日本一のセロリ産地は?生産量推移
日本一のセロリの産地は、長野県です。
農林水産省の調査によると、令和3年度のセロリの国内での生産量は、30,000トンとなっています。前年度と比較しても大きな変化はありませんが、統計開始直後の平成24年度と比べると、作付面積、生産量共に減少傾向にあるようです。
セロリは徹底した温度、湿度管理が必要な野菜で、病気にもなりやすく、栽培が難しいといわれています。そのため、新規参入する農家が少なく、生産量が減少しつつあるのかもしれません。
美味しいセロリが育つ条件とは?
育てるのが難しいセロリですが、国内では栽培技術の向上により美味しいセロリが多く栽培されています。
では、美味しいセロリが育つには、どのような条件が必要なのでしょうか。2つ解説します!
条件①冷涼な気候
美味しいセロリが育つ条件1つ目は、冷涼な気候です。
セロリ栽培に適している気温は、15度~20度程度だといわれています。そのため、夏は涼しい高原地帯、冬は温かい場所で栽培されているようです。
条件②適度な水分を含んだ土壌
美味しいセロリが育つ条件2つ目は、適度な水分を含んだ土壌です。
セロリは、乾燥しきった場所だと上手く成長しません。更に、地上の酸素を根に取り込む性質を持っているため、水分量が多い土壌でも問題なく呼吸ができるといわれています。
とはいえ、多湿な状況が続いてしまうと病害虫が発生しやすいそうです。土壌に適度な水分がありつつ、収穫直前期に雨が少ない気候だとセロリの栽培に適しているといえるでしょう。
あの地域がなぜ?セロリの名産地の秘密に迫る!
では、国内におけるセロリの名産地はどこなのでしょうか。
ここからは、セロリの名産地と、なぜ美味しいセロリが栽培されているのかの秘密に迫ります。
【1位】長野県のセロリ栽培の特長
セロリの生産量国内第一位は、長野県です。長野県におけるセロリの旬の時期は、7月から9月半ば頃。諏訪地域を中心に、主に夏セロリが栽培されています。
先ほどお伝えした通り、セロリは冷涼な気候と適度な水分を含んだ土壌を好みます。更に収穫期に雨が少ないなどといった条件も必要です。長野県の諏訪地域は、日本屈指の高原地帯。まさにこれらの条件を全て満たしており、美味しいセロリが栽培されているのです。
また、長野県ではセロリの一大産地らしく、セロリの好む生育環境を徹底的に整えています。温度・湿度管理、土壌の消毒など、その栽培技術の高さも特徴です。
【2位】静岡県のセロリ栽培の特長
セロリの国内生産量第二位は、静岡県です。静岡県におけるセロリの旬の時期は、11月から5月頃。浜松市を中心に、主に冬セロリが栽培されています。
浜松市は冬でも日照時間が長く、セロリが好む15度~20度程度を保つ温暖な気候が特徴です。そのため、冬場でも美味しいセロリが栽培できるといわれています。
筋が少なくて柔らかい浜松の冬セロリ。全国で流通する冬セロリの、約7割を占めているそうです。
静岡県では主に、11月から5月にかけて旬を迎える冬セロリが栽培されています。全国で流通する冬セロリの70%程を占めているのが、静岡県浜松産だそうです。
【3位】福岡県のセロリ栽培の特長
セロリの国内生産量第三位は、福岡県です。西日本最大のセロリの名産地でもあります。福岡県に置けるセロリの旬の時期は、11月下旬から6月頃。筑後地方を中心に、主に春セロリの栽培が盛んです。
セロリは高温や直射日光に当たると、そのみずみずしさが失われてしまいます。そのため福岡県では、太陽が出る前の午前3時から収穫を始めているそうです。収穫直後のセロリは予冷され、新鮮さをキープしたまま出荷されています。私たちが美味しいセロリを食べられるのは、このようなこだわりが理由かもしれませんね。
まとめ
セロリの名産地は、長野県、静岡県、福岡県です。
セロリは冷涼な気候と、適度な水分を含んだ土壌を好みます。そのため、高原地帯の長野県では夏セロリが。冬でも温暖な気候の静岡県、福岡県では冬セロリ、春セロリの栽培が盛んに行われているのです。
シャキッとした食感、みずみずしさ、そして独特の香りが特徴のセロリ。デリケートな野菜で栽培が難しいといわれていますが農家の皆さんの努力と技術力によって、美味しいセロリが栽培されています。ぜひ旬の時期に、フレッシュなセロリを味わってみてくださいね。