間違った食べ方で栄養を逃がさない!玉ねぎの成分が引き立つ理想的な調理法

間違った食べ方で栄養を逃がさない!玉ねぎの成分が引き立つ理想的な調理法

私たちの身近な食材である玉ねぎには、たくさんの栄養成分が含まれています。それらの成分は、私たちの健康を維持・向上させるために重要な役割を果たしています。しかし、調理法によって含有量や効果が変わってしまうこともあるため、最大限に活かすための方法を知っておくことが大切です。 そこでこの記事では、玉ねぎの主要な栄養成分とその効能について解説し、栄養を逃がさないための理想的な調理法をご紹介します◎

玉ねぎの主な成分とその効能

まずは、玉ねぎの主な成分とその効能について紹介します。

アリシンの血液サラサラ効果

玉ねぎに含まれる「アリシン」は、独特の辛味の元となる成分です。アリシンにはビタミンB1の九州をサポートしたり、血管の健康を維持したりする効果が期待できると言われています。

具体的には、血中のコレステロールの上昇を抑制したり、血管を広げたりする作用があるほか、抗酸化作用により身体の細胞を酸化ストレスから保護することに役立ちます。

アリシンについては、こちらの記事でもご紹介していますので、ぜひご覧ください◎

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ケルセチンの抗酸化作用

玉ねぎに豊富に含まれるケルセチンは、強い抗酸化作用を持つ成分です。体内の活性酸素を除去し、体内脂質の酸化を抑制することで、動脈硬化を予防する働きがあると報告されています。

また、ケルセチンは抗炎症作用も持ち合わせており、体内の不要な炎症反応を抑制する効果があります。

ケルセチンについては、こちらの記事でもご紹介していますので、ぜひご覧ください◎

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オリゴ糖の腸活効果

玉ねぎにはオリゴ糖という成分が含まれています。これは腸内で善玉菌のエサとなり、腸内環境を整える働きがあります。特に、玉ねぎは野菜の中でもオリゴ糖が豊富とされています。

腸内環境が整うことで、便秘解消や肌のコンディションを整え、免疫機能を高めるなどの効果が期待されます。

食物繊維による糖や脂質の吸収抑制

私たちの健康に欠かせない成分である食物繊維は、特に玉ねぎにも豊富に含まれています。食物繊維の主な機能の一つが、体内での糖や脂質の吸収を抑制する役割です。

食後の血糖値の急激な上昇を抑える作用により、糖尿病予防にも寄与するほか、血中コレステロール値を低下させることで、心血管疾患のリスク低減に役立ちます。

カリウムによる高血圧防止効果

玉ねぎには栄養成分「カリウム」が含まれています。カリウムは体内のナトリウムの排出を助ける働きがあり、十分に摂取することで高血圧予防につながるといわれています。そのため、塩分の過剰摂取や血圧が気になる方にとって、カリウムの摂取は重要なポイントとなります。

カリウムについては、こちらの記事でもご紹介していますので、ぜひご覧ください◎

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玉ねぎの成分を逃がさないための調理法

ここからは、玉ねぎの成分を逃さないための調理法を紹介します。

生で食べる場合の注意点

生で食べると玉ねぎの成分であるアリシンの効果を最大限に引き出すことができます。しかし、生のままだと刺激が強いため、食べ過ぎには注意が必要です。また、新鮮な玉ねぎを選ぶことも大切です。新鮮な玉ねぎは皮がつやつやとしており、根元が乾燥していないものが良質です。

さらに、生の玉ねぎは消化が難しいため、胃腸が弱い方や小さなお子様には適量を守って与えましょう。食材としての玉ねぎは栄養豊富ですが、食べ方によっては体調を崩す可能性もあるので、適切な摂取方法を心掛けてください。

加熱する場合の適切な方法

玉ねぎの成分は加熱により変化します。特に、アリシンは熱に弱く、加熱するとその効果が失われてしまいます。しかし、アリシンは加熱することで甘み成分へと変化するため、加熱により玉ねぎの甘さも引き立ち、味わい深くなります。

細胞の中まで火が通るようにじっくりと炒めることで、より甘味が出てくるので、スープや煮物に使う際にも、玉ねぎを先に炒めてから加えるとより美味しく仕上がります。

皮の近くも活用する理由

玉ねぎの皮と皮に近い部分には、抗酸化作用を持つケルセチンが多く含まれています。

そのため、料理で玉ねぎを使用する際には、皮の近くまでしっかりと利用することがおすすめです。ただし、皮自体は硬く食べにくいため、皮を剥いた後、再度1mm程度を削るだけに留めるのがおすすめです。

調理法による玉ねぎの成分の変化

ここからは、調理法による玉ねぎの成分の変化について紹介します。

炒める・煮るなど加熱するとどう変わる?

