美容と健康効果が期待できるいちご
いちごの主な栄養素とその効果を一覧表にまとめました。
効果 | |
---|---|
ビタミンC | 美肌効果・風邪予防 |
葉酸 | 貧血予防 |
ペクチン | 血糖値の上昇抑制 |
アントシアニン | 眼精疲労の予防・改善 |
キシリトール | むし歯予防 |
毎日の食事では摂取が難しい栄養素も、いちごには含まれています。美味しくいちごを食べながら、嬉しい健康効果が得られるとなれば、期待も高まりますね!
いちごに含まれる栄養とその効果
ここからは、いちごに含まれる栄養素のより具体的な効果について見ていきましょう!
ビタミンC:美肌効果や風邪予防
いちごには美容と健康に欠かせないビタミンCが豊富に含まれています。ビタミンCは、体内のコラーゲンの生成を助ける働きがあります。コラーゲンは肌の弾力を保つ成分で、これにより美肌効果が期待できます。
さらにビタミンCは、風邪予防にも役立つといわれています。免疫力を高める助けとなり、風邪を引きにくい体を作ります。
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※2023年12月~2024年4月のデータ葉酸:貧血防止
いちごには、美容や健康維持に欠かせない栄養素のひとつである葉酸が含まれています。葉酸は、赤血球の生成に必要な栄養素であり、不足すると貧血を引き起こす可能性があります。
いちごは手軽に食べられるので、日々の葉酸摂取に役立ちます。特に女性にとって、妊娠前から妊娠初期にかけて葉酸の摂取が重要とされているため、いちごを食事に取り入れることをおすすめします。
ペクチン:血糖値の上昇を抑制
いちごに含まれるペクチンという成分は、私たちの体にとって非常に重要な働きを持っています。ペクチンは主に果物の皮や種に含まれる水溶性食物繊維で、いちごにも豊富に含まれています。
このペクチンが果たす役割の一つが、血糖値の急激な上昇を抑えることです。食後の血糖値上昇は、インスリンの分泌を増やし、糖尿病を引き起こすリスクを高めます。しかし、ペクチンは胃でゲル状になり消化管内をゆっくりと移動します。このような性状により糖分糖質の吸収を遅らせることができるため、血糖値の急激な上昇を緩和します。
アントシアニン:目の健康維持
いちごに含まれるアントシアニンは、目の健康維持に役立つ成分です。その特性として強い抗酸化作用があります。
この抗酸化作用により、目の疲れや眼精疲労の予防、さらには加齢による視力低下の防止に効果があると言われています。特に、現代社会ではスマホやPCの使用が増え、ブルーライトから目を守ることが重要視されています。アントシアニンは、忙しい現代人に多いスマホやパソコンのブルーライトによるダメージから目を守るのに役立ちますよ。
アントシアニンは毎日の食事から十分に摂取することが難しい成分でもあるため、いちごを積極的に食べることで、目の健康を維持することが可能となるでしょう。
キシリトール:むし歯予防
いちごに含まれる成分の一つであるキシリトールには、むし虫歯を予防し、歯の健康を守る効果が期待できます。
キシリトールは糖アルコールの一種で、その特性上、口内の細菌が糖分を分解する際に生じる酸を抑制します。この酸こそが歯を溶かし、むし虫歯を引き起こす原因となるため、キシリトールを積極的に摂ることは、歯の健康維持に繋がります。
さらにキシリトールは、唾液の分泌を促進する効果もあり、口内環境を整える手助けをしてくれます。唾液は自然な洗浄剤の役割を果たし、食べ物の残りカスを洗い流したり、酸の影響を緩和するなど、口内環境を保つ重要な要素です。
いちごの健康効果について
いちごには多くの健康効果があることが科学的に証明されています。
まず、美肌効果です。いちごに豊富に含まれるビタミンCは、コラーゲンの生成を促進し、肌のハリや潤いを保つことで知られています。また、強力な抗酸化作用もあり、肌の老化防止にも寄与します。
