アブラムシ
小さい黄色や黒色の虫で、主に葉の裏に群生して吸汁します。繁殖力が強く大量に発生して、葉の萎縮や生育阻害を引き起こします。放置すると単為生殖してどんどん増え、落葉、枯死してしまいます。排泄物によって葉をベタベタにし、すす病が発生しやすくなります。この他にも様々なウイルス病を媒介するのがアブラムシの厄介な点です。
防除方法
苗の茎や葉をチェックし、アブラムシの付いた苗の定植は極力避けましょう。太陽光を反射する銀色マルチを敷いておくと、成虫の飛来を防止することができます。防虫ネットによる予防も効果的です。天敵のテントウムシを利用した方法もある他、アブラムシの共存相手であるアリを駆除することも有効です。
ハムシ
黒っぽい緑色をした甲虫で、成虫も幼虫も葉にたくさんの穴をあけながら食害します。同時にたくさんの糞を排出するので、それによって十分に光合成ができず、生育不良になることがあります。
防除方法
寒冷紗や防虫ネットなどを使用して成虫の侵入を防ぎ、産卵による大量発生を防ぎましょう。また、他のアブラナ科の植物が発生源となることがあるので、雑草をしっかり除去するようにしましょう。
コナガ
幼虫は葉裏に寄生し、表皮を残すように食害します。コナガの被害を受けた葉は、表から見ると白斑状に見えます。コナガの成虫は背面にダイヤ型の模様を持っています。また、幼虫は他の害虫の幼虫と比較して小さく、10mm程度しかないのが特徴です。
防除方法
コナガはチンゲンサイを始めアブラナ科の植物に多く発生します。そのため、周囲にアブラナ科の植物がある場合は注意が必要です。特に、雑草はしっかり抜いておくようにしましょう。またコナガは非常に水に弱いため、定期的に散水をすることによっても効果があります。
ハモグリバエ
ナモグリバエやマメハモグリバエといった種類がいます。4月や8月から9月に多く見られます。体長3mm以下の小さな虫で、葉の中で生息します。葉の中を食べながら進んでいくので、食害を受けた葉には白いペンで書いたような跡がつきます。
防除方法
葉を挟むようにして指で潰すことができます。また、食害された葉を取り除けば、他の葉へ広がることはありません。
ヨトウムシ
夜間に株元から出てきて葉を食い荒らします。葉裏にふわふわとした卵塊が産みつけられ、2日から3日でふ化します。幼虫は卵塊の周辺部から表皮を残して集団で食害し大きくなっていきます次第に幼虫は移動し、他の部位にも食害をもたらすようになります。さらに成長すると昼間は株元に潜み、夜間に葉に上ってきて食害します。
防除方法
葉の裏に大量に卵を産み付けるので、日ごろから葉裏を観察して見つけたらふ化しないうちに葉ごと処分してしまいましょう。また成長すると昼間は土の中に隠れているので、被害が出ているのに見つからないという場合は土の中を探して駆除しましょう。薬剤は幼虫が大きくなると効きにくくなるため、薬剤で防除する場合は孵化したての頃におこないましょう。
アオムシ
幼虫が葉脈を残して葉を食い荒らします。小さな芋虫ですが、大量発生すると大きな被害をもたらすため注意が必要です。
防除方法
防虫ネットを用いると、成虫であるモンシロチョウが産卵するのを防ぐことができます。もしもアオムシが発生した場合は速やかに捕殺し、大量に発生する前に薬剤を使用するとよいでしょう。幼虫は成長すると薬剤が効かなくなっていくため、早期散布を心掛けましょう。
おわりに
この記事ではチンゲンサイ栽培において発生しやすい害虫の防除方法について紹介していきました。害虫の発生を予防するために重要なのは、生育環境を適切に維持することです。水やり、肥料の散布、風通しの確保などに気を配りつつ、より良い野菜づくりを目指してください。
被害が広がり、葉を取り除いたり捕殺したりするだけでは完治が難しい場合には農薬を使うことも有効です。本サイトの農薬データベースで対象農作物に「チンゲンサイ」、適用病害虫に該当する害虫名を入力すると、害虫の防除に最適な薬剤を検索できます。併せてご参照ください。