メロンに含まれる栄養素と効能
メロンには糖質やビタミンC、カリウム、葉酸など、人体に欠かせない栄養素のほか品種によってはβ−カロテンも多く含まれています。
ここではメロンを食べることで摂取できる主な栄養素や、その働きについて詳しく見ていきましょう。
メロンは品種によって栽培方法が異なる場合も多く「ガラス温室メロン」「ビニールハウスメロン」「露地メロン」の3タイプに分類されます。
日本食品標準成分表2020年版(八訂)では「温室メロン」と「露路メロン」の栄養成分を掲載していますので、こちらを元にご紹介します。
体を動かすエネルギー源となる「糖質」
糖質はたんぱく質、脂質とともに私たちが活動するためのエネルギーとなる栄養素です。
糖質が不足すると集中力がなくなったり疲れやすくなったりするなどの悪影響が出てしまいます。
一方摂りすぎてしまうと脂肪として蓄えられ、肥満や生活習慣病などを引き起こす恐れがあります。
メロンの糖質量はそこまで多くはありません。キウイフルーツやうんしゅうみかんと同じくらいの糖質量だといえそうですね。
状態など | 糖質 | |
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温室メロン | 生 | 9.6g |
露路メロン | 緑肉種/生 | 9.5g |
露路メロン | 赤肉種/生 | 9.5g |
バナナ | 生 | 21.1g |
りんご | 皮なし/生 | 12.4g |
キウイフルーツ | 緑肉種/生 | 9.6g |
うんしゅうみかん | 生 | 9.2g |
いちご | 生 | 6.1g |
コラーゲンをつくる「ビタミンC」
ビタミンCは、皮膚や軟骨などを構成するたんぱく質「コラーゲン」をつくるのに欠かせないビタミンです。ビタミンCが欠乏してコラーゲン合成ができなくなると、血管がもろくなり出血しやすくなったり肌のハリや弾力が失われたりします。
またビタミンCは、体内に増えすぎると老化を引き起こす「活性酸素」の働きを抑えたり取り除いたりする「抗酸化ビタミン」としても働いています。
その他、鉄の吸収を高めるなど体内でさまざまな働きを担っています。
状態など | ビタミンC | |
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温室メロン | 生 | 18mg |
露路メロン | 緑肉種/生 | 25mg |
露路メロン | 赤肉種/生 | 25mg |
バナナ | 生 | 16mg |
りんご | 皮なし/生 | 4mg |
キウイフルーツ | 緑肉種/生 | 71mg |
うんしゅうみかん | 生 | 32mg |
いちご | 生 | 62mg |
細胞の増殖・造血に欠かせない「葉酸」
ビタミンB群の一種である葉酸は、たんぱく質やDNA・RNAの合成の合成に関与している栄養素です。細胞の分裂・増殖と深く関係するため、体の発育には欠かせません。
特に胎児の正常な発育に不可欠な栄養素であるため、妊娠を希望する方や胎児の細胞増殖が盛んな妊娠初期の方では積極的な摂取が推奨されています。
葉酸が不足すると動脈硬化を進める要因となったり、未熟な赤血球がつくられることで起こる「巨赤芽球性貧血」を引き起こしたりすることが明らかとなっています。
状態など | 葉酸 | |
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温室メロン | 生 | 32μg |
露路メロン | 緑肉種/生 | 24μg |
露路メロン | 赤肉種/生 | 24μg |
バナナ | 生 | 26μg |
りんご | 皮なし/生 | 2μg |
キウイフルーツ | 緑肉種/生 | 37μg |
うんしゅうみかん | 生 | 23μg |
いちご | 生 | 90μg |
塩分(ナトリウム)の摂りすぎに役立つ「カリウム」
体の調子を整えることに役立つ「ミネラル」の一種がカリウム。カリウムは、同じくミネラルの一つであるナトリウムとともに、体内の浸透圧を正常に保つよう働いています。
また、カリウムは体内に増えすぎてしまったナトリウムを体の外へ排出してくれる作用があります。ナトリウムは主に食塩として摂取され、摂りすぎると高血圧の原因となることが知られている栄養素です。そのため高血圧の予防・改善には、ナトリウム制限(食塩制限)に加えカリウムを十分摂取することも重要であると言われています。
