スーパーで1年を通して販売されている柑橘類の種類を何種類まで答えることができますか?温州ミカンやレモン、オレンジやデコポンなど、柑橘類の種類はとても多く100種類以上も存在しています。
今回は、柑橘類の種類や特徴についてご紹介します。
柑橘類の種類は?
柑橘の種類は100種類以上も存在しているので、全ての名前を答えられる人はほとんどいないのではないでしょうか。柑橘類の特徴もさまざまで、グレープフルーツのような大きなサイズから、小さなサイズのキンカンまで、味や見た目にかなり違いがあります。
ミカちゃんおすすめランキング
※JAみっかび公式ショップスタッフおすすめのミカンな加工品ミカン類
ミカンの代表品種といえば温州ミカンですが、その温州ミカンはこのミカン類に属します。その他には、江戸時代にミカン栽培の主流となった紀州ミカンやインド減産のポンカン、タチバナ(橘)、コウジ(柑子)などがあります。
オレンジ類
世界中で親しまれている柑橘といえばこの種類です。日本で販売されているオレンジ類の多くは、海外から輸入されたものです。ミカン類より皮が厚く、生食でも食べられるスイートオレンジと、酢やマーマレードに用いられる加工品サワーオレンジに分けられます。オレンジ類には、バレンシアオレンジやネーブルオレンジ、橙、福原オレンジなどがあります。
グレープフルーツ類
1本の枝にたくさんの木が実る姿がブドウに似ていることから、グレープフルーツという名前がつけられたそうです。果肉の色がクリーム色のマーシュと呼ばれる種類と、果肉の色がピンク色のルビーと呼ばれる種類の2種類があります。亜熱帯地域原産ですので、日本では栽培が難しく、現在日本で販売されている約99%が海外からの輸入品です。
タンゴール類
ミカン類とオレンジ類が交雑してできた柑橘類なので、酸味より甘みが強い特徴があります。タンゴールという名前は、ミカンの英名のタンジェリンから由来して名付けられています。皮がむきやすく、甘くて美味しいことからタンゴール類に属する種類が多く、ミカン属の中では一番品種が多い種類です。
タンゴール類には、伊予柑、清美、はるか、せとか、タンカン、不知火などがあります。
タンゼロ類
ミカン類とグレープフルーツ類、ミカン類とブンタン類を交雑してできた柑橘類なので、爽やかな酸味が強い特徴があります。ミカンの英名、タンジェリンとブンタンの英名を組み合わせてタンゼロと呼ばれています。皮はミカンと似て薄いのですが、硬い特徴があります。果肉は柔らかくて瑞々しいです。
タンゼロ類には、セミノールやタンジェロ、スイートスプリングなどがあります。
香酸かんきつ類
香りと酸味が高い特徴がある香酸かんきつ類は、生のまま食べるには向かず、魚やお肉などに香りづけとして使われたり、ポン酢などの加工品として用いられることが多い品種です。
香酸かんきつ類には、柚子やカボス、レモンやシークワーサーなどがあります。
ブンタン類
柑橘類の中でも大きなサイズの種類が多く、果汁が少なめで淡泊な味わいが特徴です。
ブンタン類には、土佐文旦、晩白柚などがあります。
雑柑類
起源が曖昧な柑橘類の分類です。自然交雑種の総称となります。
雑柑類には、夏みかん、甘夏、はっさく、日向夏などがあります。
キンカン類
ミカンによく似ていますが、サイズが小さい柑橘類です。皮も種も柔らかくて、皮ごとそのまま食べてしまえます。日本で販売されているキンカンのほとんどは、中国からの輸入品です。
キンカン類には、キンカン、長金柑、丸金柑などがあります。
カラタチ類
生のままでは食べられていない柑橘類です。主に生垣に使用されたり、柑橘類の木の接木(つぎき)としての役目で利用されています。果実が市場に出回ることはほとんどありません。
生産量が多い柑橘類品種ランキング
2021年の全国柑橘生産量ランキングでは、1位は温州ミカンのブランド、有田みかんです。2位はマドンナ・甘平、3位に温州ミカンのブランド、三ケ日みかんです。4位は不知火、5位はせとかでした。
柑橘類の主な産地
品種によって盛んに栽培されている産地に違いがありますが、柑橘類全体での主な生産地は、愛媛県、和歌山県、熊本県、静岡県、宮崎県などが挙げられます。
【2023年版】柑橘類の人気品種・銘柄とその特徴
柑橘類の中でも特に人気となる品種や銘柄についてご紹介します。2023年度の調査では、甘い柑橘類よりも爽やかな酸味がアクセントとなる柑橘類のほうが人気が高いという結果になりました。
すだち
すだちは徳島県の特産品となっている、20~40gの小さいサイズです。外皮の色は緑色で、実は黄緑色、種が多い柑橘です。
生で食べるよりは、松茸の土瓶蒸しや焼き魚などにすだちの爽やかな香り付けとして用いられています。
