バナナに含まれる栄養素と効能
バナナには人体に欠かせない糖質やたんぱく質をはじめ、ビタミンやミネラルなどさまざまな栄養素が含まれています。その他、腸内環境を良好に保つ「オリゴ糖」などを含んでいることも分かっています。
ここではバナナを食べることで摂取できる主な栄養素をご紹介します。
体を動かすエネルギーとなる「糖質」
食品に含まれる栄養素のうち、エネルギー(カロリー)をつくり出す「エネルギー産生栄養素」の一つが糖質です。エネルギー産生栄養素には糖質のほか、たんぱく質と脂質の3つの栄養素が該当します。
糖質は生命維持に欠かせない栄養素です。しかし摂取した糖質をエネルギーとして使いきれなかった場合、つまり摂りすぎた場合は脂肪として蓄えられ、肥満や生活習慣病などを引き起こす恐れがあります。
一方、不足すると集中力がなくなったり疲労感が出現したりといった症状が現れるほか、脳や神経で不足が起こると意識障害に至ることもあるため、適切に摂取すべき栄養素です。
食品では穀物類や果実類などに多く含まれています。
筋肉やホルモンのもととなる「たんぱく質」
たんぱく質もエネルギー産生栄養素の一つです。主に筋肉や皮膚、毛髪を構成したりホルモンや抗体の成分となったりするなど、体にとって重要な役割を担っています。そのため不足すると筋力の低下や免疫機能の低下などが生じることがあります。
たんぱく質を多く含む食品は肉類や魚類、豆類、卵類などです。
アミノ酸の代謝に欠かせないビタミンB6
ビタミンB6は「ビタミンB群」の一つです。水に溶けやすい「水溶性ビタミン」で、体内のさまざまな機能に関わる「酵素」を補助する働きをしています。
特にたんぱく質を構成している「アミノ酸」の代謝に関与しているため、たんぱく質の摂取量が多い場合はビタミンB6の需要も高まります。またたんぱく質の代謝に関わることから、皮膚や粘膜の健康維持にも役立つ栄養素です。
ビタミンB6は野菜類や肉類、魚類に多く含まれています。
塩分(ナトリウム)の摂りすぎに役立つカリウム
カリウムは「ミネラル」の一種です。多くが細胞内に存在し、細胞外に存在する「ナトリウム」とともに浸透圧を調整するほか、神経伝達や筋肉収縮に関わっています。
また、カリウムは体内のナトリウムが増えすぎると、尿と一緒に体の外へ排出してくれる作用があります。ナトリウムは主に食塩として摂取されるため、カリウムは塩分の摂りすぎを調節してくれる栄養素であると言えるでしょう。
カリウムは野菜類や果実類、海藻類などに多く含まれています。
骨の健康を維持に欠かせないマグネシウム
ミネラルの一種であるマグネシウムは、体の機能維持に必要な物質の合成を助けたり、骨の健康を保ったりする作用があります。また体温や血圧の調節、神経伝達などにも関わっています。
骨の健康といえばカルシウムですが、マグネシウムも重要な役割を担っているのですね。
マグネシウムは魚介類や種実類(ナッツ)、大豆製品などに多く含まれています。
【比較表あり!】他の果物と比べてバナナの栄養は?
