ゆず栽培の魅力について知ろう!
美味しいゆずを育てる秘訣は、まずゆず栽培の魅力について知ることからはじまります!ゆずを育てると、どんな良いことがあるのか事前に知っておくことで、栽培のモチベーションが上がり、より愛情を持って育てられるはずです◎
ここでは、ゆず栽培ならではの魅力について3つ紹介するので、特にこれからはじめてゆずを育ててみたいと思っている人は、ぜひ参考にしてください。
新鮮なゆずを気軽にいろいろ活用できる
ゆずは汎用性の高い果物で、果肉だけでなく果汁や果皮も幅広いレシピに活用できます。しかし限られた時期にしか出回らないため、スーパーなどで購入しようとすると1個あたりのお値段はやや高め。一度にたくさん購入することは、意外と少ないですよね。
家庭菜園でゆずを育てれば、1本の木からたくさんの実を収穫できるため、これまでチャレンジできなかったゆずレシピにも気軽に活用できます!おすすめはゆずゼリーやゆずジャムで、さっぱりとした香りと味わいがクセになりますよ。また実を丸ごとお風呂に浮かべたゆず湯も、体が芯から温まりおすすめです。
花や実が美しく観賞用としても楽しめる
ゆずの実は、鮮やかな黄色でころんと丸い形が特徴的。たわわに実った姿はとても可愛らしく、ガーデニングのアクセントにぴったりです◎
また実がなる前の花もキレイで、5月から6月頃にかけて白く上品な花を咲かせます。食べて美味しいゆずですが、味わうだけでなく花や実の観賞を楽しめる点も、ゆず栽培の大きな魅力です。
ゆず栽培を通して食育に繋がる
ゆずはコツさえおさえれば初心者でも十分育てることができ、栽培のハードルはそこまで高くありませんが、温度管理や植え替えなど大変なことも少なからずあります。
しかしそんな苦労もあるからこそ収穫の喜びも大きく、自分の手で大切に育てたゆずの味は格別です。食べ物を作ることの大変さや喜び、できあがったゆずの美味しさは、現代では学ぶ機会の少ない食育にも繋がります。自分だけでなく家族みんなで食育を学ぶ機会として、ゆず栽培はおすすめですよ◎
ゆずの育て方・栽培方法の紹介!
ここからは、ゆず栽培の具体的な流れについて見ていきましょう!
ゆず栽培をはじめる際は、まずホームセンターなどで苗木を購入しましょう。ゆずは自家結実性のある植物なので、苗木1本から育てることができます。
またゆずは地植えでも鉢植えでも育てやすく、環境や敷地面積に合わせて、どちらで栽培するか検討すると良いでしょう◎
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※JAみっかび公式ショップスタッフおすすめのミカンな加工品植え付け・定植の方法と時期
ゆずの植え付け適期は、2月下旬から4月頃にかけてです。
またゆずは水はけと水もちのバランスが良い土を好みます。地植えする場合は、植え穴にバーク堆肥や腐葉土、牛糞堆肥などを混ぜたもの、鉢植えする場合は、赤玉土(小粒)7:腐葉土3の割合で混ぜたものか、市販の果樹用培養土を使用しましょう。
地植え
ゆずを地植えする場合、苗木を接ぎ木部の上30~40cmで切り戻しておきます。底を高めに埋め戻した植え穴に根を広げながら苗を置き、下の根から順に土をかけていきます。根に土がつくように軽く押さえて植え付けたら、植え穴の盛り土の周りに土俵状の輪をつくり、たっぷりと水をやります。
水が浸透し盛り土が十分湿るのを待ってから、マルチと支柱を設置しましょう。植え付けて間もない発芽前の苗は、水をたくさん必要としますので、乾燥させないようこまめに水やりしましょう。
鉢植え
ゆずを鉢植えする場合、7~9号の大きさの鉢を用意し、斜めに植え付けます。鉢底石を敷いた上から土を入れ、その上に根を広げながら苗を置きます。ウォーターポットのスペースを残し、鉢の縁から3cmほど下の位置まで土を入れたら、たっぷりと水をやりましょう。
また植え付けが完了したら、鉢と同程度の高さで枝の先端を切り詰めます。このとき、苗の内側についた芽の上で切るようにしましょう。
定植後の栽培管理と頻度
植え付けが完了したら、日々のお世話をしっかりと行いましょう!ゆずは比較的丈夫で育てやすい植物ですが、管理を怠ると株が弱り、実つきが悪くなってしまう恐れがあります。
こまめに様子を観察し、気候の変化や病害虫にいち早く対処することが、元気な木に育てるポイントですよ。
水やり
ゆずは、雨の多い地域の方が香りが強く、豊かに育つといわれています。つまりゆずの生育には、多量の水が欠かせないというわけです。
