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美味しいけど血糖値は?桃のGI値と血糖値に与える影響を解説

美味しいけど血糖値は?桃のGI値と血糖値に与える影響を解説

桃は夏に旬を迎える果物で、その甘さとジューシーさから多くの人々に愛されています。しかし、健康やダイエットをしている場合、「血糖値は大丈夫?」と気になる人も多いはず。 そこで、この記事では桃のGI値と血糖値に与える影響について詳しく解説します。さらに、桃の摂取方法や注意点についても合わせて紹介するので、旬の桃をめいっぱい楽しみながら健康を目指したい人はぜひ参考にしてください◎

桃の基本情報

まずは、桃に含まれる栄養素や糖質の基本情報から見ていきましょう。

桃の栄養成分と効用

桃はその甘さから糖分が多い印象を持つかもしれませんが、桃1個(約250g)あたりの糖分は約19gと、意外にも抑えられています。また、その他の栄養成分としては、ビタミンCやビタミンEが豊富で、これらは強い抗酸化作用を持ち、老化防止や免疫力向上などに役立ちます。

また、桃に含まれるカリウムが体内の余分なナトリウムを排出し、血圧を下げる効果が期待できます。さらに、食物繊維も豊富で腸内環境を整える効果もあります。

以下に、桃の主な栄養成分を表にまとめます。

栄養素 桃1個(約250g)あたり
エネルギー 81kcal
タンパク質 1.3g
脂質 0.2g
糖質 17.9g
食物繊維 2.8g
カリウム 383mg
ビタミンC 17mg
ビタミンE(α−トコフェロール) 1.5mg

桃の甘さを楽しみながら、これらの栄養成分を摂取することで、健康的な生活をサポートすることが可能です。

桃の特徴的な糖質構成

桃は甘く美味しいフルーツですが、その甘さは主に糖質から来ています。桃の糖質は、成熟するにつれてデンプンが減少し、果糖、ブドウ糖、ショ糖が増加します。

  • 果糖:果実の甘さを担う成分。吸収後は直接的な血糖値上昇には関与せず、インスリン不要の経路をたどります。
  • ブドウ糖:血液中のブドウ糖の量が血糖値。体内のインスリンはブドウ糖を細胞に取り込み、エネルギー源とします。
  • ショ糖:ブドウ糖+果糖から成る二糖類。砂糖の主成分。

桃を食べる際は、これらの糖質が含まれることを理解し、血糖値への影響を踏まえた上で、食べ過ぎないよう注意することが大切です。

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血糖値が上がるメカニズム

血糖値が上がるメカニズムは、食べ物の中の糖分が消化されてブドウ糖となり、血液中に取り込まれることから始まります。ブドウ糖は食事によって増え、これを感知した膵臓からインスリンが分泌されます。このインスリンの働きによって、ブドウ糖は肝臓や筋肉、脂肪組織などの細胞に取り込まれ、血糖値が元の状態に戻ります。

しかし、インスリンの分泌が少ない、分泌のタイミングが遅い、インスリンの作用が低下すると、体内での血糖の処理がうまくいかず、血糖値が持続的に高い状態になります。この状態が続くと糖尿病となる可能性があります。

桃の糖質は成熟するにつれて、ブドウ糖と果糖が増加します。これらの単糖類は体内で速やかに吸収され、血糖値を上昇させます。ただし、桃に含まれる水溶性食物繊維は小腸での糖質の吸収を遅らせる作用があり、血糖値の急激な上昇を抑制します。

2024年産地別の桃人気ランキング

※2024年5~8月までのデータ
※JAふくしま未来・JAフルーツ山梨・JA新潟かがやき・JAさがえ西村山の桃の売上データ

桃のGI値と血糖値への影響

ここからは、桃のGI値と血糖値への影響について見ていきましょう。

桃のGI値

GI値とは、食品が血糖値に与える影響を数値化したもので、正式にはグリセミックインデックスと呼ばれます。各食品とブドウ糖(GI値100を基準とする)と比較した時の血糖値の上昇度を示します。GI値が高い食品は血糖値が急激に上昇しやすく、逆にGI値が低い食品は血糖値の上昇が緩やかになります。

