ハモグリバエ
ハモグリバエ類にはナモグリバエやマメハモグリバエといった種類があります。どの種も体長は3㎜以下の小さな虫で、葉の内部に生息します。
4月や8~9月に多く見られます。葉の中を食べ進むため、食害を受けた葉には白いペンで書いたような跡がつきます。
予防・対処法
周囲の葉に被害が広がるのを防ぐため、食害された葉は見つけ次第取り除きましょう。葉を挟むようにして指で潰すだけでも対処は可能です。
アザミウマ
1mmほどの虫で幼虫は白っぽく、成虫は褐色です。春から秋にかけて見られ、夏に多く発生します。
葉から汁を吸うので、白い斑点ができたり、葉が縮れたりします。また、吸い口からウイルスを媒介し、株そのものに病害が発生することもあります。
予防・対処法
成虫が産卵しに来るのを防ぐために、防虫ネットをかけておきましょう。アザミウマが発生しやすいネギ、トマト、ナスなどの野菜とは距離をおいて栽培した方良いです。
発生してしまった場合には、主に薬剤を散布し対処しますが、成虫になっても地面近くにいることが多いため、農薬や天敵による効果が上がりにくいと言われているので、しっかり予防することが大切です。マルチを張ることで飛来と蛹化の対策になります。
発生圃場では栽培終了後に必ず蒸し込み処理をし、外への拡散防止に努めましょう。
アブラムシ
体長が1mm~2mmほどの小さな虫です。一年を通して発生します。葉から汁を吸うため、虫食いの穴は空きませんが、葉全体が萎縮するような症状があらわれます。
短期間で急速に増殖することがあるので、発生状況をこまめに確認しましょう。また、モザイク病を媒介するため、きちんと予防することが重要です。
防除方法
飛来を防ぐために防虫ネットをかけましょう。アブラムシが通れないくらい目の細かいものを選ぶようにします。
アブラムシを捕殺する際にはテープや歯ブラシなどが便利ですが、アブラムシは体が小さく数が多いため、完全に捕りきるのは困難です。被害が広がってしまった場合には葉ごと処分するか、薬剤を散布しましょう。
ネギコガ
ネギコガは蛾の仲間で、幼虫が植え付け後の時期に葉の内部に入り込んで食害し、白い筋を残します。被害が進むと、葉の内部に黒い糞が残っているのが見えることがあります。
先述のネギハモグリバエと似ているため、見分けるには葉から幼虫を取り出して観察する必要があります。
防除方法
幼虫はサイズが小さいので、防虫ネットなどで防除するのが難しいです。そのため、生育中にこまめに葉をチェックして見つけ次第捕殺するようにしましょう。幼虫だけでなく、さなぎを取り除くと、成虫に卵を産み付けられることが少なくなり、次年度以降の被害を押さえることにつながります。
また、幼虫が葉に侵入してしまってからでは殺虫効果が減少するため、薬剤での防除を行う場合は、幼虫がふ化する前後の時期を狙いましょう。
ネキリムシ
ネキリムシとは、カブラヤガの幼虫のことで、典型的なイモムシの姿をしています。
茎が完全に噛み切られることもあり、大きな被害をもたらす害虫です。
防除方法
ネキリムシは日中は地中に潜み、夜間に活動します。地表近くにいる場合が多いため、地面近くの葉が食害されてる場合や、茎が切られている場合には、株の付近の地面を掘ってみると見つかることがあるので、発見したら駆除するようにしましょう。
寒冷紗や防虫ネットをかけて成虫の飛来や産卵を予防します。ネキリムシの成虫であるカブラヤガは雑草にも産卵するため、圃場の周囲の雑草は丁寧に抜くと良いでしょう。
おわりに
今回は、葉ネギがかかりやすい害虫とその対処法をご紹介しました。もし害虫が発生してしまった場合には、葉ネギ栽培を続けるために、農薬の力を借りる必要がある場合も考えられます。 本サイトの農薬データベースの対象農作物に「ねぎ」、適用病害虫に病気の名前を入力すると、病気に有効な農薬の情報を検索できます。
様々な料理の薬味として欠かせない葉ネギは、自分で育ててみると、様々な場面でその味わいを楽しむことができます。ぜひ、記事を参考にして美味しい葉ネギ栽培に挑戦してみてください。葉ネギの栽培方法についてはこちらの記事をご覧ください。
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