ミカンとは?ミカンの魅力は?

ミカンの和名は蜜柑、英名はSatsuma orange、orangeです。学名はCitrus unshiuです。元々は中国原産の柑橘類で、所説ありますが中国から橘(たちばな)という苗を持ち帰ったのが始まりといわれています。現在の日本では、約83種類ものミカンがの品種が栽培されています。
ミカンは甘みと酸味のバランスが良く、ジューシーで爽やかな味わいが特徴です。また、ビタミンCやカロテンなどの栄養素が豊富で健康にも良いとされています。
そのまま食べても美味しいのですが、ジュースやジャム、料理の材料としても使われ、爽やかな香りが食欲をそそります。
日本のミカン栽培の歴史
ミカンは、約4000年前の中国で栽培されていた柑橘類が起源といわれています。一方で、約3000年前にインドやタイ、ミャンマーの周辺で生産されていたのが始まりだとされる説もあります。
ミカンの品種は約900種類程あるといわれ、世界各国で栽培されています。中でも、日本で最も多く栽培されている温州みかんは日本独自の品種で、皮が柔らかく甘みの強い味わいが特徴です。
ミカンと日本の歴史は約1200年前から始まり、古事記や日本書紀にも記載されています。中国から伝来したミカンの原形とされる「橘」が盛んに栽培されるようになったのは、明治以降になってから。「紀州みかん」「有田みかん」「静岡みかん」「愛媛みかん」など、各地で栽培されるようになりました。
ミカンが有名になったのには、紀伊国屋文左衛門の功績が関係しています。紀伊国屋文左衛門は、1632年からミカンを江戸に届ける挑戦を始めました。失敗を繰り返しながら1685年、無事江戸にミカンを届けることに成功しました。
ミカンの主な産地は?

令和2年のデータでは、ミカンの総生産量は85万トンです。その内、和歌山県で約22%、静岡県で15.64%、愛媛県で14.69%生産されています。和歌山県は18年間連続で全国一位の座を獲得し続けていますが、静岡県と愛媛県はその年により前後しています。
和歌山県有田市
和歌山県のミカン栽培で有名な地域は有田市で、全国でも有名な「有田みかん」の産地。山、海、川の自然に囲まれた有田市は、小高い山々が連なり、段々に築かれたミカン畑が広がる土地です。特徴的なのは、急斜面にミカンが植えられていること。急斜面を利用することで、ミカンの木々に太陽の光が満遍なく当たり美味しいミカンが育ちます。
静岡県三ヶ日町
静岡県のミカン栽培で有名な地域は三ヶ日町です。「三ヶ日みかん」の名で全国に名を馳せ、中でも有名なブランドミカンは「青島みかん」です。ミカンの栽培に最適な気候と、石灰岩や砂岩などを含む水はけの良い大地が、高品質で美味しいミカンを育てています。
愛媛県八幡浜市(やはたはまし)
愛媛県のミカン栽培で有名な地域は八幡浜市(やはたはまし)です。愛媛県で栽培されているミカンの約51%は八幡浜市で栽培され、生産量は全体の約62%を占めています。愛媛県は、さまざまな品種の柑橘が栽培され、柑橘類全体の生産量では日本一の座に輝いています。愛媛県だけのオリジナルブランド「紅まどんな」「甘平(かんぺい)」「せとか」などの品種も栽培されています。また、愛媛の空港には、ミカンジュースが出る蛇口があることでも有名です。
ミカンの代表品種と旬の時期