玉ねぎを炒める、煮るなど加熱するとその成分はどのように変化するでしょうか。実は、加熱によって玉ねぎの成分が活性化する場合と、逆に減少する場合があります。

まず、ケルセチンという抗酸化作用を持つ成分は加熱に強いです。一方で、血液サラサラ効果を期待できるアリシンは、加熱により分解され、その効果が弱まる可能性があります。

また、炒め物に使う油と一緒に調理することで、脂溶性のビタミンなどがより体に吸収されやすくなります。しかし、過度の加熱は栄養素を減らす可能性もあるため、適度な火加減で調理することが重要です。

水にさらすとどう変わる?

玉ねぎを水にさらすと、アリシンは溶け出し、辛味が和らぎます。このようにすることでアリシンの刺激を抑えられるため、辛味が苦手な方は玉ねぎを食べやすくなります。
一方、アリシンの効果を最大限に取り入れたい方は、玉ねぎを水に晒しすぎないようにしましょう。

酢玉ねぎにするとどう変わる?

酢に漬けることで玉ねぎが酵素の力を最大限に発揮します。また、酢には血液をサラサラにする働きもあるため、一緒に摂取することでその効果もアップします。

 さらに、酢玉ねぎは生のまま食べることができるので、アリシンやビタミンCなど、加熱調理で失われやすい栄養成分もしっかり摂ることができます。酸っぱい味が苦手な方は、はちみつなどで調味すると良いでしょう。

みじん切りにするとどう変わる?

玉ねぎをみじん切りにすると、成分のアリシンがより多く放出されます。アリシンは切る、すりおろすなどの物理的な刺激によって玉ねぎから発生します。

冷凍するとどう変わる?

玉ねぎを冷凍すると、味や食感に変化が現れます。味わいについては、冷凍により甘みが凝縮され、より濃厚な風味に変化します。また、玉ねぎの繊維が破壊されるため、味が染み込みやすくなります。食感については、新鮮な玉ねぎ特有のシャキシャキ感が失われ、筋っぽさが増すため、調理法に工夫が必要です。

栄養面については、大きな影響はありませんが、解凍時に、含まれる栄養成分が損失する可能性があります。

玉ねぎの栄養成分を効率よく摂取できるレシピ

ここからは、玉ねぎの栄養成分を効率よく摂取できるおすすめレシピを3つ紹介します。

さばの南蛮漬け

このレシピでは、鯖をカリッと揚げてから甘酸っぱい南蛮漬けにすることで、魚の旨味と野菜のシャキシャキ感が楽しめる一品になっています。南蛮漬けは時間が経つほどに味がなじむため、作り置きにも適しています。

食材リスト(2人前)

材料 2人前の分量
2枚
玉ねぎ 1個
ピーマン 2個
にんじん 1/2本
しょうゆ 大さじ3
砂糖 大さじ2
みりん 大さじ2
大さじ3
100ml
片栗粉 適量
サラダ油 適量

作り方

  1. 鯖は3枚におろしてから、一口大に切り分け、塩を振って10分程度置く。
  2. 玉ねぎ、ピーマン、にんじんを細切りにする。
  3.  鯖の水気を拭き取り、片栗粉をまぶして熱したサラダ油で揚げる。
  4.  野菜と調味料(しょうゆ、砂糖、みりん、酢、水)を混ぜて火にかけ、沸騰したら火を止める。
  5. 揚げた鯖を熱々のまま調味液に漬け、冷蔵庫で一晩置く。

甘辛玉ねぎのくるくる肉巻きソテー

このレシピは、玉ねぎのシャキシャキ感と豚肉の旨味、焼肉のタレの甘辛さが楽しめる一品です。調理は簡単で、短時間で美味しく作ることができます。

食材リスト(2人前)

材料 2人前の分量
豚バラ薄切り肉 6枚
玉ねぎ 小1個
薄力粉 適量
焼肉のタレ 大さじ2
サラダ油 小さじ2

作り方

  1. 玉ねぎをくし形切りにし、電子レンジで加熱してから、豚肉で巻く。
  2. 肉巻きに薄力粉をはたき、サラダ油を熱したフライパンで焼く。
  3. 焼き色がついたら、焼肉のタレで味付けして完成。