その他カリウムは神経伝達や筋肉の収縮にも関わっています。
状態など | カリウム | |
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温室メロン | 生 | 350mg |
露路メロン | 緑肉種/生 | 350mg |
露路メロン | 赤肉種/生 | 360mg |
バナナ | 生 | 360mg |
りんご | 皮なし/生 | 120mg |
キウイフルーツ | 緑肉種/生 | 300mg |
うんしゅうみかん | 生 | 150mg |
いちご | 生 | 170mg |
体内でビタミンAに変換される「β−カロテン」
β−カロテンは、体内でビタミンAにつくり変えられる「プロビタミンA」と呼ばれる物質です。食品から摂取されたβ−カロテンは、体内で必要な分だけビタミンAにつくり変えられます。
また、黄色〜赤色を呈する天然色素「カロテノイド」の一種でもあるβ−カロテンには、活性酸素を除去する抗酸化作用があります。抗酸化作用のある物質を摂取することは、体を若々しく保つことに役立つ可能性があるでしょう。
β−カロテンは黄色〜赤色の色素なので、果肉がオレンジ色のメロンはβ−カロテンの含有量が多くなっていますね。
状態など | β−カロテン | |
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温室メロン | 生 | 32μg |
露路メロン | 緑肉種/生 | 140μg |
露路メロン | 赤肉種/生 | 3600μg |
バナナ | 生 | 42μg |
りんご | 皮なし/生 | 12μg |
キウイフルーツ | 緑肉種/生 | 53μg |
うんしゅうみかん | 生 | 180μg |
いちご | 生 | 17μg |
メロンは1日何個まで?どこからが食べ過ぎ?
さまざまな栄養成分が含まれるメロン、たくさん食べて健康に役立てたいですよね。しかし、食べすぎも良くないのではと気になっている方も多いでしょう。
ここでは、メロンの適切な摂取量と食べすぎた場合の影響などについて見ていきましょう。
2024年メロンランキング
※2024年6~8月のデータ1日に食べるメロンの目安
農林水産省「食事バランスガイド」によると、果物の摂取目安量は1日当たり200g(可食部)程度です。この量は一般的なメロン1/4個程度に相当します。
メロンを丸ごと1個食べることはないにしても、1日に1/2個程度食べてしまうメロン好きの方もいらっしゃるかもしれません。メロンを食べすぎた場合の影響はこのあとお伝えしますが、健康的に食べるなら1/4個を目安にしてみてくださいね。
食べすぎると・・・?!
メロンにはビタミンやミネラルなどが含まれていますが、糖質も多く含まれています。よく食べる果物と比較しても特別多いわけではありませんが、食べすぎるとエネルギー(カロリー)の摂りすぎにつながり肥満や生活習慣病を引き起こしかねません。
健康のためには、適量を目安に食べすぎないようにすることが大切です。
メロンの健康効果を最大限に活かす!調理のNG
メロンに含まれる栄養素を健康に役立てたいなら食べすぎないように注意すべきですが、他にも押さえておきたいポイントがあります。それは、メロンは人によってはアレルギーを起こしやすい果物であるという点です。
果物を食べることによって起こるアレルギーの一つに「口腔アレルギー症候群」があります。口腔アレルギー症候群では、原因となる果物を食べると「喉の詰まり」や「口の中のイガイガ」といった症状が現れます。通常は食後しばらくすると改善することが多いのですが、場合によってはショック症状など重い症状が現れることもあるため注意が必要です。
メロンも口腔アレルギー症候群を起こしやすい果物の一つ。特にイネ科植物の花粉症がある方は、メロンのアレルギーを起こしやすいともいわれています。メロンを食べた後、通常とは違う反応が体に現れた場合は、念のため早めに受診しましょう。
まとめ|メロンはこんな人におすすめの果物!
メロンには糖質やビタミンC、葉酸、カリウムなどの栄養素が含まれる他、品種によってはβ−カロテンも多く含まれています。メロンを適量摂取することで、生活習慣病対策や体を若々しく保つことに役立つ可能性があります。
食べすぎのほかアレルギーなどにも注意しつつ、メロンを美味しく味わってくださいね。
【参考サイト】