【徹底解説】小松菜を栽培したい!害虫を防ぐ上手な育て方を紹介

【徹底解説】小松菜を栽培したい!害虫を防ぐ上手な育て方を紹介

小松菜はポイントさえ押さえておけば家庭菜園初心者でも栽培しやすい野菜です。この記事では小松菜の栽培方法や注意すべきポイントなどを紹介します。小松菜をより上手に美味しく育てたい方は、ぜひ参考にしてください。

「プランターで育てられる野菜を知りたい」
「1か月くらいで手軽に収穫できる野菜が知りたい」
このような人におすすめしたいのが小松菜です。なぜなら小松菜はポイントさえ押さえれば、長期間収穫できるうえ、家庭菜園初心者でも育てやすい野菜だからです。

本記事では、小松菜を育てる前に知っておきたいことや、栽培方法、注意点などを紹介しています。小松菜をより上手に美味しく育てたい方は、ぜひ参考にしてください。

小松菜を育てる前に知っておきたいこと

小松菜を育てる前に知っておきたいポイントは下記の4つです。

  • 25℃前後の気温で発芽する
  • プランターでも栽培できる
  • 最短20日ほどで収穫できる
  • 小松菜の花は食用としても活用できる

1つずつ詳しく解説しましょう。

25℃前後の気温で発芽する

小松菜が発芽しやすい気温は25℃前後です。10℃前後でも発芽する場合もありますが、低温の場合は発芽や育成に時間がかかります。通常の2~3倍の時間を要し、発芽のタイミングもバラバラになりがちです。

「うまく発芽しないな」と思ったら、温度管理がうまくできていない可能性があるので注意しましょう。

プランターでも栽培できる

小松菜は、畑はもちろんプランターでも栽培できるので、庭のないお家にお住まいの人にもおすすめの野菜です。

プランター栽培で準備したいものを紹介します。

  • プランター
  • 培養土
  • 鉢底石または軽石
  • 肥料
  • シャベルや移植ゴテ
  • 水差し

小松菜は、ベランダにも置きやすい標準タイプ(横幅60~65cm)のプランターで栽培できる野菜です。

プランターには、素焼きやプラスチック・陶器・木などの素材があります。プラスチックは軽くて価格も安いので人気ですが、排水性が悪く根腐れしてしまう可能性があります。その点、陶器だと通気性や排水性がよいので初心者にもおすすめです。ただし陶器は重く割れやすいのが欠点なので、取り扱いには注意しましょう

最短20日ほどで収穫できる

小松菜は最短20日ほどで収穫できる、成長の早い野菜です。生育適温が15~25℃なので、寒い冬場よりも暖かい夏場の方が成長は早いです。

季節ごとの収穫適期は下記をご確認ください。

  • 夏:20~25日
  • 春や秋:30~35日
  • 冬:50~60日

このように、冬は収穫できるまで夏場の2倍以上の時間が必要です。夏場はあっという間に花を咲かせてしまうことがあるので、早めの収穫がおすすめです

小松菜の花は食用としても活用できる

小松菜の花は、菜の花として食用に利用できます。菜の花はアブラナ科の花の総称です。どのような花なのか、知らずに食べていたという人もいるのではないでしょうか。

小松菜は収穫が早いため、収穫期を逃すとあっという間につぼみができ、そこから黄色くきれいな花が咲きます。菜の花として食べる場合、一番おいしいタイミングは花が開く寸前から咲き始めの時期です。
菜の花は栄養価が高く、春の風物詩として人気のある食材です。独特の苦みがあるものの、おひたしや天ぷら、炊き込みご飯などに活用できます。茹ですぎるとせっかくの触感が損なわれてしまうので、加減には気を付けましょう。

小松菜の栽培方法

小松菜の栽培方法についてご紹介します。小松菜を育ててみたいものの、どのように始めてみればよいのかわからないという人の参考になるよう、ステップ別に詳しく説明します。

