旬の栗の魅力
栗の魅力は素朴な甘さと、風味が豊かなところ。食感も良く、引き締まった実が柔らかすぎず歯ごたえもあります。そして栗は美味しいだけではなく、栄養も豊富です。栗にはビタミンやミネラルが豊富に含まれています。
栗の旬はいつ?
栗の旬は9月から10月頃です。品種によっては8月に旬を迎えるものもあります。
スーパーに出回るのは9月から10月まで
栗の旬と同じ時期にスーパーでも9月から10月頃まで販売されています。スーパーで売られている栗はイガから出された状態で、ネットや袋に入れられていることがほとんどです。価格は安いもので500gで500円前後です。
早生品種の特長と時期
森早生・もりわせ(8月末から9月上旬)
森早生は早生種の中でも極早生の品種。豊多摩早生と日本栗系朝鮮在来種。肉質が良く甘みは程々です。この時期に出荷される品種が少なく、価格が高くなりがちです。粒はやや小粒です。
丹沢・たんざわ(9月上旬から9月下旬)
乙宗×大正早生の交雑実性より育成された品種。早生栗の中でも代表品種です。生食、加工用としても用いられています。ツヤは少ないのですが、甘みがあって食味が良い特徴があります。実は大きめです。
人丸・ひとまる(9月中旬から9月下旬)
綺麗な実でツヤがあり、見た目が美しい品種。味も良く甘みが強いのですが、貯蔵性はあまり良くない特徴があります。
ぽろたん(9月中旬から9月下旬)
栗の中でも1粒が30g前後もある大きな実が特徴です。渋皮がとても剝きやすく、加熱すると綺麗に剥くことができます。果肉は黄色く粉質で甘みがあります。
中生品種の特長と時期
筑波・つくば(9月下旬から10月上旬)
岸根×芳養玉の交雑実性。粉質で甘みが強く、香気があります。平均的に実が大きく、色は淡黄色。肉質は極めて良好です。
銀寄・ぎんよせ(9月下旬から10月上旬)
丹波栗の代表的な品種。寛政の大干ばつのころ、多大な利益を出したことから銀寄と名付けられました。果実は粉質で甘みが強く、風味豊かな品種です。品質は良好で色は淡黄色。上質な和菓子や京料理にも使われています。
晩生品種の特長と時期
石鎚・いしづち(10月上旬から10月中旬)
岸根×笠原早生の交雑実性。貯蔵性が良く、品質が良い。扁円で粒は大きく、果肉は淡黄白色です。やや粉質ですが煮崩れしないこともあり、加工用として適した品種です。
岸根・がんね(10月中旬から10月下旬)
石鎚と並ぶ代表的な晩生種。貯蔵性が高く、1粒30~40gもあり、実が大きくなる傾向があります。実は粉質で味は甘く、まろやかな特徴があります。見た目は薄黒くツヤは見られません。香りが優れています。
人気の品種と旬【産地別】
日本の栗の出荷ランキングは、1位が茨城県、2位熊本県、3位愛媛県です。
人気ランキング
※2024年8月のデータ茨城県
茨城県は栽培面積と出荷量ともに全国で栗の生産1位を誇る地域です。茨城県での栗の栽培は明治30年ごろから始まったとされています。茨城県の中でも栗の生産で有名な地域は、笠間市、かすみがうら市、石岡市などです。
茨城県の代表品種は、丹沢・ぽろたん・利平(りへい)、筑波(つくば)・銀寄(ぎんよせ)・石鎚(いしづち)・岸根(がんね)です。ちなみに、栗で有名な長野県の小布施ですが。長野県の栗生産量ランキングでは7位となっています。
熊本県
生産量第2位の熊本県の中でも栗の生産で有名な地域は、山鹿市です。山鹿市で栗の栽培が盛んになったのは、昭和36年の果樹振興法がきっかけでした。栽培されている品種は、丹沢・筑波・銀寄・利平・ぽろたんなどです。
愛媛県
生産量第3位の愛媛県で生産されている品種は、銀寄・大峰・筑波・石鎚・岸根です。栗の有名ブランドは丹波栗ですが、愛媛県の中山栗も丹波繰りに並ぶほど高い人気があります。愛媛県の中でも有名な産地は、大洲市・伊予市・城川町です。栗の産地となる中山産地は、昼夜の温度差や降雨量、地質や気候も栗の育成に適していて、大粒で上品な甘さがある栗が栽培されています。
まとめ|結局、いつ食べるのが一番美味しい?
栗が一番美味しい時期は9月から10月にかけてですが、最近は収穫してから約1ヶ月程度低温貯蔵された熟成栗も人気なので、10月以降も甘くて美味しい栗が楽しめます。栗はスイーツや栗ご飯なので1年中食べられていますが、ぜひ旬の時期に生の栗を食べてくださいね。