温州みかんには、極早生9~10月、早生10~12月、中生11~12月、晩生1月以降の4種類があり、収穫時期によって呼び名が変わります。温州みかんの代表的なブランドは静岡県の「青島みかん」「ミカエース」、和歌山県の「蔵出しみかん」「ゆら早生」、愛媛県の「サンエース」、熊本県の「肥のあかり」などがあります。
静岡県「青島みかん」「ミカエース」
静岡県は、例年ミカンの収穫量ベスト3位以内にランクインするミカンの名産地です。温州みかんの収穫量は日本一で、10月から翌年4月にかけて個性豊かな美味しいミカンが収穫されています。
青島みかん
1935年ごろに静岡県福田ヶ谷、青島平十氏のみかん畑で発見され、発見者の名を取り青島みかんと呼ばれるようになりました。普通の温州みかんより一回り大きく、果実が平たい特徴があります。早生みかんと比べると、皮に厚みがありますが手でむきやすく、貯蔵性に優れています。高い糖度があるためコクを感じるミカンです。
ミカエース
全生産量のたった5%しか収穫されない最上級のミカンです。糖度が12度以上、ジョウノウが薄く、まろやかでコクがあり、酸味と甘さのバランスが良いミカンです。
和歌山県「蔵出しみかん」「ゆら早生」
和歌山県はミカンの生産量第一位の座を17年間もキープし続けている県です。年間を通して温暖な気候が続き、小高い山々が連なる地形を活かして斜面に段々畑を作り、太陽の光が木々に満遍なく当たるように植えられています。
蔵出しみかん
海南市下津地域で生産されているミカンです。12月の完熟ミカンを糖や酸味のバランスが良好になるまで貯蔵してから出荷されます。貯蔵庫は、木製で土壁の土蔵のような造りになっており、室内の温度と湿度を一定に保つことで酸味がぬけてまろやかな味に仕上がります。
ゆら早生みかん
日高郡由良町で発見された品種です。宮川早生の枝変わりの品種です。10月に収穫できる極早生の中でも糖度が高く、果皮・果肉ともに色が濃い特徴があります。また、実を包む袋(ジョウノウ)がとても柔らかいため食べやすく人気が高いミカンです。
愛媛県「サンエース」
愛媛県は静岡県と並び、3位以内にランクインするミカンの名産地です。1年を通して温暖な気候と、海風を浴びてミネラルを含んだ土壌で栽培されています。
サンエース
早生みかんと太田ポンカンを掛け合わせて平成17年に品種登録されました。実を包む袋(ジョウノウ)が薄く、爽やかな酸味とポンカンのコクのある甘みを引き継いだ特徴があります。
熊本県「肥のあかり」
熊本県は、ミカン生産量ランキング第4位に位置するミカンの名産地です。北西部(河内・小島地区など)は、金峰山麓を中心とした果樹地帯で、温州みかんの有名産地です。
肥のあかり
極早生みかんのブランドです。見た目は緑色のため酸っぱいイメージを受けますが、皮をむくと果肉はオレンジ色です。糖度10度以上で酸味は1%程度となります。日南1号とジョッパオレンジを掛け合わせて品種登録されました。
美味しいミカンの特徴は?

美味しいミカンには、外観に特徴があります。ポイントを抑えておくと、購入する際に役立ちます。
色で見分ける
みかんは熟すと緑色からオレンジ色になっていきます。果皮が黄色みがかったものよりは、濃いオレンジ色のほうが美味しいです。太陽の光をいっぱい浴びたミカンほど濃いオレンジ色に成長します。ただし、極早生みかんや早生みかんについては、黄緑色や黄色っぽくても十分に熟している場合があります。
形で見分ける
みかんを横から見ると平らな形になっているほうが美味しいです。最初は丸みを帯びた形をしていますが、段々と完熟になるにつれて横に、扁平な形になっていきます。
軸の細さで見分ける
ミカンのヘタ(緑色の軸)が細いものが美味しいとされています。若い木は軸が太く、樹齢が長い木は軸が細い傾向があります。樹齢が長い木のほうが、美味しいミカンになります。
ヘタの色で見分ける
みかんの実が熟すと、緑色から黄色、最終的にはオレンジ色へと変わっていきます。完熟になる前のヘタはまだ緑色ですが、完熟になるにつれヘタが黄色に変わります。
果皮の見た目で見分ける
ミカンをよく見てみると、オレンジ色の中に濃いオレンジ色のブツブツとした模様があります。これは油胞と呼ばれるもので、この中にはリモネンという物質が含まれています。購入する際には、このブツブツとした模様が小さいほうを選んでください。成長する過程で細胞分裂が活発に行われると、模様が小さくなるため果肉が十分に熟しているはずです。
サイズで見分ける
大きいもののほうがお得感がありますが、サイズは小さいサイズを選んでください。ミカンは小さい時に糖の量が決まるため、大きいミカンは水っぽい味になります。
まとめ
今回は、ミカンの種類や特徴に触れつつ、その魅力を改めて深掘りしました。日本に現存するミカンの品種は83種類もあり、ブランドを合わせるとさらに種類が増えます。品種やブランドごとに違った特徴があるので、旬の時期にはぜひ食べ比べを楽しんでくださいね。
中でも、静岡県三ヶ日町で栽培されている三ヶ日みかんは、日本の三大みかんに数えられる人気ブランドです。品種によって味わいや大きさなどの特徴は異なりますが、豊かな自然の中でのびのびと育った三ヶ日みかんは、どれも甘みが強くジューシーに仕上がっています。
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