日本ワインの産地とその特徴

日本ワインの産地とその特徴

世界中に愛飲家がいるワイン。ワインの産地といえばフランスやイタリアなど、ヨーロッパ地方の国々を想像するひとも多いはずですが、日本でもワインを造る醸造所が各地域にあり、日本ワインの地位が認識されるようになってきました。 今回は日本ワインの産地や特徴・魅力などをご紹介します。

日本ワインの産地

日本では北海道から九州まで、各地でぶどうが栽培されています。主な産地は山梨県、長野県、北海道の3地域で全体の約半数を占めています。日本ワインは他国のワインと比べると、繊細でフルーティーな味わいが特徴です。自然な口当たりで穏やかな味わいに仕上がっています。

山梨県

ぶどうの生産量、ワイン生産量、ワイナリー数、すべてにおいて日本一を誇る山梨県。夏から冬の気温差が多く、降水量が少ないためぶどうの生産・ワイン造り両方において最適な場所といえます。甲州市勝沼町や笛吹市などでぶどう作りが盛んに行われ、日本でも有数のワイナリーも数多くあります。

長野県

長野県はワインの生産量・ワイナリーの数が日本で2番目に多い位置づけです。朝晩の気温差が大きく、降水量も比較的少ないことが生産・製造に向いているとされています。長野県では様々なぶどうの品種が栽培されているため、様々な品種のワインも醸造されています。

北海道

梅雨が訪れない北海道は、一年を通して湿気が少なく昼夜の寒暖差が大きい気候。栽培するぶどうの品種は主に、白ぶどうの品種が適しています。近年では高級赤ワインに用いられている品種のピノ・ノワールも栽培され、他県では類を見ないワインが醸造されていると注目を集めています。

日本ワインの特徴

日本ワインは、北は北海道、南は鹿児島、沖縄までほとんどの地域で造られています。稼働ワイナリー数は2019年時点で300軒を超えており、山梨県、長野県、北海道、山形県、岩手県で8割を占めています。これらの地域は寒暖の差が激しく、ワイン用の糖度が高いブドウ栽培に適しています。

日本ワインと国産ワインの違い

日本ワイン、国産ワイン、この2つは同じ意味のようですが実際は異なります。日本ワインをブランド化して世界へ広めることを目的に、2015年に国税庁がガイドラインを制定しました。

日本ワインは国産ぶどうを100%使用して造られたもの、国産ワインは輸入したぶどうや濃縮果汁を使用し、国内で醸造されたものです。また、特定の地域で生産されたぶどうを85%以上使用していれば、その地域の名前をラベルに記載することができます。

品種

日本でワインの原料とされているぶどうの品種は、白が甲州、赤がマスカット・ベリーAです。2010年に甲州、2013年にマスカット・ベリーAが国際ブドウ・ワイン機構(OIV)にワイン用ぶどうとして登録されたことにより、EUへ輸出するワインのラベルに品種名を記載できるようになりました。

味わい

甲州で醸造されたワインはグレープフルーツ・レモンなど柑橘類のような爽やかな香りと、穏やかな酸味が特徴です。アルコール度が比較的低いので、お酒が苦手な方にもおすすめの品種です。

マスカット・ベリーAで醸造されたワインは、チェリーやベリー系果実の香りと果実味あふれる味わいが特徴的です。

初心者にも飲みやすい!おすすめの日本ワイン

日本食にも合う日本ワイン。日本でのワイン造りは明治時代にはじまったばかりで、世界の歴史とくらべるとまだまだ浅いところではありますが、ワイン愛好家の中でも注目され始めた日本ワイン。日本ワインのおすすめ品種をご紹介します。

山梨県産

ルミエールスパークリング 甲州

海外のコンクールでも受賞数が多い、日本を牽引する老舗ワイナリーで醸造されている銘柄。辛口のスパークリングワインで、シャンパーニュなど本格的なスパークリングワインの製法でも知られる、瓶内二次発酵により自然に生まれる泡を使用しています。きめ細かい泡立ち、柚やかぼすのような和柑橘の清々しい香りが特徴。

山梨県 グレイス甲州

甲州のトップワイナリー「グレイスワイン」の代表格ともいえるワインの一つ。ほどよい甘さとすっきりとした酸味のバランスが抜群。海外でも早くから日本の代表的なワインとして評価されています。白ワイン、辛口です。

グランポレール 甲斐ノワール

甲斐ノワール種を使ったミディアムボディの赤ワイン。上品な香りに、嫌味がないタンニンと酸味が特徴。

長野産

グランポレール 安曇野池田ヴィンヤード シャルドネ

シャルドネ種を100%使った辛口の白ワイン。パイナップルやリンゴの香りとバニラの風味が特徴。

北海道産

北海道ワイン おたる特選ナイヤガラ

北海道産のナイヤガラのもっとも糖度の高いぶどうを使った甘口の白ワイン。ぶどうをそのまま食べているかのようなフルーティーで豊かな果実感が特徴。アルコール度が8%と低めなので初心者さんにもおすすめ。

北海道ワイン おたる 赤 甘口

国産の生食・ワイン用黒ぶどうをブレンドし、豊かな果実味と優しい甘さが感じられるワイン。渋みが抑えられているため、赤ワインが飲みにくいという人にもおすすめです。フルーティーな味わいと、ぶどうの甘酸っぱい香りを存分に味わえます。冷やして飲むほか、ホットワインにしてもおすすめ。

まとめ

日本全国でぶどうが栽培され、多くの地域でワインが造られています。山梨県、長野県、北海道などが主要な産地として知られており、それぞれ独自の味わいや特徴を持っています。日本ワインはその独自性や品質から注目を浴び、ますます多くの人々に愛される存在となっています。

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