パイナップルを大きく分けると5系統
世界には食用のパイナップルだけでも、200を超える品種があると言われています。
カイエン群
南米ギアナのカイエン地方で発見されたため、地名が由来となっています。世界で栽培されている生食や缶詰に用いられている品種のほとんどは「スムースカイエン」です。葉の先端のトゲは取り除かれ、ほとんど無棘の状態です。果実の重さは約1.5kgです。
クイーン群
葉に棘がある種で、果実の重さは小さめの約1.0kgです。果実に隙間があるため、手で切り離して食べられるため、「スナックパイン」とも呼ばれています。果肉は硬く、高い甘さがあって、香りが良く生食に適しています。
レッドスパニッシュ群
葉に棘があるもの、棘がないものの両方があります。果皮は硬く、糖度と酸味が低く生食には不向きの品種です。
ブランコ群
葉に棘がない品種で、果実をつけている部分が長く、果皮と果肉が柔らかい特徴があります。果肉は白色で、酸味が低く、糖度が高いのですが、パイナップル独特の風味が少ないです。
アマレロ群
葉に棘がない完全無棘です。果実は円錐形でパイナップルの実の根元から生えている新芽が多いことが特徴です。この分類から最近出回っている「ソフトタッチ」や「サマーゴールド」などは生食用の高品質で優良品種もあります。
生産量が多いパイナップル品種ランキング
世界的に多く生産されているパイナップルの品種はスムースカイエン種です。台湾原産のボゴール種(通称スナックパイン)や、日本で誕生したソフトタッチ種(通称ピーチパイン),
ゴールドバレル、サマーゴールド、デルウモンテ社のデルモンテゴールド、ドール社のスウィーティオパインなども多く栽培されています。
人気ランキング
※2024年8月のデータ国産パイナップルの品種別ランキング
- 1位 N67-10
- 2位 ボゴール
- 3位 ソフトタッチ
- 4位 ゴールドバレル
- 5位 沖農P17
国産パイナップルのほとんどは沖縄産!
日本で栽培されているパイナップルのほとんどは沖縄県で栽培されています。2021年の収穫量は約6,990トン。国産パイナップルで多く栽培されている品種もスムースカイエン種です。
国産パイナップルのほとんどが沖縄県で栽培されている理由は、土壌と気候が大きく関係しています。パイナップルが美味しく育つ条件は酸性の水はけのよい土と、年間を通して暖かい気候であることが必須項目だからです。パイナップルは10度を下回ると休眠状態になり、5度程度までは耐えられますが、日本全国を探してもこの条件に当てはまるのは沖縄県と鹿児島県のみです。
以上のことから、沖縄の南国特有の暖かい気候と、豊かな自然がパイナップルの栽培に適しているからです。
【2023年版】パイナップルの人気品種・銘柄とその特徴
世界でも多く生産されているパイナップルのスムースカイエン。日本でも沖縄などで栽培されています。酸味と甘みのバランスが良く、果汁も豊富でジューシーです。果実が柔らかく、完熟した果肉は口の中でとろけるほど柔らかいものがあります。重さは1~1.5kg程。生食でも美味しいですが、缶詰やジュースにも最適です。旬の時期は5月下旬頃から7月下旬頃まで。食べ頃の旬は6月中旬から7月中旬にかけてです。
ピーチパイン
ピーチパインはその名の通り、桃の特徴をもつパイナップルです。ピーチパインからは桃のような甘い香りが漂うので、この名で呼ばれています。1個の重さは400g~800g程度。一般的なパイナップルに比べると小ぶりサイズです。果肉は白っぽいですが、芯まで食べられるほどの甘さがあります。完熟したものは缶詰のシロップによりも甘みが強いです。石垣島では4月中旬から6月中旬頃、沖縄本島では6月中旬から7月末頃です。
スナックパイン
スナックパインは、パイナップル科のボゴール種です。葉に棘があり一般的なパイナップルよりもやや小ぶりです。果肉の隙間が大きく、手でも切り取れます。酸味が少なくて甘みが高く、香りが良いので近年では人気が高いパイナップルの1つ!
石垣島では4月下旬から6月下旬、沖縄本島では6月下旬から7月中旬に旬の時期を迎えます。重さは700g~900g程度なので、比較的小さくてコンパクトなサイズ感です。緑色のものと黄色いものの2種類があります。
ゴールドバレル
ゴールドバレルは大きく、1.3~2.2kgです。金色(ゴールド)に輝く樽(バレル)という名前が付けられているほど、果肉が美しい金色で樽のようなどっしりとした外見で、見た目も良いので贈答品としてもおすすめです!パイナップルのイガイガする感じや酸味がまったくなく、濃厚な甘さが特徴です。
ゴールドバレルの誕生には、「外国産にも負けず、生で食べても美味しい、最高の味と品質のパイナップルを作る!」という熱い想いが込められました。1989年の研究から約20年の歳月をかけて2006年に念願の新品種、ゴールドバレルが誕生しました。その美味しさから「国産パイナップルの最高峰」とも言われています。石垣島での旬の時期は5月から7月、沖縄では7月上旬から中旬頃。
台湾パイナップル(台農17号 金鑚パイン)
台湾産のパイナップルの中でも一番人気が高いパイナップルの「 金鑚(きんさん)パイン」。芯まで柔らかく、ジューシーで甘みが強いのが特徴です。果肉は黄金色で表皮はオレンジがかった色をしています。食べた時のピリピリとした酸味が少なく食べやすい品種です。
台湾は日本からも近く輸送時間を短縮することができます。そのため、パイナップルを完熟に近い状態で出荷できるためフィリピン産より甘みが強くなる傾向があります。旬の時期は3月中旬から7月頃です。
甘熟王パイン
コストコやスーパーなどでも手軽に購入できる、スミフルの甘熟王パイナップル。フィリピン産で甘さと酸味のバランスがよく、低価格なので普段のおやつにも最適です。水はけのよい酸性土壌で、有機質が多く含まれた土壌の園地で栽培されています。1玉の重さは約700g。
デルモンテゴールド
米国デルモンテ社が企画管理販売する高品質のブランドパイナップルです。1年中食べられているため旬はありませんが、1番美味しく食べられる時期は5月から8月です。生産地はフィリピンやハワイが中心になります。重さは2kg程度。大きなサイズなのに低価格なので普段のおやつとして購入しやすいです。
まとめ
スーパーでは国産パイナップルを目にすることはほとんどありませんが、フルーツ専門店や百貨店、インターネット通販では販売されているので、気になる方はぜひお取り寄せしてみてください!国産のパイナップルは、完熟近くまで畑でならした後に出荷されるため、十分な甘さを堪能できますよ!