ラディッシュとは?
ラディッシュはユーラシア大陸原産のアブラナ科の野菜です。日本では明治時代に栽培が始まりました。別名のラディッシュと呼ばれることもあります。赤くて丸いキュートな見た目が魅力の野菜です。
季節によって栽培にかかる期間は異なりますが、春秋は約40日、夏はその名の通り約20日で収穫できるようになります。比較的短い期間で育てることができ、大きさも通常のダイコンに比べてはるかに小さいラディッシュは、プランター菜園でもおすすめの野菜です。
ラディッシュの育て方
種まき
まずはじめに割りばしなどで深さ1cmほどの溝を作ってから、約1cmの間隔で種を播いていきます。何列も植える場合は、列と列の間隔をきちんと取るようにしましょう。
プランターでは2列ほど作ることができます。種をまいた後は覆土するのを忘れないようにしましょう。
間引きと追肥
株間が狭いと根が大きくならず、病気も発生しやすくなるので、葉と葉が重なり合わない程度に間引きをします。また、必要に応じて肥料や液肥を与えて追肥をします。追肥は、固形の肥料の場合は途中で一度与えればよいとされていますが、液肥を使用する場合には1週間に1回のペースで与えるようにしましょう。
収穫
根の直径が2〜3cmほどになったら収穫します。収穫の時期が遅れると、根に割れ目が入ってしまうことがあるので気をつけましょう。
病害虫とその対策
白さび病
葉の裏面に白色の小さな斑点が発生します。病気が進行すると、表皮が破れて白色の胞子が飛散し、拡散します。病気が発生した葉はやがて色抜けして黄色くなります。
防除方法
白さび病にかかった葉は被害が拡大しないようにその場でビニール袋などに入れて持ち出し、畑の外で処分しましょう。また、窒素過多にならないように適切に肥料を管理することも大切です。病原菌は多湿を好むので、水はけの良い土壌で育てるように心掛けましょう。
苗立枯病
種を蒔いてからしばらくした後の育苗中に起こる病気です。地面付近の茎で発病し、ひどくなると萎れはじめて枯死してしまいます。特に、発芽したばかりの時期に発病すると、すぐに色が黒ずんで枯死に至ります。
防除方法
土壌の水分が多いと発生しやすくなるので、育苗中の水管理には注意しましょう。また、病原菌は土壌で広まり、苗の根や地際部を侵すので、汚染されていない土を使うようにしましょう。
ダイコンハムシ
黒っぽい緑色をした甲虫で、成虫も幼虫も葉にたくさんの穴を空けながら食害を起こします。また、ダイコンハムシはたくさんの糞を排出するため、光合成が妨げられて一部で生育不良になったりします。
防除方法
寒冷紗や防虫ネットなどを使用して成虫の侵入を防ぎ、産卵による大量発生を予防しましょう。また、ダイコンハムシは他のアブラナ科の植物が発生源となることがあるため、周囲の雑草は丁寧に除去するように心掛けてください。
アブラムシ
黄色や黒色の小さな虫で、葉っぱの裏にくっついて吸汁します。繁殖力が高く大量に発生し、葉の生育を阻害します。アブラムシによる害がひどくなると、植物は落葉し、光合成ができなくなって枯死してしまいます。
アブラムシの排泄物は野菜の葉をベタベタにするほか、アリを誘因します。また、モザイク病やすす病を媒介する点でも厄介な害虫です。
防除方法
アブラムシが見つかった場合は、被害を受けている株の周りをマルチングするとよいでしょう。マルチングについてはマルチを使い分けて野菜作り!様々なマルチの種類と効果まとめをご参照ください。
また、天敵のテントウムシを放つ方法や、アブラムシの共存相手であるアリを駆除する方法もあります。
ヨトウムシ
夜間に株間から出てきて多くの植物を食い荒らします。ふ化した幼虫は卵塊の周辺部から集団で食害を起こしはじめ、次第に他の部位にも食害をもたらすようになります。
防除方法
葉の裏に大量に卵を産み付けるので、日ごろから葉裏を観察して見つけたらふ化しないうちに葉ごと処分してしまいましょう。また成長すると昼間は土の中に隠れているので、被害が出ているのに見つからないという場合は土の中を探して駆除します。
おわりに
今回は、可愛らしい姿と栽培期間の短さから家庭菜園で大人気のラディッシュについて、栽培方法や注意すべき病害虫をご紹介しました。
病害虫は農薬に頼らずに対処できれば一番よいですが、大量に発生した場合には薬剤による対処も有効です。本ページの農薬データベースの対象農作物の欄に「ラディッシュ」、適用病害虫の欄に病気や害虫の名前を入力すると、防除に適した薬剤を検索することができます。併せてご参照ください。