旬のパプリカの魅力
パプリカはナス科トウガラシ属の野菜で、ピーマンやししとう、唐辛子の一種です。パプリカは苦みや辛みがないので、生、ソテー、グリルにしても美味しく、シンプルな味付けにも合います。カラーバリエーションが豊富でオーソドックスな赤、黄、オレンジのほか、紫、白、黒、緑色などもあります。色とりどりなことから、日本では通称カラーピーマンとも呼ばれています。
緑色のピーマンは未熟な状態で収穫され、パプリカは完熟で収穫されます。ピーマンには独特な青臭さと苦みがありますが、パプリカは甘みと酸味のバランスが良いという特徴があります。
パプリカの旬はいつ?
南米大陸が原産のパプリカは耐暑性はありますが耐寒性は弱くなります。ピーマンより栽培が難しい野菜です。
スーパーでは年中、国産は6~9月
日本で流通しているパプリカのほとんどは韓国などからの輸入品です。国産ものの比率は少ないですが流通しています。パプリカが出回るピークの時期は6月です。
赤パプリカ
赤パプリカは赤、黄、オレンジ色の中で最も完熟した状態です。太陽の光を沢山浴び、ビタミンA・C・Eが豊富に含まれています。唐辛子にも含まれるカプサイシンが、赤パプリカの赤色にも含まれています。カプサイシンは代謝を促進し、冷え性の改善やダイエットにも効果があると言われています。体内のコレステロールを排出し、生活習慣病の予防にも役立ちます。また、赤パプリカにはβカロテンが多く含まれ、ほかの色のパプリカより甘みが強くなります。品種には、大きめサイズのマラネロ、果実の日持ちが良いマベラ、アルテガなどがあります。
黄パプリカ
黄パプリカは、黄、赤、オレンジの中でも最も早い段階で収穫され、さっぱりとした甘みで少し酸味も感じられます。品種には、最も栽培されている品種のジアルテ、大きめサイズのボリダーノ、カイテ、レモン色で日持ちが良いボランテなどがあります。
黄パプリカは抗酸化作用があるビタミンⅭやαーカロテンを含み、ルテインとゼアキサンチンの含有量が多いのも特徴の1つです。この栄養素は目の健康を維持するためにも役立つ栄養素で、目の病気や視力の低下を防ぐ働きが期待できます。また、ルテインは肌の老化予防にも効果があるとされています。
オレンジ色
赤と黄パプリカの中間に位置するオレンジパプリカは、両方の栄養素をバランスよく含みビタミンA・C・Eが豊富です。中でもビタミンEが豊富で、血行を促進する働きがあります。品種には、オレンジ品種の中で多収のオランディーノ、L~Mサイズのオーバレイなどがあります。
人気の品種と旬【産地別】
パプリカの生育適温は17~30℃。高温には強く、低温には弱い野菜です。屋外の畑で作物を栽培する露地栽培と温室やビニールハウスなどの施設で栽培する方法があります。パプリカの栽培期間はピーマンと比較すると長期間に及ぶため、ほとんどのパプリカはハウスで栽培されています。
宮城県
国内で栽培されているパプリカの多くは西南暖地で栽培されているため、夏秋期は国産パプリカが市場に出回りにくくなります。宮城県は比較的冬が暖冬で夏の高温期が短い特徴があるため、気候の特徴を活かした夏秋採りのパプリカの栽培が行われています。
大規模な施設栽培が始まったのは平成20年頃から。環境制御技術を取り入れた栽培方法により、1年中品質のよいパプリカが供給されています。主な産地は石巻市、栗原市、登米市などで、法人規模で栽培されパプリカ栽培はさらに拡大し続けています。
茨城県
茨城県は海風の影響で、夏は涼しく冬は暖かい気候の鉾田市と神栖市で盛んに栽培されています。平成21年に商標登録された茨城県のブランドパプリカ「パプ王」は、甘みが強く大玉。その他には、色鮮やかなミニパプリカ「スイートカクテルペッパー」はみずみずしく、果物のような食感を楽しめます。茨城県の出荷時期は4月頃から12月までです。
北海道
北海道の釧路市は、パプリカの栽培に適したオランダと気象条件が似ているため、パプリカの栽培に最適な気候が備わっています。冷涼な北海道の中でも釧路は豊富な日照時間があり、降雪量が少ないため通年にわたり高品質なパプリカを生産しています。釧路産のパプリカは、黄・赤・オレンジの3種類。平成29年2月より、温度や湿度など環境維持センサーなど最新技術を投入した植物工場で生産され、天敵昆虫や微生物を使い、化学農薬を極限まで減らしたパプリカが出荷されています。
まとめ|結局、いつ食べるのが一番美味しい?
国産のパプリカの旬は6~9月ですが、温度管理を徹底したハウス栽培のものが出荷されているので国産パプリカも年中手に入れることができます。いろいろなメニューに使えるパプリカは、鮮やかな色味が美しく栄養も満点です!サラダや炒め物に、パプリカをドンドン活用して美味しく健康的な食事を楽しんでください!