次に、貧血予防です。いちごには葉酸が含まれており、新しい赤血球をつくることに欠かせない成分です。葉酸が不足すると貧血を引き起こす可能性があります。
さらに、眼精疲労の軽減と虫歯予防効果もあります。いちごの色素であるアントシアニンは目の健康を維持し、キシリトールは唾液の分泌を促し虫歯予防に役立ちます。
これらの健康効果を最大限に引き出すためには、後述する適切な食べ方や保存方法を守ることが重要です。
いちごの栄養を上手にとるコツ
いちごの豊富な栄養を無駄なく体に取り入れるためには、適切な洗い方と保存方法が大切です。
まず、いちごを洗う際には、水につけすぎないことが重要です。水に浸けてしまうと、ビタミンCが溶け出してしまい、その効果を十分に発揮できません。先にふたを取り、水道水で優しく洗うのがおすすめです。
次に保存方法ですが、冷蔵庫で保管するのが基本です。ただし、低温すぎるといちご自体が傷むので、冷蔵庫の中でも野菜室などやや温度の高い場所に置くと良いでしょう。
また、栄養を上手く摂るためには、いちごを食べるタイミングも重要です。特にビタミンCは酸化しやすいため、カットしたり潰したりした後はなるべくすぐに摂取することをおすすめします。
以上のポイントに気をつければ、美容と健康に良いとされるいちごの栄養を美味しく効率的に摂ることができますよ◎
体に良いとされるいちごの食べ方
いちごの栄養を最大限に活かすための食べ方についてご紹介します。
まずは、生食と加熱食での違いを理解しましょう。生のまま食べることで、ビタミンCやアントシアニンを効率的に摂取することができます。
次に、いちごのアレンジとして定番のジャムですが、ビタミンCは熱に弱いため、加熱過程で減少する可能性があります。反対にペクチンは熱に強く、加熱することによってその効果を発揮します。
いちごを食べる際はこれらを参考に、美味しく栄養価高く食事に取り入れてみてください。
毎日1パック食べると体に悪い?
いちご1パックは250〜300gです。厚生労働省、農林水産省による「食事バランスガイド」では、健康のための果物の摂取推奨量を1日200g程度としています。これを踏まえると、毎日いちご1パック食べることは、食べ過ぎであるといえるかもしれませんね。
いちごは美味しいだけでなく、さまざまな栄養が豊富な果物ですが、一方で含有する糖質の摂取量に注意が必要です。いちごを食べ過ぎると糖分の摂取過多につながり、健康に影響を及ぼす可能性があります。いちごの持つ美容や健康効果を得るためには、適量摂取することが重要です。
毎日の食事にいちごの彩りを加え、健康的な体へと導きましょう。
いちごを使った健康レシピ
ここからは、いちごを使った健康レシピを3つ紹介します。いちごに含まれる栄養素を効率よく摂取しつつ、他の食材と合わせてバランスよく美味しいメニュー作りに挑戦してみましょう!
レシピ①いちごとヨーグルトのパフェ
ビタミンCが豊富ないちごは美肌効果が期待できます。そんないちごと乳酸菌を含むヨーグルト、食物繊維豊富なグラノーラと合わせたこちらのスイーツは、腸内環境の改善に効果的!便秘解消と合わせて肌荒れの改善などにも役立ちますよ。
【材料(2人分)】
- いちご: 8個
- プレーンヨーグルト:200g
- グラノーラ:20g
- ミントの葉:適量
- <ピューレ>
- いちご:4個
- はちみつ:大さじ1
【作り方】
- ピューレ用のいちごを潰すか刻み、はちみつと混ぜ合わせてピューレを作っておく。
- グラスにヨーグルト、1、グラノーラを交互に盛り付けて、上にいちごとミントを飾る。
レシピ②いちごの豆乳プリン
いちごに含まれるアントシアニン、豆乳のイソフラボンはどちらもポリフェノールの一種です。2つの食材の相乗効果で、抗酸化作用もアップ!ヘルシーでおいしいうえに、美容や健康に効果的な成分がたっぷり摂れます。
【材料(2〜3カップ分)】
