含まれており、便秘解消や美肌づくりに役立つほか、高血圧や動脈硬化などの病気予防にも効果的です。
- 産地:長野県、北海道など
- 旬の時期:6月から9月
- 選び方:色鮮やか、全体にハリツヤがある、切り口がみずみずしい
ビーツ
ビーツは、鮮やかな赤色の色素が特徴で、料理に彩りを与えます◎味わいは大根やトウモロコシにも似たほのかな甘みがあり、土っぽい独特の風味も感じられます。ロシアでは「ボルシチ」というスープ料理に欠かせない野菜として古くから親しまれています。
ビーツには、赤い色素の元となっている「ベタシアニン」というミネラルの一種が豊富に含まれており、高血圧や脳卒中の予防、骨密度の増加に効果的です。
- 産地:熊本県、長野県、茨城県など
- 旬の時期:6月から7月
- 選び方:皮の表面にデコボコがない、茎の付け根の皮がむけていない
シソ
シソは、独特の爽やかな香りが楽しめる香味野菜です。様々な料理に活用でき、素麺やお茶漬けの薬味としてはもちろん、サクサクの衣を纏わせた天ぷらは絶品です◎シソは香りの印象が強く、あまり味がしないと思われがちですが、噛みしめるとほのかな苦みの後から追いかけるように甘みも感じられます。
シソには、ビタミンとミネラルがバランスよく含まれており、中でもカルシウム、βカロテン、ビタミンB2の含有量は野菜の中でもトップクラスです。
- 産地:愛知県、静岡県、宮崎県など
- 旬の時期:6月から9月
- 選び方:葉がみずみずしく色鮮やか、香りを強く感じる
ミョウガ
ミョウガは、シソと共に日本で古くから親しまれている代表的な香味野菜です。ツンとした香りと辛みが食欲をそそり、シャキシャキとした心地よい歯触りも楽しめますよ◎素麺や刺身、冷ややっこなど様々な料理の薬味として大活躍します。
ミョウガには、独特の香りの元となっている「αピネン」が豊富に含まれてます。αピネンは胃液の分泌を促し、食欲を増進させる作用があり、食欲が落ちがちな夏には積極的に摂りたい栄養素の1つです。
- 産地:高知県、奈良県、秋田県など
- 旬の時期:6月から8月
- 選び方:丸々と太い、葉が閉じていてしっかりと硬さがある
暑い夏を乗り切ろう!栄養満点レシピ
ここからは、夏野菜の栄養をたっぷり美味しく摂れるレシピを紹介します!
夏はたくさん汗をかいたり、冷房との温度差で体力を消耗しますよね。そんなときこそ、夏野菜を使ったスタミナ料理を食べて、エネルギーをチャージしましょう◎
夏野菜たっぷりトマトキーマカレー
ごろっと野菜の食感とひき肉の旨みが食欲をそそる「夏野菜たっぷりトマトキーマカレー」。旬の野菜を贅沢に使った、いつもと一味違うカレーをぜひお試しください◎
【材料】
- 合い挽き肉 250g
- 玉ねぎ 1/2個
- ナス 2本
- ズッキーニ 1/2本
- パプリカ 1/2個分
- カレー粉 大さじ1.5
- Aカットトマト 1缶(400g)
- Aオイスターソース 大さじ1
- Aウスターソース 大さじ1
- A砂糖 小さじ1(または蜂蜜)
- Aすりおろしにんにく、しょうが 各小さじ1
【作り方】
- 玉ねぎはみじん切り、なす、ズッキーニ、パプリカは1.5㎝大に切ります
- フライパンにオリーブオイルを入れて中火にかけ、玉ねぎを炒めます
- 玉ねぎがしんなりしたら、合い挽き肉も加えて色が変わるまで炒めます
- カレー粉を振り入れ、さらに1分ほど炒めます
- 残りの野菜を加え、2分ほど馴染ませながら炒め合わせます
- Aを全て加え混ぜ、フタをして弱火で15分ほど野菜が柔らかくなるまで煮ます
- お皿に温かいご飯をよそい、上からできあがったルーをかけたら完成です
ナスとピーマンの味噌炒め