バナナには私たちに必要な栄養素が含まれていますが、他の果物と比べるとどうなのでしょうか。
主に含まれている栄養素について、他の果物と比較してみましょう。
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※2024年8月のデータ糖質について
バナナとその他の果物の100g当たりの糖質含有量は以下のとおりです。
状態など | 糖質 | |
---|---|---|
バナナ | 生 | 19.4g |
りんご | 皮なし/生 | 12.4g |
キウイフルーツ | 緑肉種/生 | 9.6g |
うんしゅうみかん | 生 | 9.2g |
いちご | 生 | 6.1g |
他の果物と比べて100g当たりの糖質含有量は高く、エネルギーを効率良く得られる果物であると言えますね。
たんぱく質について
バナナとその他の果物の100g当たりのたんぱく質含有量は以下のとおりです。
状態など | たんぱく質 | |
---|---|---|
バナナ | 生 | 1.1g |
キウイフルーツ | 緑肉種/生 | 1.0g |
いちご | 生 | 0.9g |
うんしゅうみかん | 生 | 0.7g |
りんご | 皮なし/生 | 0.1g |
よく食べられる果物の中でも、バナナのたんぱく質含有量は高めです。たんぱく質をしっかりとっておきたい方は肉や魚、卵などから摂取した上でバナナを補助的に利用するのもおすすめです。
ビタミンB6について
バナナとその他の果物の100g当たりのビタミンB6含有量は以下のとおりです。
状態など | ビタミンB6 | |
---|---|---|
バナナ | 生 | 0.38mg |
キウイフルーツ | 緑肉種/生 | 0.11mg |
うんしゅうみかん | 生 | 0.06mg |
りんご | 皮なし/生 | 0.04mg |
いちご | 生 | 0.04mg |
ビタミンB6はたんぱく質の代謝に関わる栄養素であるため、やはりたんぱく質の摂取量が多い方はバナナを活用すると良さそうですね。
カリウムについて
バナナとその他の果物の100g当たりのカリウム含有量は以下のとおりです。
状態など | カリウム | |
---|---|---|
バナナ | 生 | 360mg |
キウイフルーツ | 緑肉種/生 | 300mg |
いちご | 生 | 170mg |
うんしゅうみかん | 生 | 150mg |
りんご | 皮なし/生 | 120mg |
塩分の摂りすぎが気になる方は、バナナでカリウムを補給できますね。
ただし腎機能が低下している方は、カリウムの摂取制限が必要な場合があります。治療中の方は主治医の指示に従い、カリウムの摂取量を調整しましょう。
マグネシウムについて
バナナとその他の果物の100g当たりのマグネシウム含有量は以下のとおりです。
状態など | マグネシウム | |
---|---|---|
バナナ | 生 | 32mg |
キウイフルーツ | 緑肉種/生 | 14mg |
いちご | 生 | 13mg |
うんしゅうみかん | 生 | 11mg |
りんご | 皮なし/生 | 3mg |
骨の健康に気を配りたい方は、カルシウムを多く含む食品とともにバナナを摂取してマグネシウムを補いましょう。
バナナは1日何本まで?どこからが食べ過ぎ?
バナナには十分摂取したい栄養素が含まれていますが、だからといって食べすぎは良くありません。
バナナに限らず果物は糖質やビタミンなどの補給に役立ちます。しかし摂りすぎてしまうと脂肪の蓄積から肥満を生じ、さらには生活習慣病をも引き起こしかねません。
農林水産省「食事バランスガイド」では果物の摂取目安量を1日当たり200g程度としています。大きさにもよりますが、バナナは1日に1〜2本程度が適量であると言えるでしょう。
バナナの健康効果を最大限に活かす!調理のNG
せっかくならバナナの栄養を最大限に取り入れたいものですよね。どのような食べ方がより効率的なのでしょうか。
食べ方①朝に食べる
手軽に食べられるうえ、エネルギー源となる糖質が多く含まれているバナナは朝食におすすめの食品であると言えます。
前日夕食をしっかり食べたとはいえ、起床後の体はエネルギー不足。エネルギーが不足すると集中力を欠いたりだるさを感じたりするため、朝食を取らないと元気に過ごせません。
ご飯とおかずをしっかりと用意してバランス良く食べるのが理想ですが、忙しい朝はなかなか難しいですよね。そのようなときでも手軽に食べられるバナナを活用して、朝からしっかりとエネルギーをチャージしましょう。
食べ方②食べ過ぎない
バナナの大きな特徴はエネルギー源になる糖質を多く含むこと。糖質は体にとって欠かせない栄養素ですが、摂りすぎて使いきれなかった場合は脂肪として蓄えられてしまうのです。
蓄えられた脂肪が積もり積もると、肥満や生活習慣病などを引き起こす可能性もあります。適量は1日1〜2本であることを意識して、食べ過ぎに注意しましょう。
食べ方③カリウムを摂りたいならドライフルーツも
生のバナナよりもドライバナナを食べることでカリウムがより多く摂取できます。
バナナには食塩の摂りすぎに役立つカリウムが多く含まれています。バナナのカリウム含有量は100g当たり360mgですが、ドライバナナは100g当たり1,300mgです。
ドライフルーツは水分が取り除かれている分1食当たりに食べる量は少なく、実際にこの量のカリウムを摂取するのは難しいと考えられます。
しかし、より効率的にカリウムを摂取したい場合にはおすすめの食品であると言えるでしょう。
まとめ|バナナはこんな人におすすめの果物!
糖質、たんぱく質、ビタミンB6、カリウム、マグネシウムなどの栄養素が含まれてい流バナナは、以下のような方におすすめの果物であると言えます。
- 素早くエネルギーを取り入れたい状況にある
- 筋肉をつけるためにたんぱく質を補いたい
- 塩分の摂りすぎが気になる
- 骨を健康に保ちたい
食べ過ぎに注意しつつ、バナナを健康づくりに役立ててくださいね。
【参考サイト】