おならが出るメカニズム
おならが出るメカニズムは主に、食事から摂取した栄養素が私たちの体内でどのように消化・吸収され、そして排出されるかに関連しています。
最初に食物が口腔で噛み砕かれ消化液と混ざり合い、その後胃や小腸でさらに分解・吸収されます。しかし全ての成分が完全に分解・吸収されるわけではありません。一部の消化できない成分は、腸内細菌によって発酵されたり腐敗したりします。
この過程で生成されたガスがゲップやおならです。特におならの中には、硫化水素など臭い成分も含まれることがあります。
また、飲食物以外にも大気中の酸素などを吸引することで腸内にガスが溜まり、それがおならとして排出されることもあります。
玉ねぎを食べるとなぜおならがよく出るのか
玉ねぎを食べた後におならがよく出る、その主な原因は「食物繊維」と「フラクトオリゴ糖」にあります。これらはともに玉ねぎに多く含まれる成分で、私たちの体内では完全に分解されず、腸内で発酵します。その結果、ガスが生成され、おならがよく出ます。
特にフルクトオリゴ糖は腸内の善玉菌が大好きなエサとなり、摂取すると善玉菌が増えて腸内環境が改善します。その一方で、過剰に摂取すると腸内で発酵しやすくなり、おならがよく出るようになります。
このように、おならの生成には玉ねぎの成分が重要な役割を果たしています。玉ねぎを食べるときは適量を心掛け、腸内環境の維持に努めましょう。
他にもおならがよく出る食材とその理由
おならがよく出る食材としては、マメ科の植物、ビールや炭酸飲料、FODMAP食品などが挙げられます。
マメ科の植物には、人間が消化できないオリゴ糖が含まれており、これが腸内細菌によって分解されることでガスが発生します。ビールや炭酸飲料は、摂取すると胃にガスが溜まり、その結果おならとして排出されます。
また、FODMAP食品(小麦、大豆製品など)もガスの発生を促します。FODMAPとは腸に起こる問題の原因となる特定の炭水化物のことです。FODMAP食品は発酵しやすい性質があるため、これらを多く含む食品を食べるとガスが発生しやすくなります。
玉ねぎを食べた後のおならの臭いの正体とは
玉ねぎを食べた後におならが臭くなることがあります。その原因は、玉ねぎに含まれる「硫化アリル(アリシン)」によるものです。摂取した硫化アリルは体内で硫化水素を発生させ、これがおならの臭いの主成分となります。
だからといって、玉ねぎを避ける必要はありません。玉ねぎのアリシンにはさまざまな健康効果が期待されています。おならの臭いが気になる場合は、玉ねぎの摂取量を調整したり、他の食材と組み合わせることで抑えることが可能です。
玉ねぎに含まれるアリシンについては、こちらの記事で詳しくご紹介していますので、ぜひご覧ください◎
おならの臭いを抑えるための食事の工夫
おならの臭いを抑えるためには、食事の内容に工夫をすることが有効です。たとえば、動物性たんぱく質や高脂肪食品は、腸内細菌によって分解される際に硫化水素などの臭い成分が発生しやすくなります。
一方、基本的に食物繊維から発生するガス(おなら)はあまり臭いがしません。おならの臭いが気になるようであれば、食物繊維を含む食品の摂取を増やしたり動物性食品に偏らない食事を意識したりすることがおすすめです。
また、玉ねぎやニラ、にんにくなど硫化アリルを多く含む食品を控えることも一つの方法でしょう。さらに、ヨーグルトや乳酸菌飲料などの発酵食品には、腸内細菌のバランスを整える働きがあります。これらを積極的に摂取し、腸内環境を改善することで、おならの臭いを抑えることが可能です。
以下の記事では、玉ねぎを活用したおすすめアレンジレシピを紹介しています。毎日の食事に玉ねぎをバランスよく取り入れたい人は、ぜひ参考にしてくださいね◎
まとめ
今回は、玉ねぎを食べた後におならが増える理由と、その臭いについて解説しました。
玉ねぎを食べると、「食物繊維」と「フラクトオリゴ糖」という成分によってガスが発生し、おならがよく出るようになります。また、玉ねぎに含まれる硫化アリルは、おならの臭いの元となります。
おならの回数や臭いを抑えるためには、玉ねぎや動物性たんぱく質、高脂肪食品の食べ過ぎに注意し、バランスの良い食事を心掛けることが大切です。また、腸内環境を整えるヨーグルトや乳酸菌飲料などの発酵食品を積極的に摂ることも、おならの臭いを防ぐ方法として有効です。
どんな食材も食べ過ぎに注意し、バランスよく健康的な食生活を送ることで、おならの回数や臭いを抑えることにつながりますよ◎
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いちご王国の首都、真岡市を含む栃木県の南東部を管轄する農協がJAはが野。
イチゴはもちろん、メロンや梨といったフルーツや、なす、ニラ、トマトなどの野菜の生産も盛ん!豊富に降り注ぐ太陽光ときれいな水、肥沃な大地、そして昼夜の寒暖差の大きな内陸型の気が農作物を鍛え、おいしく育みます。これらに加え、首都圏に近いことから、新鮮な果物や野菜をいち早く大消費地にお届けできることも特徴です。
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とはいえ、化学肥料を減らすと、収入減少の怖さがあり、生産者にとって大きな負担を強いる可能性があります。そこでJAはが野では、バイオスティミュラントという新しい農業資材に着目し、生産者の負担を軽減する、新しい栽培方法の開発に挑戦しています。
【引用元】バイオスティミュラント 活用による 脱炭素地域づくり協議会
特に、栽培過程で生じる「ゴミ」である食品残渣からバイオスティミュラントを生産することで、「食品から食品」を生む環境負荷の低い栽培を実現し、気候変動に負けない、持続可能な産地を目指しています。
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