新玉ねぎのシャキシャキサラダ

このレシピは、シンプルでありながら、新玉ねぎのシャキシャキとした食感と、和風ドレッシングの風味が楽しめる一品です。新玉ねぎの甘みと、ごま油の香りが特徴的で、春の食卓にぴったりのサラダとなっています。

食材リスト(2人前)

材料 2人前の分量
新玉ねぎ 中サイズ 1個
かいわれ 1パック
かつお節 1パック
白いりごま
<しょうゆ/th> 大さじ1
ごま油 大さじ1

作り方

  1. 下準備: 新玉ねぎは薄くスライスして水にさらし、かいわれは適当な長さに切る。
  2. ドレッシング作り: 酢、しょうゆ、ごま油を混ぜ合わせ、白いりごまを加える。
  3.  盛り付け: 水気を切った新玉ねぎとかいわれをボウルに入れ、1で作ったドレッシングをかけてよく和える。最後にかつお節を上から散らす。

まとめ

玉ねぎはビタミンB1の吸収を高め、血液をサラサラにするという働きがあるアリシン、抗酸化作用のあるケルセチンなど、多くの栄養素を含んでいます。

しかし、調理法によりこれらの栄養素の含有量や効果は変化します。特に生で食べたり、加熱する際には注意が必要です。さらに、玉ねぎの種類によっても栄養成分が異なります。これらを踏まえて、自分の健康状態や目的に合わせて、最適な玉ねぎの選び方や調理法を探してみましょう◎

玉ねぎのレシピについては、こちらの記事でもご紹介していますので、ぜひご覧ください♪

【保存版】玉ねぎを使った人気の料理レシピ15選!炒め物からスープまで幅広く紹介

玉ねぎを食べてJAはが野の挑戦を応援しよう!

いちご王国の首都、真岡市を含む栃木県の南東部を管轄する農協がJAはが野。

イチゴはもちろん、メロンや梨といったフルーツや、なす、ニラ、トマトなどの野菜の生産も盛ん!豊富に降り注ぐ太陽光ときれいな水、肥沃な大地、そして昼夜の寒暖差の大きな内陸型の気が農作物を鍛え、おいしく育みます。これらに加え、首都圏に近いことから、新鮮な果物や野菜をいち早く大消費地にお届けできることも特徴です。

そんなJAはが野では、2023年より「環境にやさしい栽培技術」と「省力化に資する先端技術等」を取り入れた「グリーンな栽培体系」を目指し、新たな取り組みをスタートしています。

気候変動問題が世界中で注目されるようになった中で、全国の生産者にはカーボンニュートラルの実現に向けて化学肥料の低減が求められています。(みどりの食糧システム戦略)

とはいえ、化学肥料を減らすと、収入減少の怖さがあり、生産者にとって大きな負担を強いる可能性があります。そこでJAはが野では、バイオスティミュラントという新しい農業資材に着目し、生産者の負担を軽減する、新しい栽培方法の開発に挑戦しています。

バイオスティミュラントは、植物に生理学的刺激を与えることで、環境ストレスを受けたために発揮されていない「農作物が本来持っている能力」を、最大限まで改善する資材として期待されている新しい農業用資材です。 農作物の品質や収量の向上や、栄養吸収率を高めることによる化学肥料使用量の低減などの効果をもたらします。
【引用元】バイオスティミュラント 活用による 脱炭素地域づくり協議会

特に、栽培過程で生じる「ゴミ」である食品残渣からバイオスティミュラントを生産することで、「食品から食品」を生む環境負荷の低い栽培を実現し、気候変動に負けない、持続可能な産地を目指しています。

現在、はが野地区では「いちご」「玉ねぎ」「アスパラガス」の3品目でこの取り組みを実施しているそうです。ぜひ、気候変動問題に果敢に取り組む産地の商品を購入して応援していきましょう!

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鈴木 亜子

鈴木 亜子 Suzuki Ako

管理栄養士

管理栄養士。大学卒業後、主に医療機関に勤務。チーム医療の一端を担い、生活習慣病どさまざまな疾患の栄養管理に取り組む。得意分野は糖尿病で療養指導や透析予防、重症化予防などを担当した経験も。現在は豊富な栄養相談経験を活かし、健康に関わる分野の記事執筆などを行う。

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