- いちご:100g、無調整豆乳:150ml
- はちみつ:大さじ1
- 粉ゼラチン:4g
【作り方】
- いちごはヘタを取ってよく洗う。
- 粉ゼラチンは大さじ2の水でふやかしておく。
- 1と豆乳、はちみつをミキサーにかける。
- 2を電子レンジにかけ、完全に溶けるまで加熱する。(600Wで20秒くらい)
- 3に4を入れさらに撹拌する。
- 容器に入れて粗熱をとり、冷蔵庫で冷やし固める。
レシピ③いちごとクリームチーズのサラダ
さっぱりとしたサラダです。いちごはカリウムや葉酸も含んでおり、むくみや貧血の予防にも役立ちます。クリームチーズはたんぱく質やビタミンB群が豊富で、筋肉作りや体調を整えるのをサポートします。
【材料】
- いちご:6個
- クリームチーズ:30g
- 生ハム:3枚
- レタス:4枚
- ドレッシング:適量
【作り方】
- いちごはよく洗い、ヘタを取って半分にカットしておく。
- レタスを食べやすい大きさにカット、もしくはちぎり皿に盛り付け、1をのせる。
- 2に食べやすい大きさにカット、もしくはちぎった生ハムとクリームチーズを盛り付ける。
- 好みのドレッシングをかけて完成。
まとめ:いちごの栄養と効果を最大限に活かすために
いちごには、美肌効果のあるビタミンCや、貧血予防に役立つ葉酸など、豊富な栄養素が含まれています。手でパクパクと食べられるいちごは、忙しい毎日の中でも食事に取り入れやすく、手軽に美味しく栄養補給できます◎
またいちごに含まれる栄養素は、熱に弱いものと強いものとがあり、それぞれ性質が異なるため、そのときの体調に合わせて、必要な栄養素を効率よく摂れる食べ方を選ぶことも大切です。
いちごの爽やかな甘みを感じながら、美しく健康的な体作りを目指しましょう。
いちごを食べてJAはが野の挑戦を応援しよう!
いちご王国の首都、真岡市を含む栃木県の南東部を管轄する農協がJAはが野。
イチゴはもちろん、メロンや梨といったフルーツや、なす、ニラ、トマトなどの野菜の生産も盛ん!豊富に降り注ぐ太陽光ときれいな水、肥沃な大地、そして昼夜の寒暖差の大きな内陸型の気候が農作物を、おいしく育みます。これらに加え、首都圏に近いことから、新鮮な果物や野菜をいち早く大消費地にお届けできることも特徴です。
そんなJAはが野では、2023年より「環境にやさしい栽培技術」と「省力化に資する先端技術等」を取り入れた「グリーンな栽培体系」を目指し、新たな取り組みをスタートしています。
気候変動問題が世界中のイシューとなる中で、全国の生産者にはカーボンニュートラルの実現に向けて化学肥料の低減が求められています。(みどりの食糧システム戦略)
とはいえ、化学肥料を減らすと、収入減少の怖さがあり、生産者にとって大きな負担を強いる可能性があります。そこでJAはが野では、バイオスティミュラントという新しい農業資材に着目し、生産者の負担を軽減する、新しい栽培方法の開発に挑戦しています。
【引用元】バイオスティミュラント 活用による 脱炭素地域づくり協議会
特に、栽培過程で生じる「ゴミ」である食品残渣からバイオスティミュラントを生産することで、「食品から食品」を生む環境負荷の低い栽培を実現し、気候変動に負けない、持続可能な産地を目指しています。
現在、はが野地区では「いちご」「玉ねぎ」「アスパラガス」の3品目でこの取り組みを実施しているそうです。ぜひ、気候変動問題に果敢に取り組む産地の商品を購入して応援していきましょう!
鈴木 亜子 Suzuki Ako
管理栄養士
大学卒業後、主に医療機関に勤務。チーム医療の一端を担い、生活習慣病などさまざまな疾患の栄養管理に取り組む。得意分野は糖尿病で、療養指導や透析予防、重症化予防などを担当した経験も。現在は豊富な栄養相談経験を活かし、ウェルネス関連の記事執筆および監修に携わる。
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