栗ってどんな果物?栗の種類や特徴について解説

栗ってどんな果物?栗の種類や特徴について解説

秋の味覚の代表格とも言える栗は、和菓子や洋菓子、お料理など様々なアレンジ料理があり、私たちに馴染み深いもの。栗には品種が40種類程あり、美味しさにも違いがあります。 この記事では、栗の種類や特徴などをご紹介し、栗の魅力をお伝えします!

栗とは?栗の魅力は?

栗はブナ科クリ属の落葉樹になる果実のことで、日本だけでなく世界中に数多く品種が存在しています。栗を大きく分けると、日本栗(和栗)、中国栗、ヨーロッパ栗、アメリカ栗に分けられます。この中で日本栗は特に大きく、自生する芝栗を改良したものです。

栗のイガの部分は、他の果物でいうところの皮の部分です。私たちが食べている部分は種に当たり、皮だと思っていた鬼皮(栗の外側の部分)が果肉です。

栗の主な産地は?

令和4年の栗の収穫量ランキングは、1位茨城県(23.5%)、2位熊本県(14.6%)、3位愛媛県(7.7%)です。栗で有名な長野と京都ですが、生産量は茨城県などよりは少ないようです。

日本の栗栽培の歴史

栗の歴史は古く、三内丸山遺跡など各地の遺跡から炭化した栗が発見されていることからも、縄文時代から栗の栽培が行われていたと考えられています。遺跡の調査からも、栗の木は道具を作る材料や燃料として使用されていたと推測されているようです。

戦国時代には、日本の伝統的な保存食のかち栗(栗を乾燥させたもの)を勝ち栗にかけて、縁起担ぎの品とし戦国武将たちに重宝されたそうです。この頃から栗の栽培はさらに盛んになりました。

栗の代表品種と旬の時期

一般的に、栗の実は8月中旬頃から収穫が始まり、おおむね9月から10月に旬を迎えます。品種によって収穫時期が異なり、早生種・中生種・晩生種があります。

筑波(つくば)

筑波栗は岸根×芳養玉の交配させてできた品種です。安定して沢山の栗を収穫できるところから日本で1番栽培されており、現在で流通する栗の多くは筑波栗となります。粉質で甘みが強く、香気があります。平均的に実が大きく、色は淡黄色。肉質は極めて良好です。旬は9月下旬から10月上旬頃です。

銀寄席(ぎんよせ)

丹波栗の代表的な品種。江戸時代中期、寛政の大干ばつのころ、多大な利益を出したことから銀寄と名付けられました。銀寄はどっぺりとした扁平な形。表面はツヤがあり、実の底の部分との境界がくっきりしている特徴があります。果実は粉質で甘みが強く、風味豊かな品種です。品質は良好で色は淡黄色。上質な和菓子や京料理にも使われています。旬は9月下旬から10月上旬頃です。

丹沢(たんざわ)

丹沢栗は1959年に乙宗×大正早生の交雑実性により育成された品種です。1959年に「くり農林1号」として農林水産省に認定されました。早生栗の中でも代表品種となります。生食、加工用としても用いられています。ツヤは少ないのですが、甘みがあって食味が良い特徴があります。実は大きめ。旬は8月下旬から8月中旬頃です。

利平栗(りへいぐり)

1940年に岐阜県山県郡大桑村の土田健吉氏が日本産の栗と中国栗を掛け合わせて育成した品種です。栗の王様と称される利平栗は、ふっくらとして丸い形、粒の上部には産毛が沢山生え、色が濃い特徴があります。果肉は適度に粉質で食感が良好。甘みが強くとっても美味しい栗です。利平ぐりの有名産地は埼玉県、熊本県、東京都です。旬は9月初旬頃から11月初旬頃まで続きます。

美味しい栗の特徴は?見分け方・選び方のコツ

蒸し栗や焼き栗、栗ご飯など、ホクホクとして優しい甘さの栗は美味しいですよね。でも、たまに食べてみると、甘みが足りない栗や硬い栗、少し苦みを感じる栗など、正直、当たりはずれはあります。せっかくなら、旬の栗を美味しく食べたいもの、栗は見た目で美味しいかどうかを見分けることができます。

色が濃くてツヤがあるもの

硬い皮に守られている栗。買ったまま常温保存しておいても、長持ちしそうなイメージですが、実は栗も生鮮食品のため鮮度が大切です。外側の皮が濃い茶色でツヤツヤとして光沢があるものは鮮度が高い証拠です。

重さを感じるもの

栗は鮮度が無くなると水分が減り重みが感じられなくなります。持ち上げてみると重みを感じなかったり、ツヤがない栗は鮮度が落ちているかもしれません。重みを感じるものは鮮度が高くて美味しいものが多いです。

ふっくらと丸く1粒が大きいもの

栗をよく見比べてみると、丸みのあるものや平たい形のものがあります。平たくなった栗は、イガの中で他の栗に挟まれていたもので果肉が少なくなります。ふっくらと丸く大きいものを選んでください。ちなみに、イガの中には大抵栗の実が3個入っています。これは栗の雌花に子房が3個あることが多いからです。

小さな穴が開いていないか確認する

鬼皮(外側の皮)に小さな穴が開いていないか、黒ずんでいないかを確認しましょう。もし、穴や黒ずみがあると、栗の中に虫が潜んでいる可能性があります。水に入れて浮く栗は虫食い栗の可能性が高いです。穴が開いている場合は虫が侵入するために開けたものではなく、栗の中から虫が開けたものもあります。

まとめ

スーパーなどでは栗ご飯の素など、栗の加工品は年中店頭に並んでいますが、新鮮な旬の栗は栗独特の粉質と食感、風味をしっかりと味わうことができますよ。旬の時期には栗拾いも愉しめるので、ぜひ秋の行楽の1つとして産地や近くの栗拾い農園にお出かけしてくださいね!

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