温州ミカン栽培の魅力について知ろう!
一般的にミカンというと温州(うんしゅう)みかんのことを指します。日本を代表する柑橘類で、皮が薄くてむきやすく、食べやすい果物です。旬は10月~1月だったのですが、栽培技術が進み、ハウス栽培や貯蔵技術によりほぼ1年を通して食べられるようになりました。
もぎたての美味しいミカンが食べられる
自家栽培の醍醐味ともいえることは、手塩にかけて育てた果物や野菜が成熟する様です。そして、その果物や野菜が美味しくできあがると、購入したものとは比べようがなく、また格別です。自家菜園でのメリットとして、新鮮な状態の植物を手軽に食べられることもポイントです。買いに行くほどでもない時でも、庭に出て1つもぎ取るだけ。
ミカン栽培を通して食育に繋がる
都会で暮らす子どもの多くは田んぼや畑に触れる機会がないため、どのように育つのか、どのように実を実らせるのかを知らないという現状にあります。その点、家庭菜園で野菜や果物が育つまでの過程に関わることで好き嫌いがなくなり、育てる楽しさや難しさ、食べ物に感謝したり興味をもつことに繋がります。
開花時期にはお花見も楽しめる
ミカンの花はどのような花が咲くかご存じでしょうか?
ミカンはとても可憐で、小さな白い花を咲かせます。5月になると枝にたくさん白い花を付け、直径3cmくらいの可愛い白い5枚の弁花、真ん中には大きめの黄色いめしべが立ち、その周りを雄しべがかこんでいます。花の香りは甘くて爽やか。ジャスミンの香りに似ており、香りとともにお庭に春を運んでくれます。
温州ミカンの育て方・栽培方法の紹介!
ミカンの樹を育てる方法についてポイントをご紹介します。
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※JAみっかび公式ショップスタッフおすすめのミカンな加工品種まき・苗づくりの方法と時期
ミカンを食べると、たまに種が入っています。その種を使って育てることもできますが、あまりおすすめできません。種から育てると、成木になるまでに10年をかかり、種を取った果実と同じ味にはなりません。接ぎ木で増やすことが一般的です。
植え付け・定植の方法と時期
植え付けの時期は3月中旬から4月中旬ごろが最適な季節です。
地植え
日当たりと水はけがよくて、風があまり当たらない場所を選んで植えます。
鉢植え
鉢植えに苗木を植える場合は、水もちと水はけの良い用土に元肥をほどこして植えます。
プランター
鉢植えと同様、水もちと水はけの良い
定植後の栽培管理と頻度
ミカンを地植えにすると水やりの頻度も少なく、手間がかかりません。比較的害虫にも強いため、果樹の中でも手間のかからない果樹といえます。
水やり
地植えの場合、ミカンの苗木を植え付けた直後は毎日たっぷり水やりをします。それ以降は、表面が白く乾いてから水をやります。暑さが続く4月から9月は、日照りが続くようであれば水やりが必要です。それ以外は、水やりの必要がありません。
鉢植えの場合は、鉢底から水が流れ出てくるまでたっぷり与えます。
摘芯・摘蕾・摘花・芽かき
ミカンは果実がたくさんなる果樹です。多く実がなったほうが、たくさん収穫できるので嬉しいのですが、木に負担をかけてしまうので実が小さくなり味が悪くなります。また、たくさん実った次の年は実がつきにくくなります。
摘果は7月中旬から8月中旬に行います。鉢植えなら枝に1~2個、地植えなら葉っぱ20~30枚に1個の割合になるように実を取ります。
肥料・追肥
常緑果樹のミカンは、1年中青々とした葉を付け続けます。そのため十分な肥料を与えてあげましょう。3月に元肥、6月に追肥、10月にはお礼肥の年3回を目安として与えましょう。
病害虫対策
ミカンは、病害虫に脅かされる心配は少ない果樹ですが、全くない訳ではありません。かかりやすい病気は、カイヨウ病、黒点病などです。寄ってきやすい害虫には、ゴマダラカミキリムシや、エカキムシ、カイガラムシ、ハモグリガ、ハダニ、アブラムシなどです。
収穫
苗木を植えてから約5年くらいで実がなります。収穫期は10月から12月ごろです。
温州ミカン栽培でよく発生する問題と原因
ミカンは初心者でも育てやすい果樹ですが、栽培しているとさまざまな問題が出てきます。
花が咲かない
日の光が届かない、日陰の場所に植えていませんか?日当たりが悪いと花が咲きません。地植えの場合は植え替えてください。鉢植えは、日が当たる場所に移動させましょう。
また、肥料を与えすぎると花が咲かないこともあります。
実がならない
太い幹を剪定したり、剪定しすぎると実がなりません。ミカンの実がなるとき、沢山の養分が必要になります。剪定しすぎると光合成をする葉が足りなくなり、実に栄養が行き届かなくなります。
実が割れてしまう
実が割れる原因は、高温と乾燥、そして大雨のせいです。乾燥と高温が続くと実がしおれます。その状態の後、大雨が降ると、水を吸って成長するのですが、皮はその成長に追いつかずに割れてしまいます。
高温と乾燥が長く続く時期は水やりを忘れないように注意しましょう。
映えて美味しい温州ミカンを育てるコツは?
毎年実はなるけど、あまり美味しくないという時には、肥料や水やりの管理方法を変えてみてはいかがでしょうか?
肥料
ミカンの肥料を自分で作ることもできますが、初心者の方は果樹用肥料が販売されています。中でもカンキツ類専用肥料を使えば、ミカンの成長に最適な成分が配合されているので手間いらずです。置き肥タイプならさらに簡単で、土の上に置いておけば1~2ヵ月ほど効果が持続します。
水やりのタイミング
果実が成長していく段階になると、水やりを抑制したほうが甘くて美味しい果実がなります。それ以外の時期は水が必要になるので、調節せずに水をあげてください。
土壌の改良
土壌の条件によって、ミカンの品質に差が生まれます。水はけは良いけど、養分をしっかり留めておける土壌であれば、美味しい実が実るはずです。
まとめ
家庭菜園の経験がない人でも育てやすいので、ぜひミカンの栽培にチャレンジしてください!多少はお世話が必要になってきますが、美味しい実を実らせてくれると思うと、お世話がだんだん楽しくなってきますよ。