ビタミンB群の定義と種類
ビタミンB群は、身体の健康維持に不可欠な栄養素です。この「群」という言葉が示す通り、ビタミンB群は一つの種類ではなく、複数のビタミンが集まったグループのことを指します。具体的には、ビタミンB1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンの8種類があります。
ビタミンB群は水溶性であるため、体内に蓄積されずに余分が尿として排泄されます。そのため、毎日コンスタントに摂取することが重要です。これらは、エネルギーの代謝や神経機能の働きに深く関与しています。また、各ビタミンは異なる効果を持ちますが、全体として身体の健康に役立つ機能を果たしています。
ビタミンB群の主な働き
ビタミンB群は、私たちの体にとって非常に重要な栄養素です。その主な役割としては、糖質、脂質、たんぱく質の代謝を円滑にすることでエネルギー源となります。特にビタミンB1は糖質の代謝に、ビタミンB6はたんぱく質の代謝に深く関与します。
例えば、ビタミンB1が不足すると、摂取した糖質がしっかりとエネルギーに変換されにくくなり、結果として疲労感を引き起こす可能性があります。一方、ビタミンB6は、アミノ酸の再合成を助ける補酵素として重要な役割を果たします。これにより、たんぱく質の代謝がスムーズに行われ、筋肉の健康や体調管理に寄与します。
以上のように、ビタミンB群は日常生活や運動を支えるエネルギー代謝において重要な働きを持っています。そのため、毎日の食生活においてビタミンB群を含む食材の摂取は欠かせません。
ビタミンB群を多く含む野菜のランキング
ここからは、ビタミンB1、B2、B6、B12について、それぞれ多く含む野菜を紹介します。
ビタミンB1が多い野菜
ビタミンB1は糖質の代謝を補助し、エネルギーを生み出す働きがあります。適切な量のビタミンB1を摂取しないと、エネルギーの生成が滞り、疲労感を感じる原因になる可能性があるのです。
ではビタミンB1を多く含む野菜とそれぞれの含有量を見てみましょう。
- にんにく 0.19mg
- 芽キャベツ 0.19mg
- モロヘイヤ 0.18mg
- ブロッコリー 0.17mg
- あさつき 0.15mg
※全て100gあたりの含有量
これらの野菜は、たんぱく質や脂質と一緒に摂取することで、よりビタミンB1の吸収が向上します。食事の際にこれらの野菜を取り入れることで、ビタミンB1の摂取量を増やすことが可能です。
ビタミンB2が多い野菜
ビタミンB2は皮膚や粘膜の健康維持に役立つ栄養素で、日常的に摂取することが必要です。以下に、ビタミンB2が多く含まれる野菜をランキング形式でご紹介します。
- モロヘイヤ 0.42mg
- ブロッコリー 0.23mg
- ほうれん草 0.20mg
- ニラ 0.13mg
- 小松菜 0.13mg
※全て100gあたりの含有量
モロヘイヤは、ビタミンB1、B2共に豊富で、栄養価の高い野菜です。またブロッコリーやニラも、ビタミンB2を多く含み、料理にも取り入れやすいためおすすめの野菜です。
ビタミンB6が多い野菜
ビタミンB6は、アミノ酸の再合成を補助する栄養素で、たんぱく質の代謝に深く関わっています。具体的には、筋肉作りに欠かせないプロテインの効果を最大限に引き出す役割を果たします。
- にんにく:1.53mg
- ブロッコリー 0.30mg
- アボカド 0.29mg
- 西洋かぼちゃ 0.22mg
- ニラ 0.16mg
※全て100gあたりの含有量
ビタミンB12が多い野菜
ビタミンB12は体内で赤血球を作るのに欠かせない栄養素で、神経系の健康維持にも関与します。ビタミンB1は主に動物性食品に多く含まれていますが、のりやわかめなど一部の海藻類にも含まれています。
また夏野菜のナスには、ビタミンB12と共に赤血球を作る働きのあるビタミンB群の一種「葉酸」が豊富に含まれています。暑さで食欲がないときや、動物性食品を食べるのが辛いときなどにナスを食べると、ビタミンB群不足を防ぎ、健康維持に役立ちますよ。
野菜に含まれるビタミンB群の効果と摂取目安量
ここからは、ビタミンB1、B2、B6、B12それぞれの効果について詳しく紹介します。
ビタミンB1の効果と摂取目安量
ビタミンB1は、私たちが生活するうえで重要なエネルギー源となる糖質の代謝に深く関わる栄養素です。その主な働きとして、摂取した糖質をエネルギーに変換する役割を果たします。これにより、私たちの日常生活や運動能力をサポートしてくれます。
しかしビタミンB1が不足すると、糖質のエネルギーへの変換がうまく行われなくなります。結果として身体のエネルギーが不足し、疲労感を引き起こす可能性があります。したがって、疲労を回避し、日常生活を元気に送るためには、ビタミンB1の摂取が重要となるのです。
ビタミンB1の食事摂取基準(1日あたりの摂取推奨量)は、成人男性で1.2〜1.4mg、成人女性で0.9〜1.1mgとなっています。
ビタミンB2の効果と摂取目安量
ビタミンB2は、私たちの体内で行われるさまざまな化学反応に必要な補酵素の形成に関与しています。この補酵素は、特にエネルギーを生成するための反応や、皮膚や粘膜を健康に保つための反応に不可欠です。さらに、ビタミンB2は視覚と皮膚の健康を維持する働きもあります。
