温州みかんに含まれる栄養素と効能
温州みかんには、体を若々しく保つのに必要なビタミンCやポリフェノール類をはじめ、様々な成分が含まれています。
ここでは、温州みかんに含まれる栄養成分やその働きについて詳しく見ていきましょう。
コラーゲンをつくる「ビタミンC」
温州みかんにはビタミンCが含まれています。ビタミンCは、皮膚や軟骨などを構成するたんぱく質「コラーゲン」をつくるのに不可欠なのがビタミンです。
ビタミンCが欠乏してコラーゲン合成ができなくなると、血管がもろくなり出血しやすくなったり、肌のハリや弾力が失われたりします。また、体内に増えすぎると老化を引き起こす「活性酸素」の働きを抑えたり取り除いたりする抗酸化物質としても働きます。
その他、ビタミンCは鉄の吸収を高めるなど体内で様々な働きを担っているため、多く含む果物や野菜などを積極的に摂取しましょう。
状態など | ビタミンC | |
---|---|---|
温州みかん | 生 | 32mg |
バナナ | 生 | 16mg |
りんご | 皮なし/生 | 4mg |
キウイフルーツ | 緑肉種/生 | 71mg |
いちご | 生 | 62mg |
塩分(ナトリウム)の摂りすぎに役立つ「カリウム」
体に欠かせない栄養素「ミネラル」の一種が、温州みかんにも含まれているカリウムです。カリウムは、同じくミネラルの一つであるナトリウムとともに体内の浸透圧調整に関わっています。
カリウムには、体内に増えすぎたナトリウムを体の外へ排出してくれる作用があります。ナトリウムは主に食塩として摂取され、摂りすぎると高血圧の原因となります。つまりカリウムは塩分の摂りすぎを調節してくれる栄養素であるといえるでしょう。
その他カリウムは神経伝達や筋肉の収縮にも関わっています。
状態など | カリウム | |
---|---|---|
温州みかん | 生 | 150mg |
バナナ | 生 | 360mg |
りんご | 皮なし/生 | 120mg |
キウイフルーツ | 緑肉種/生 | 300mg |
いちご | 生 | 170mg |
体内でビタミンAに変換される「β−カロテン」
β−カロテンは、体内でビタミンAにつくり変えられる「プロビタミンA」と呼ばれる物質です。食品から摂取されたβ−カロテンは、体内で必要な分だけビタミンAにつくり変えられます。
また、黄色〜赤色を呈する天然色素「カロテノイド」の一種でもあるβ−カロテンは、体内で抗酸化物質として働きます。つまり、β−カロテンを十分摂取することで体を若々しく保つことに役立つといえるでしょう。
状態など | β−カロテン | |
---|---|---|
温州みかん | 生 | 180μg |
バナナ | 生 | 42μg |
りんご | 皮なし/生 | 12μg |
キウイフルーツ | 緑肉種/生 | 53μg |
いちご | 生 | 17μg |
カロテノイドの一種「β−クリプトキサンチン」
温州みかんの色素に含まれるカロテノイドとして知られているのが、β−クリプトキサンチンです。つまり、β−クリプトキサンチンはβ−カロテンの仲間なのです。
β−カロテンと同じように、抗酸化物質として老化防止に作用するほか、プロビタミンAとしても作用します。
状態など | β−クリプトキサンチン | |
---|---|---|
温州みかん | 生 | 1,700μg |
バナナ | 生 | 0μg |
りんご | 皮なし/生 | 7μg |
キウイフルーツ | 緑肉種/生 | 0μg |
いちご | 生 | 1μg |
ポリフェノールの一種「ヘスペリジン」
温州みかんをはじめ柑橘(かんきつ)類の皮、特に外皮の裏の白い部分(中果皮)に多く含まれる有効成分がヘスペリジンです。
ポリフェノールの一種で、抗酸化作用のほか血流促進や血圧上昇抑制など様々な機能性が報告されており、ヨーロッパでは医薬品として利用されている成分でもあります。
温州みかんは1日何個まで?どこからが食べ過ぎ?
健康効果が期待できる成分を多く含む温州みかんですが、1日当たりの適切な摂取量はどのくらいなのでしょうか?食べ過ぎた場合の影響なども踏まえてみていきましょう。
1日に食べる温州みかんの目安
農林水産省「食事バランスガイド」によると、果物の摂取目安量は1日当たり200g(可食部)程度。温州みかんではだいたい2個くらいに相当します。
皮も剥きやすく、つい1日何個も食べてしまいそうですが、3個以上は食べ過ぎになる可能性があるため注意しましょう。
食べすぎると・・・?!
温州みかんには、糖質が含まれています。他の果物に比べて特別多いわけではありませんが、食べ過ぎは糖質の摂りすぎにつながり、肥満や生活習慣病の引き金となりかねません。
また、温州みかんを食べ過ぎると、含まれるカロテノイド色素の影響により、手のひらや足の裏の皮膚が黄色くなる「柑皮症(かんぴしょう)」を引き起こすことがあります。健康には問題なく温州みかんの過剰摂取をやめれば改善しますが、症状が強い場合は全身が黄色くなることがあるため気をつけてくださいね。
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温州みかんの栄養を最大限に取り入れるには、どのような食べ方がより効率的なのでしょうか?
食べ方①白い筋や袋も食べる
温州みかんの薄い皮(じょうのう)や白い筋には、食物繊維が含まれています。キレイに取って食べる人もいますが、そのようにすることで食物繊維の摂取量が減ってしまいます。
また、じょうのうや白いすじには、血流促進作用のあるヘスペリジンも多く含まれています。特に、白い筋は取り除いて食べる人も多いかもしれませんが、温州みかんに含まれる成分効率よく摂取したい場合は、薄い皮も白い筋も丸ごと食べるのがおすすめです。
食べ方②皮を活用する
温州みかんの皮を乾燥させて作る「陳皮(ちんぴ)」は、漢方薬としても用いられています。自宅で食べ終わったあとの温州みかんの皮をよく洗い、天日干しすれば陳皮が作れます。スパイスとして料理に使ったり、少量お茶や白湯に加えて飲んだりするのもおすすめですよ。
温州みかんの良い香りでリラックス効果が得られるほか、皮の裏の白い部分に豊富に含まれるヘスペリジンにより、冷えを解消したり胃の健康を維持したりする効果が期待できるでしょう。
まとめ|温州みかんはこんな人におすすめの果物!
温州みかんにはビタミンCやカロテノイドなど、体を若々しく健康に保つことに役立つ成分が多く含まれています。積極的に食べることで、体の内側から健康をサポートしてくれるでしょう◎
そうはいっても、食べ過ぎは禁物です。美味しいのでつい食べ過ぎてしまいがちな温州みかんですが、健康を意識して取り入れるなら、1日3個までの適量を守りましょう。
美味しくて栄養たっぷりな温州みかんを食べて、寒い冬を健やかに過ごしましょう!