キアゲハ
5cmほどの大きさの幼虫が新芽や葉を食害します。成長した幼虫は茎と葉柄のみを残して次から次へと食害を引き起こして、発生した株に大きな被害をもたらします。
成虫が一度に産む卵の数は一つと少ないため、大量発生することはあまりありません。
防除方法
キアゲハの幼虫はとてもカラフルな色をしていて見つけやすいので、見つけ次第捕獲して処分しましょう。防虫ネットを張って成虫の飛来を防止することも有効です。
また、キアゲハはアブラナ科の植物を嫌うと言われており、近くにアブラナ科の植物を植えることで成虫の飛来を予防する方法もあります。
センチュウ
センチュウ類は野菜の根に穴をあけて侵入し、根を腐らせたり葉を枯らしたりする害虫です。
寄生された根に小さなコブが無数につくことから、この名が付きました。センチュウが発生すると、株の成長速度が遅くなったり収穫量が減少したりということにつながります。
防除方法
連作をすると、土壌の環境バランスが崩れてセンチュウが発生しやすくなるため、可能な限り連作は避けましょう。また、一度センチュウが発生した畑では、必ず土壌消毒を行うか土を入れ替えるようにしましょう。
ヨトウムシ
褐色または黒色をした3cm〜5cmの幼虫で、昼間は株元や葉裏に潜んでいます。夜間に活動して葉を食害します。ふ化した幼虫は、卵塊の周辺部から次第に行動範囲を広げ、食害していきます。
防除方法
栽培前に圃場をよく耕して、幼虫を見つけた場合は駆除しましょう。
また、ヨトウムシは葉の裏側に卵を産み付けるため、葉の裏側を確認して産卵されていないかどうか調べます。もしも卵を発見した場合は、孵化する前に処分しましょう。
防虫ネットを張って成虫の飛来を防ぐことも有効です。
アブラムシ
体色は黄色や黒色をしている小さな害虫で、葉の裏や茎に大量に発生して吸汁します。排泄物によって葉をベタベタにするほか、ウイルス病を媒介して株全体に大きな被害を与えることがあるので注意が必要です。
防除方法
アブラムシは対策をしていても発生することが多いため、発生後すぐに駆除することが大切になります。定植前に苗をよく確認し、アブラムシの付いた苗の定植は避けましょう。
生育中にアブラムシが見つかった場合は、被害株の近くをマルチングするとよいでしょう。また、アブラムシに効果がある薬剤は複数知られています。上手に活用しましょう。
共存相手であるアリを駆除することも有効です。
ネキリムシ
主として地際部の茎を食害し、さらにはその周囲の葉も食べてしまう害虫です。昼間は土の中に隠れていて、夜になると出てきて食害するため、捕殺が難しい点が非常に厄介です。
特に植えたばかりの苗が狙われやすいので注意しましょう。
防除方法
予め防虫ネットをかけておき、成虫の飛来を防いで産卵を防止する方法が有効です。
また、昼間は地中に潜るとはいえ、地表から数cmの浅い場所にいる場合が多いため、被害が発生した株の根元付近を掘って探し出し、捕殺することも可能です。
おわりに
害虫の発生を予防するために重要なのは、生育環境を適切に維持することです。水やり、肥料の散布、風通しの確保などに気を配りつつ、より良い野菜づくりを目指してください。
被害が広がり、葉を取り除くだけでは完治が難しい場合には農薬の使用も有効です。本サイトの農薬データベースで対象農作物に「にんじん」、適用病害虫に該当する害虫名を入力すると、害虫の防除に最適な薬剤を検索できます。併せてご参照ください。