とろとろのナスと、シャキシャキのピーマンの食感がたまらない「ナスとピーマンの味噌炒め」。コク旨な味噌だれがよく絡んで、ご飯が進みます◎
【材料】
- ナス 3本
- ピーマン 3~4個
- ※シシトウの場合は10~12本
- サラダ油 大さじ2
- 輪切り唐辛子 少々
- A味噌 大さじ2
- A砂糖 大さじ1と1/2~2
- Aみりん 大さじ1と1/2
- A酒 大さじ1
【作り方】
- ピーマンは縦半分に切って種とヘタを取り除き、縦に1㎝幅ほどに切ります
- ナスはヘタを取り、ひと口大の乱切りにします
- ボウルにAを全て入れてよく混ぜ合わせておきます
- フライパンにサラダ油を入れて中火にかけ、ナスを炒めます
- ナスに火が通ったらピーマンを加え、さらに1分半ほど炒めます
- そこに3を加え、全体を混ぜ合わせながら水分を飛ばすように炒め合わせます
- お皿に盛り付け、お好みで輪切り唐辛子を散らせば完成です
ズッキーニと大葉チーズの肉巻き
とろけるチーズとたっぷりのズッキーニでボリューム満点な「ズッキーニと大葉チーズの肉巻き」。甘辛な味付けで、大人から子どもまで喜ばれる一品です◎
【材料】
- 豚ばら薄切り肉 350g
- ズッキーニ 1本
- シソ 4枚
- スライスチーズ 4枚(とろけるタイプ)
- 塩こしょう 少々
- 小麦粉 適量
- サラダ油 小さじ2
- A醤油・砂糖 各大さじ3
- Aみりん・酒 各大さじ1
- サニーレタス・ミニトマト お好み
【作り方】
- ズッキーニは縦向き3mm幅に、シソとチーズは縦半分に切ります
- 豚ばらを並べて塩こしょうを振り、ズッキーニ、チーズ、シソを交互に乗せます
- 手前からきつく巻いていき、巻けたら小麦粉を全体に薄くまぶします
- フライパンにサラダ油を入れて中火にかけ、3を巻き終わりを下にして焼きます
- 焼けたら転がして全体に焼き色を付け、フタをしてして5分蒸し焼きにします
- Aを全て加え、とろみが出るまで1分ほど煮詰めます
- 一口サイズに切り、切り口を上にしてお皿に盛り付けます
- お好みでサニーレタスやミニトマトを添えれば完成です
野菜を食べてJAさがえ西村山の挑戦を応援しよう!
さくらんぼや桃、りんごなどのフルーツをはじめ、日本で有数の「米どころ」としても知られる山形県さがえ西村山地区。豊かで寒暖差のある自然環境と生産者のたしかな技術によって、「さくらんぼの王様」といわれる佐藤錦など、四季折々の美味しい食べ物を全国にお届けしています。
そんなさがえ西村山地区に拠点を置き、山形県の中央エリアを管轄するJAさがえ西村山では、2023年より「環境にやさしい栽培技術」と「省力化に資する先端技術等」を取り入れた「グリーンな栽培体系」を目指し、新たな取り組みをスタートしています。
気候変動問題が世界中のイシューとなる中で、全国の生産者にはカーボンニュートラルの実現に向けて化学肥料の低減が求められています。(みどりの食糧システム戦略)
とはいえ、化学肥料を減らすと、収入減少の怖さがあり、生産者にとって大きな負担を強いる可能性があります。そこでJAさがえ西村山では、バイオスティミュラントという新しい農業資材に着目し、生産者の負担を軽減する、新しい栽培方法の開発に挑戦しています。
【引用元】バイオスティミュラント 活用による 脱炭素地域づくり協議会
特に、栽培過程で生じる「ゴミ」である食品残渣からバイオスティミュラントを生産することで、「食品から食品」を生む環境負荷の低い栽培を実現し、気候変動に負けない、持続可能な産地を目指しています。
現在、さがえ西村山地区では「さくらんぼ」「桃」「りんご」「米」「なす」の5品目でこの取り組みを実施しているそうです。ぜひ、気候変動問題に果敢に取り組む産地の商品を購入して応援していきましょう!