  1. 土作りを行う
  2. 種まきを行う
  3. 間引きを行う
  4. 1週間後に追肥・土寄せを行う
  5. 20~25cmほどの背丈になったら収穫する

では、1つずつ詳しく説明します。

土作りを行う

小松菜の栽培で大切なのが、土作りです。

土作りは種まきの前にしっかり準備する必要があります。肥料はあらかじめ用意をして苦土石灰、たい肥、化成肥料をいれて耕して土を作ります。別々に用意するのが面倒な場合、野菜栽培用に調整された培養土があれば、それを使っても問題ありません。

標準サイズ(横幅60~65cm)のプランター栽培の場合、 土量は12〜20リットルが目安です。

種まきを行う

土を用意できたら種まきを行います。

まずは土の表面を平らにならしましょう。次に、深さ1cmほどの溝を作り、種を入れます。種と種の間隔は1〜2cmほどがベストです。種を入れたら、そのうえに土を5mmほど優しくかぶせます。
その後、しっかりと水やりを行います。その際に埋めた種が浮き出たり流されたりしないようご注意ください。
水の量はプランター栽培の場合、下から水がぽたぽた出るくらいが目安です。発芽するまではしっかり水やりをしましょう。

間引きを行う

種まきを行ってから3〜5日ほど経つと、種から芽が出てきます。双葉が開いたら間引きをしましょう。

小松菜の場合、間引きは2~3回に分けて行います。下記のような苗があれば間引きしましょう。

  • 生育が悪いもの
  • 虫食いがあるもの
  • 双葉の形が不自然なもの
  • 色がまだら模様のもの
  • 病気にかかっているもの

苗が近すぎる場合、間引きで苗を傷めてしまうといけないのでピンセットやハサミを使います。間引きのタイミングが遅れると苗が弱ってしまうのでご注意ください。

2回目の間引きを行う目安は、葉が5〜8枚ほどになったときです。このサイズの小松菜は柔らかく、生でもおいしいので間引きしたものはサラダとして食べられます。
最終的には苗と苗の間は5cmほどあけるようにしましょう。

1週間後に追肥・土寄せを行う

間引きの1週間後を目安に、追肥・土寄せを行います。
その後は、2週間に1回を目安に追肥と土寄せを行うことをおすすめします。追肥とは苗の成長に合わせて肥料を追加することです。追肥には即効性のある液体肥料をおすすめします。

土寄せとは、株元に土を軽く寄せて盛ることです。小松菜の根元が露出していると倒れやすくなってしまうので定期的な土寄せが必要になります。

20~25cmほどの背丈になったら収穫する

小松菜は、20~25cmほどの背丈になったら収穫時期です。春まきだと、種をまいてから最短20日くらい、秋まきでは50~80日後が収穫までの目安になります。株元をもって根から抜きましょう。

大きさはあくまで目安です。大きくなりすぎると筋が硬くなり、味も青臭くなるので注意が必要です。小さいほうが柔らかく、みずみずしいのでえぐみもありません。

小松菜を育てるうえで注意すべき2つのポイント

小松菜は家庭菜園できる野菜の中でもとくに育てやすくて初心者向けです。しかし、育てるうえで注意すべきポイントが2つあります。

  • 暑さや寒さ対策を適切に行う
  • 病害虫への対策を行う

このポイントさえ押さえておけば、さらに育てやすくなります。

暑さ・寒さ対策を適切に行う

小松菜を上手に育てるポイントは暑さ・寒さ対策を適切に行うことです。温度管理を正しくすることでより美味しい葉に育ちます。

プランター栽培の場合、寒い季節は窓際で栽培すれば温室環境で栽培できます。地植えの場合、暑さや寒さへの対策としては、下記がおすすめです。

  • 冬…畝にトンネル支柱を差しビニールなどでトンネル状に覆ったトンネル栽培
  • 春…ガーデニング用の穴開きビニールシート(マルチ)を使って畝を覆う
  • 真夏…粗く織り込んだ寒冷紗(かんれいしゃ)という布を利用することで強い日差しを防ぐ

これらを活用することで寒い日には暖かく、暑い日には直射日光を避けて地温の変化を緩やかにできます。上記の道具を活用して、小松菜の育成に適切な気温対策を行いましょう。