鉢植えの場合、土の表面が乾いたら鉢の底から流れ出るくらいたっぷりと水を与え、地植えの場合は基本的に雨水のみで十分ですが、しばらく雨が降らない日が続いたら、乾燥しないよう適宜水やりをするようにしましょう。
肥料・追肥
ゆずの肥料は、3月に春肥、6月に夏肥、10月から11月頃に秋肥の年3回施します。特に春肥は元肥とも呼ばれ、発芽した枝葉の伸びや色付き、開花、実の成長などに必要とされ、最も重要です。
またゆずは気温が低いと肥効が悪くなるので、秋肥を施すタイミングには注意しましょう。寒冷な地域では、11月を待たず、10月中に施すのが良いでしょう。与える肥料は、油かすなど有機質の肥料か、液体肥料など速効性の高い化成肥料がおすすめです。
剪定・植え替え
ゆずの木は、育てはじめてから4年ほどで実をつけます。そのため4~5年の間は木の生長期間とし、基本的に剪定は不要です。
5年目以降、ゆずの木を剪定する際は、3月から4月頃を目安に行います。ゆずは10月から12月にかけて収穫を迎え、その後12月から2月頃に新しい花芽ができるため、それを確認してから剪定すると良いでしょう。
またゆずの木は根詰まりすると生育が悪くなり、最悪の場合枯れてしまうため、鉢植えの場合、2~3年に1回ほど1回り大きな鉢に植え替えましょう。植え替え時の手順や時期は、植え付けと同様です。
病害虫対策
ゆずにつきやすい代表的な害虫が「ハモグリバエ」です。ハモグリバエは、被害の跡が絵を描いたような模様になることから「エカキムシ」とも呼ばれ、大量に発生すると葉が食べ尽くされてしまうため、被害にあった葉は切り取って処分し、殺虫剤を散布して早めに駆除しましょう。
またカビが原因で発生する「ソウカ病」にも注意が必要です。ソウカ病にかかると、葉や実が落ちてしまいます。ゆずの葉にカビを発見した際は、ベンレート水和剤を全体に散布し防除しましょう。
収穫
8月に入ると、ゆずの実が収穫できるくらいまで大きく成長します。酸味が強く、爽やかな香りを楽しみたい場合は、果皮が緑色をした「青ゆず」の状態で収穫します。青ゆずは8月から10月頃にかけて収穫できます。
マイルドな酸味で、幅広く活用できる黄色いゆずは、実が完熟するのを待ち、11月から12月頃にかけて収穫します。またゆずは完熟すると日持ちしないため、青ゆずのうちに多めに収穫しておくと、長く保存することができますよ。
ゆず栽培でよく発生する問題と原因
花が咲かない
ゆずの花が咲かない大きな原因として、剪定不足や土の劣化が考えられます。
ゆずに限らず植物にとって、日当たりの良さは重要なポイントです。剪定を怠り、枝や葉が込んでしまうと、木全体に日が当たらず、風通しも悪くなってしまいます。木が十分に光合成できなければエネルギーが不足してしまい、当然花は咲きません。
また何年も同じ土を使って栽培するのも、良くありません。数年間使い続けた土はだんだんと水はけが悪くなり、水が溜まって根腐れの原因となってしまいます。根腐れを起こすと花が咲かないだけでなく、木自体が枯れてしまうため定期的な植え替えを行いましょう。
実がならない
4年目以降のゆずの木に実がならない場合、実をつけるはずだった花芽を剪定の際に誤って切り落としてしまった可能性が高いです。ゆずの木は春から秋にかけて枝を伸ばしますが、そのうち実をつけるのは春に伸びた枝だといわれています。
そのため剪定する際には、その枝を残して切る必要があり、全ての枝を短く切ってしまうと全く実がならないこともあり得るので注意しましょう。
木が枯れる
ゆずの木が枯れる原因の多くは、植え替えのやり方やタイミングの問題にあります。ゆずはある程度の寒さには耐える植物ですが、霜が降りるような低温の時期に植え替えを行うと、株が弱って枯れてしまう可能性があります。
また植え替え後、すぐに多量の肥料を与えすぎても枯れる原因になります。植え替えをするだけでも根には負担がかかっているため、植え替え直後はなるべく刺激を避け、水のみを与えます。肥料を施すタイミングは、目安として植え替えから10日以上が経過した頃と考えておきましょう。
まとめ
今回は、ゆずの育て方について紹介しました!
ゆずは寒さや暑さに強く、丈夫な植物です。初心者でも比較的育てやすく、秋から冬にかけて美味しい実を収穫できますよ◎
また完熟前の青ゆずは日持ちしやすいので、たくさん収穫して料理の薬味やゆず湯など、幅広い用途に活用してみてくださいね♪