例えば、下記の表を参照してみてください。

食品名 GI値
コーンフレーク 81
米飯(精白米) 77
ドーナツ 76
精白パン 74
フレンチフライ 70
バナナ 51
かき 50
ぶどう 50
42

桃のGI値は42と、果物の中でも比較的低い部類に入ります。このことから、桃は血糖値の上昇を緩やかにする食品であるといえるでしょう。

桃が血糖値に与える影響

桃の血糖値への影響は、主に含まれる糖質の種類とGI値によるものです。桃に含まれる糖質は主にブドウ糖と果糖ですが、中でもブドウ糖は消化吸収が速く、血糖値を上昇させやすい性質があります。

しかしながら、糖質の中でも果糖を多く含む桃のGI値は低く、血糖値の急激な上昇を抑える効果があります。ただし、食べ過ぎると糖質の過剰摂取につながる可能性もあるため、適度な摂取が重要となります。

血糖値を上昇させない桃の摂り方

ここからは、血糖値を上昇させない桃の摂り方について見ていきましょう。

バランスの良い食事と組み合わせる

桃には糖質が含まれているものの、食物繊維も豊富で血糖値の急上昇を抑制する効果があります。しかし、それでも一度に大量に食べると血糖値が上がる可能性があります。適量摂取を心がけるとともに、主食・主菜・副菜の揃った栄養バランスのよい食事と組み合わせて食べることを意識しましょう。

摂取量とタイミング

桃の大きさにもよりますが、血糖値が気になる方は1日1/2〜1個程度を目安に食べましょう。摂取タイミングは3食(朝・昼・夕)のいずれか、または間食で適宜摂取します。ただし夜遅い時間帯に摂取すると、夜間の高血糖から中性脂肪の増加を招き、肥満に繋がる可能性も否定できません。なるべく早い時間に摂取するのがおすすめです。

まとめ

今回は、人気の果物である桃の血糖値への影響と、糖尿病予防に有効な摂り方について詳しく解説してきました。

具体的には、桃のGI値とその糖質構成を理解し、適切な摂取方法を学びました。また、糖尿病予防の観点から、桃だけでなく他の果物も血糖値上昇に注意しながら摂取することの重要性を学んだと思います。果物は糖分も含まれますが、それと同時にビタミンやミネラル、食物繊維など体に有益な栄養素も豊富に含まれています。

健康的な生活を送るためには、適量を心掛けつつ、バランスよく果物を摂取することが大切です◎

また、桃の栄養成分やカロリーについては、こちらの記事でもご紹介していますので、ぜひご覧ください!

【管理栄養士監修】桃の栄養や効能とは?効果的な食べ方や食べ過ぎの目安も解説!

桃はダイエットに適している?その効果と適切な食べ方を専門家が解説!

美味しいだけじゃない!「桃」のカロリーと糖質を知って、健康に貢献

参考サイト

日本食品標準成分表2020年版(八訂):文部科学省

Kentaro Murakami, Satoshi Sasaki, Yoshiko Takahashi, Hitomi Okubo, Yoko Hosoi, Hyogo Horiguchi, Etsuko Oguma.Fujio Kayama.June 2006 American Journal of Clinical Nutrition 83(5):1161-9「Dietary glycemic index and load in relation in Japanese female farmers with traditional dietary habits」

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鈴木 亜子

鈴木 亜子 Suzuki Ako

管理栄養士

大学卒業後、主に医療機関に勤務。チーム医療の一端を担い、生活習慣病などさまざまな疾患の栄養管理に取り組む。得意分野は糖尿病で、療養指導や透析予防、重症化予防などを担当した経験も。現在は豊富な栄養相談経験を活かし、ウェルネス関連の記事執筆および監修に携わる。

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