病害虫への対策を行う

家庭菜園では、病害虫や病気への対策が大切です。

小松菜にはヨトウムシ、アオムシ、コナガといった害虫がつきます。害虫が付くと葉に白い筋がついてしまったり、葉や新芽を食べたりしてしまいます。特に夏場には害虫が増えるので注意が必要です。もし見つけたら、捕まえて駆除してください。

虫が付かないように、マルチや寒冷紗などで作物を覆っておくと安心です。害虫が気になるようであれば、夏が過ぎてから種まきをすると被害を抑えられます。

害虫以外にも注意が必要なのが病気です。小松菜は萎黄病といった病気にもなりやすく、その場合は治すことはできないので処分するほかありません。萎黄病になると、葉が変形したり黄緑色になったりといった症状がみられます。

萎黄病は小松菜をはじめとするアブラナ科に多くみられる土壌病害で、カビが原因です。土壌に残るため、連作は避けましょう。予防策としては、媒介害虫の防除や薬剤の散布による土壌消毒が有効です。

小松菜に関するよくある疑問

小松菜栽培のポイントやよくある疑問をまとめました。

  • 小松菜はいつ種をまくのがおすすめ?
  • 長く収穫を楽しむにはどうしたら良い?
  • ペットボトルで小松菜を育てられるって本当?

小松菜栽培をより楽しむためにも知っておきたいポイントなので、ぜひ参考にしてください。

小松菜はいつ種をまくのがおすすめ?

小松菜は、地域にもよりますが4~10月ごろまで種まきができます。そのため、種をまくタイミングを工夫すればほぼ一年中ずっと収穫可能です。

ただ、成長に適した気温が25℃であることや夏場に害虫が増えることなどをふまえると、秋に種をまくのが一番育てやすくておすすめです。

長く収穫を楽しむにはどうしたら良い?

小松菜はほぼ一年中栽培できる植物です。

プランターを複数用意して10日おきに種まきをすれば、少しずつ継続して小松菜を栽培できます。さらに、つぼみができて菜の花として収穫したり、小さな状態でサラダにしたりできます。

室内で育てると温度管理が楽になり、長く収穫を楽しむことができます。

ペットボトルで小松菜を育てられるって本当?

小松菜はペットボトルで水耕栽培ができます。温度管理も楽になり、土を使わないので害虫や病気になりにくいというメリットもあります。
小松菜やベビーリーフなど葉物野菜は水耕栽培向きの野菜です。室内のグリーンの代わりにもなるのでインテリアとして始める人もいます。根菜に向いていないことや水換えの手間などデメリットもありますが、気にならない人にはおすすめの栽培方法です。

手軽にペットボトルで水耕栽培を始める手順を紹介します。

  1. 口から10cmくらいのところで線を引き、カッターナイフで2つに切り分ける。
  2. 飲み口の部分を逆さにして、それをペットボトルの体の部分に差し込む。
  3. ペットボトルの口に合わせたサイズのスポンジに切れ目をいれて種を1〜3粒撒く。
  4. 直射日光のあたらないところにおき、スポンジが乾いていれば水を変えます。
  5. 発芽したらペットボトルの水を数日に1回の頻度で取り替える

ペットボトルの下部分にアルミホイルを巻くと、藻の繁殖を抑えられます。
小松菜は、必ずしもすべての種が発芽するわけではありません。芽が出ない場合は温度管理を見直して再度チャレンジしてください。
衛生的で初期投資もほとんど不要なので、気軽に始めてみましょう。

小松菜はほぼ一年中収穫できる!

小松菜はプランター栽培が可能、かつ収穫までの期間も短いので家庭菜園初心者におすすめの野菜です。

本記事で紹介した栽培方法を押さえれば、新鮮な小松菜をほぼ一年中収穫できます。

ペットボトルの水耕栽培なら、ベランダやプランターがなくても栽培にチャレンジできるだけでなく、インテリア代わりにも最適です。採れたての小松菜は、シャキシャキ感があっておひたしにしても和え物にしてもおいしいですよ。

小松菜をより上手に育てたい方は、ぜひ参考にしてください。

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