日本一のミカン産地は?生産量推移
ミカン生産量、第1位の産地はご存じでしょうか?
正解は和歌山県です。ミカンは暖かい地域を好む果樹なので、生産量2位の愛媛や3位の静岡県など、年間平均気温17℃ぐらいの気候かつ、夜の気温が下がりすぎない地方で栽培されています。
和歌山、愛媛、静岡県の3県だけで総出荷量の約半数を占め、令和3年調べでは総収穫量74万9000トンのうち和歌山県20%、愛媛県17%、静岡県13%の割合でした。
ミカンの生産量ランキングでは、和歌山県が17連続で全国1位の座をキープし続けています。
ミカンの生産量と栽培面積に関しては、1775年ごろを皮切りに少しずつ減少し、約366万トンあった生産量から2018年には77万トンへと推移しています。
美味しいミカンが育つ条件とは?
美味しいミカンが育つためには、3つの条件をクリアする必要があるといわれています。
太陽の光をたっぷり浴びる
年間を通して太陽の光をたくさん浴びることで、美味しいミカンが育ちます。太陽の光が葉にまんべんなく当たると光合成をおこないます。光合成が活発に行われると養分をたくさん作り出し、たっぷりの養分が果実に送られるようになります。できるだけ長く、いろいろな葉に光が当たることが大切です。
水はけの良い土壌
植物の成長には水は欠かせないものです。でも、美味しいミカンを作るためには、水を与えすぎると水っぽい味になり糖度が低くなります。甘さを十分に感じられず水っぽい味では、美味しいミカンとはいえません。そのため、雨が降っても水が溜まらない、水はけのよい土壌で栽培することが重要です。
昼夜の気温差が大きい気候
年平均気温が15℃~17℃、最低気温が-8℃以下にならないことが美味しいミカン作りには重要なことです。気温が低すぎると酸味が残ってしまいますし、木が枯れてしまうこともあります。逆に、気温が高すぎると、ミカンが浮皮になり木に実がつかない場合もあります。
あの地域がなぜ?ミカンの名産地の秘密に迫る!
世界に存在するミカンの種類は約100種類あるといわれています。その中でもミカンの愛称で親しまれているのは温州(うんしゅう)ミカンです。ミカンの歴史は古く、日本書紀に記され、中国から橘(たちばな)と呼ばれるミカンの原形になる果物を持ち帰ったことが始まりだそうです。
【1位】和歌山県のミカン栽培の特長
和歌山県でのミカンづくりは、1492年に橘(たちばな)が有田地方で発見されたという説と、1574年に九州からミカンの苗木を持ち帰ったという説の2つの説があります。和歌山のミカンが全国でも有名になったのは、紀伊国屋文左衛門が荒れくる海に何度となく挑戦し、江戸(東京)にミカンを送ったことが始まりだとされています。
ミカン産地の和歌山県有田地区は年間気温16.5℃、年間降水量が1700mmです。特にミカンの味が決まる夏頃の降水量が少なく、栽培に最適な気候です。そして、和歌山は小高い山々が連なり、ミカン園の約70%が傾斜で、階段状の石垣が日光の反射や太陽熱を保存する効果を担い、十分な光がミカンに注がれます。日光量に加えて、さらに海や川からの照り返しが美味しいミカンを作ります。
【2位】愛媛県のミカン栽培の特長
愛媛は1年を通して晴れの日が多く、温暖な気候です。そして、海からの反射や斜面に築かれた石垣からの反射の光を受け、美味しいミカンが育ちます。年間平均気温は15℃、冬の最低気温が-5℃以下にならない点もポイントです。海風を浴びてミネラルを含んだ土が良い土壌となり、栄養価の高いミカンが生産されています。
【3位】静岡県のミカン栽培の特長
静岡は普通温州ミカンの収穫量と出荷量に関して、出荷量日本一を誇ります。日照量が高いことはもちろんのこと、三ヶ日の土壌は石ガラが多く、水はけがよい土壌です。ミネラルを含む赤土もミカンが美味しくなるポイントです。
ミカちゃんおすすめランキング
※JAみっかび公式ショップスタッフおすすめのミカンな加工品まとめ
名産地で作られるミカンが美味しい理由は、美味しくなるための条件が全て揃っているからです。もちろん農家さんの努力や技術、熱意が根底があって整う条件ではありますが。
ミカンを食べるときに、サンサンと輝くお日様の光のもと、青々としたミカンの葉とオレンジ色の実を実らせる情景を思い浮かべながら、ミカンを頬張ってくださいね。美味しさが倍増するかもしれません。