ビタミンB2が多く含まれる食品としては、卵、肉類、緑黄色野菜、乳製品などがあります。これらの食品をバランスよく摂取することで、ビタミンB2の効果を最大限に引き出すことが可能です。
ビタミンB2の1日あたりの摂取推奨量は、成人男性で1.3〜1.6mg、成人女性で1.0〜1.2mgとなっています。
ビタミンB6の効果と摂取目安量
ビタミンB6は、私たちの体にとって非常に重要な役割を果たす栄養素です。特に、たんぱく質の代謝に大きく寄与しています。これは、アミノ酸の再合成を手助けする補酵素として働くためです。そのため、美しいカラダづくりを目指してプロテインを摂取する人にとっては、ビタミンB6の摂取も大切となります。
また、ビタミンB6の1日に推奨される摂取量は、成人男性で1.4mg、成人女性で1.1mgです。しかし、たんぱく質の摂取量が増えると、ビタミンB6の必要量も増えるため、しっかりと意識して摂取しましょう。
ビタミンB12の効果と摂取目安量
ビタミンB12は、体内で細胞の成分を作る際に必要な栄養素の一つです。特に、赤血球を作るためには欠かせない重要なビタミンです。また、神経細胞を健康に保つ機能もあり、ビタミンB12が不足すると貧血や神経障害を引き起こす可能性があるため、日々の食生活でしっかりと摂取することが推奨されています。
しかし、ビタミンB12は動物性食品にしか含まれていないため、野菜主体の食生活を送っている方やベジタリアンの方は、サプリメント等で補う必要がある点に注意が必要です。
ビタミンB12の1日の摂取推奨量は、成人男女で2.4μgとされています。
ビタミンB群を効率良く摂取できるおすすめレシピ
ここからは、ビタミンB群を効率よく摂取できるおすすめレシピを紹介します。朝食・昼食・夕食それぞれにぴったりのレシピを、ぜひご家庭でお試しください。
朝食
ブロッコリーとチーズのサンドイッチをご紹介します。ブロッコリーは、チーズやマヨネーズと相性が抜群。簡単に作れるので朝食にぴったりですよ。ブロッコリーは電子レンジで加熱するので、豊富なビタミンB群を効率よく摂取できます。
【材料 (1人分)】
- 食パン(8枚切り):2枚
- ブロッコリー…1/4株
- スライスチーズ…1枚
- マヨネーズ…小さじ1
- 塩・こしょう…各少々
【作り方】
- 食パンをトースターで軽く焼いておく
- ブロッコリーは小房に分けて耐熱皿に入れ、ふんわりとラップをかけてレンジで2分加熱する。
- 2を縦に5mmくらいの厚さに切り、塩こしょうで味付けする
- 食パン2枚に薄くマヨネーズを塗る
- 1枚にチーズとブロッコリーをのせてマヨネーズをかけ、もう1枚の食パンではさむ
昼食
ランチにぴったりの「なすと小松菜のガーリックペペロンチーノ」です。にんにくの香りと辛みが食欲をそそります。なすと小松菜はビタミンB群のほか、食物繊維やカリウムも豊富で、健康にも美容にもうれしい食材ですよ。
【材料 (2人分)】
- スパゲッティ…200g
- なす…1本
- 小松菜…1/2束
- ニンニク…2片
- 赤唐辛子…1本
- オリーブオイル…大さじ2
- 塩…小さじ1/2
【作り方】
- ナスはヘタを切り落とし、縦半分に切ってから5mm幅の輪切りに、小松菜は根元を切り落とし3cm幅に切る
- にんにくは薄切り、赤唐辛子は種を取り除き小口切りにする
- 鍋にたっぷりの湯を沸かし、塩(分量外)を加えてスパゲッティを袋の表示時間より1分ほど短くゆでる。ゆで上がったらざるに上げ水気を切る
- フライパンを中火にかけオリーブオイルを入れてニンニクと赤唐辛子を炒め、香りが出たらナスを加えて炒める
- なすに油がなじんだら小松菜を加えてさっと炒める
- 5にゆでたスパゲッティを加え全体に混ぜ、塩で味を整える。
- 器に盛り付け完成
夕食
ビタミンB1が豊富な豚肉と、油でじっくりと炒めたなすを甘辛い味噌だれで絡めた「なすと豚肉のみそ炒め」は、ご飯の進む一品。なすのほくほくとした食感と豚肉の旨味がたまりません。おつまみにもぴったりです。
【材料 (2人分)】
- なす…2本
- 豚肉(薄切り)…100g
- みそ…大さじ2
- 砂糖…大さじ1
- しょうゆ…大さじ1
- みりん…大さじ1
- にんにく(すりおろし)…小さじ1/2
- しょうが(すりおろし)…小さじ1/2
- サラダ油…大さじ2
【作り方】
- なすはヘタを取り、縦半分に切ってから斜めに1cm幅に切る。水にさらしてアクを抜き、水気をしっかり切る
- ボウルにみそ、砂糖、しょうゆ、みりん、にんにく、しょうがを入れてよく混ぜておく
- フライパンに油を熱し、なすを入れて中火でじっくり炒める。なすに油がなじんだら一度取り出す。
- 同じフライパンに豚肉を入れて炒める。肉の色が変わったら、3を戻し入れ、2を加えて全体に絡める
まとめ:ビタミンB群が豊富な野菜を摂取し、健康的な生活を送る
ビタミンB群は、エネルギー代謝やたんぱく質の代謝に深く関わる、私たちの健康な生活を維持するために欠かせない栄養素です。
ビタミンB群は豊富な野菜や食材を通じて摂取するのが理想的で、特に野菜には身体が自然に吸収しやすい形でビタミンB群を含んでいます。そのため、バランスの良い食事を心がけ、豊富な野菜を取り入れることで、ビタミンB群を効率よく摂取することができます。
ビタミンB群を豊富に含む食材をバランスよく取り入れて、健康的な食生活を心がけましょう。
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