年間を通して購入できる理由は、露地栽培とハウス栽培が行われているからです。露地栽培は9月から10月に収穫され、初期に収穫したものを一部貯蔵して3月頃まで流通させます。春から露地栽培ものが収穫されるまでは、ハウス栽培で栽培されたすだちが出回ります。
不知火
不知火と書いて”しらぬい”と読みます。2月中旬から4月初旬にスーパーなどの小売店に並ぶ姿を目にする人気の品種。ヘタがデコッと飛び出した風貌が特徴的なので、普段柑橘を購入しない人でも1度は見たことがあるのではないでしょうか。
酸味が少なくて甘みが強く、果汁が多い特徴があります。重さは約250gと、温州ミカンより少し大きめのサイズです。外皮がボコボコしているので皮が硬そうですが、手で簡単にむけます。ジョウノウ(薄皮)は薄く、そのまま食べられます。しっかりとした甘みと、少しの酸味、食べやすいことが人気の秘訣でしょう。
かぼす
すだちと同じく、香酸かんきつ類に属する柑橘です。大分県の特産品となり、収穫量は全国の98%を占めます。100~150gほどの重さがあり、大きさはテニスボールぐらいです。酸味が強く爽やかな香りと風味があり、すだちと同じく焼き魚に添えられ、香りづけとして利用されています。また、ジュースやドレッシング、ポン酢などの加工品としても用いられています。
はっさく
はっさくは、爽やかな酸味が食欲をそそり、独特の苦みとほんのりと甘い特徴があります。重さは350g程度と温州ミカンと比較すると少し大きめのサイズ感になります。皮が硬いため手でむきづらく、ジョウノウ(薄皮)も厚いため袋をむいてから食べます。
食べるのが少し面倒に感じるはっさくですが、爽やかな酸味と独特のほろ苦さ、プチプチと弾力のある果肉がクセになるとリピートする人が多いです。
はっさくの主な産地は和歌山県。全国の68%を占めています。旬は1月中旬から4月下旬ごろで、店頭にも並ぶメジャーな柑橘類です。
シークワーサー
沖縄を中心に自生するシークワーサーもミカン科の柑橘です。すだちやかぼすと同様に、果皮は緑色で、爽やかな香りと酸味が食材や飲み物などのアクセントになって美味しいと人気が高い柑橘です。
重さは10~18g程度。完熟すると黄色く色付き、酸味が抜け甘みが出ます。
シークワーサーの旬は沖縄では、8月後半から9月にかけてが多いですが、夏に出荷される青切りものは酢の物用、10月から12月中旬まではジュース用、12月下旬から2月末までの黄色く熟したものは生食用として、旬の時期によって食べ方が変わります。
日向夏
日向夏(ひゅうがなつ)は宮崎県の特産品の柑橘です。重さは200~250g程度と、温州ミカンを一回り大きくしたサイズ感です。露地物は種が入っていますが、ハウス物には種がありません。
旬は4月から5月、甘みの中に酸味がほどよく感じられ、何よりも香り良いため食欲をそそられます。
外皮とジョウノウ(薄皮)の間にある白い皮(アルベド)は甘みがあるため、果肉と一緒に食べることができます。他の柑橘では白い皮は取ってしまうので、日向夏だけの珍しい食べ方ができます。
せとか
スーパーにも並ぶ人気のせとか。糖度が13度から14度と甘みが強く、果汁たっぷりで香りも良い特徴があります。せとかの生産日本一は愛媛県の八幡浜市です。ハウス物は12月から2月まで、露地物は2月から4月上旬まで市場に出回ります。
甘夏
温州ミカンより少し大きめのサイズ感の甘夏(あまなつ)。甘酸っぱさとほろ苦さが特徴で、価格が安いところも魅力的な柑橘です。旬は4月中旬から5月中旬まで。気温がだんだんと暖かくなるころに、爽やかな味がさっぱりとして美味しいと人気です。
紅まどんな
愛媛県のJA全農えひめの登録商標の紅まどんなは、愛媛県のオリジナル品種です。甘みが強く、ゼリーのように溶ける滑らかな口当たりが特徴です。食味は非常に良いのですが、外皮がデリケートなため雨に当たらないようにビニールハウスなどで栽培されています。
たんかん
たんかんは、ポンカンとネーブルの自然交配によって誕生した柑橘です。酸味が少なく特有の甘さがあり、生で食べるほか、ジャムやジュースにも用いられています。たんかんの産地は沖縄県。南国のミカンとして知られていますが、鹿児島県の離島で多く生産され全国の約8割が鹿児島県の離島で生産されています。旬は2月中旬から4月ごろまで。食べ頃は2月中旬から3月までです。
まとめ
バナナやりんごのように、柑橘類はスーパーでいつでも手軽に購入できる果物です。中でも柑橘はビタミンCを多く含むため、毎日の健康を支えてくれる役割も担います。ビタミンCは熱や水に弱いので、生で食べられる果物で摂取すると効率よく身体に取り入れられます。健康にも美容にも良い柑橘類をぜひ食べてくださいね!