洋梨の種類は?
ヨーロッパ原産のバラ科ナシ属の樹になる果実の総称が洋梨です。幸水や二十世紀などの「和梨」、中国および東アジア原産の「中国梨」と並ぶ梨の分類の一つでもあります。
世界的に見ると数千種類の洋梨の品種があるといわれていますが、日本で栽培されているものは20種類ほど。どんな品種が多く栽培・生産されているのかについては、この後詳しくご紹介しますね。
生産量が多い洋梨品種ランキング
洋梨は品種によって生産量や旬が異なります。国内で生産されている洋梨品種のシェア率(栽培面積)とランキングは以下の通りです。
- 1位:ラフランス 63.8%
- 2位:ルレクチェ 9.5%
- 3位:バートレット 5.9%
- 4位:オーロラ 3.7%
- 5位:ゼネラルレクラーク 3.6%
国内で最も多く栽培されている洋梨の品種は「ラフランス」。ラフランスは全国各地で栽培されていますが、名産地として知られるのは山形県です。
ラフランス、ルレクチェ、バートレットの上位3品種で、洋梨全体の栽培面積の約80%を占めているのが分かります。
2023年人気ランキング
※2023年売上データ洋梨の主な産地
洋梨の生産地は日本各地にありますが、そのうち生産量や出荷量、栽培面積におけるトップ3は以下の通りです。
- 1位:山形県 1万8,200トン
- 2位:新潟県 2,110トン
- 3位:青森県 1,870トン
洋梨栽培のトップはラフランスで知られる山形県。その量は国内シェアの68%です。新潟県はルレクチェ、青森県はゼネラルレクラークの生産量が多くなっています。
【2023年版】洋梨の人気品種・銘柄とその特徴
ここからは、具体的な洋梨の品種の特徴や旬の時期について見ていきましょう。今回は多数の品種の中から、特に人気の10品種をご紹介します。
品種ごとに味や食感などが異なるので、お好みの洋梨を見つけてくださいね。
ラ フランス
洋梨の品種の代表格といえば「ラフランス」ですよね。ラフランスの生産量トップは山形県。フランス原産のラフランスの見た目はゴツゴツとしていて緑色の皮に茶色の斑点(サビ)が入り、あまりきれいであるとはいえません。しかし果汁の多さとなめらかな口当たり、適度な酸味、上品な甘さは食べる人を魅了する美味しさです。
収穫後追熟期間をおき、市場に出回る時期は11月頃〜12月頃です。
ル レクチェ
ルレクチェは新潟県で多く栽培されている品種。とはいえ全国的に見ると生産量は少なく「幻の西洋梨」と呼ばれることもあります。
若いうちは黄緑色で熟すと黄色になる品種で、ラフランスと比べるとサビとゴツさはやや控えめです。ジューシーで糖度も高いのが特長ですが適度な酸味も感じられ、完熟すると芳醇な香りが漂います。旬の時期は11月下旬~12月下旬頃です。
バートレット
フランス生まれのラフランスやルレクチェに対し、バートレットはイギリス原産の洋梨。やや小ぶりでわりと整った「洋梨型」が特徴で、ルレクチェと同じく完熟前は黄緑色ですが熟すにつれて黄色みが増してきます。
完熟前の実は固さがありますが、熟すと柔らかくなり芳醇な香りが楽しめる品種。味は甘さ控えめで適度な酸味があり、缶詰に使われる品種としても知られています。早生(わせ)の品種で、9月上旬~10月上旬が旬の時期です。
シルバー ベル
山形生まれのシルバーベルはラフランスの妹分のような品種。形はラフランスよりもやや細長く、比較的きれいな洋梨型をしています、大玉の洋梨で大きいものでは800gほどになるものもありますが、味は決して大味ではありません。ラフランス譲りの甘い香りとみずみずしさ、甘さと酸味のバランスは絶妙で、この味わいにやみつきになる人も多いといいます。
晩生(おくて)の品種で、市場に出回るのは12月に入ってからになります。
スター クリムソン
他の洋梨とは少し違った真っ赤な果皮を持つ洋梨。原産はアメリカです。完熟すると濃く深い赤色からきれいな赤色に変化します。とはいえ色で完熟を見極めるのは少し難しいので、軸付近の弾力なども参考にしながら完熟を見極めましょう。
早生(わせ)の品種で、9月上旬~中旬頃が旬の時期です。
ドワイアンヌ デュ コミス
フランス原産の洋梨。きめ細かく柔らかい果肉は舌触りなめらかで甘さと酸味のバランスが良く、芳醇な香りも楽しめます。しかし栽培が難しいため生産量は少なく、ほとんど市場に出回りません。
旬は10月中旬〜11月上旬頃まで。数が少ないため店頭で見かけたら、即買いしないとすぐに売り切れてしまうかもしれませんよ。
ゼネラル レクラーク
フランス原産のゼネラルレクラークは、ドワイアンヌ デュ コミスの血を引く大玉の高級品種。ジューシーでとろけるような口当たり、甘さと酸味のバランスの良さ、濃厚な味わい、特有の香りが特長で、熟す前は黄色にサビが入ったような色ですが完熟すると黄金ともいえる深い黄色に変化します。
1977年に青森県の試験場が苗木を取り寄せ日本に導入されたゼネラルレクラークは、その後青森県の南部町で栽培に成功し、現在も青森県で多く生産されています。
食べ頃は10月下旬から12月頃までなので、お歳暮ギフトなどにもおすすめですよ。
マルゲリット マリーラ
500gほどにもなる大玉の洋梨「マルゲリットマリーラ」はフランスで発見された品種。比較的整った洋梨型をしており、収穫時に黄緑色であった表皮は完熟すると黄金色になってきます。
ジューシーでなめらかな口当たりと芳醇な香りが特長で、糖度はそれほど高くないものの酸味が少なく上品な甘さを楽しめます。9月下旬頃からが食べ頃の時期です。
オーロラ
マルゲリットマリーラとバートレットを親に持つ、アメリカ・ニューヨーク生まれの洋梨。
大きめでお尻の大きなどっしりとした形をしています。熟すと黄緑色から黄金色に変化し、食べ頃の分かりやすさも特徴の一つ。果汁たっぷりの柔らかい果肉ととろけるような食感、甘みと酸味のバランスの良さなど、洋梨の良いとこ取りといっても過言ではない味わいです。
早生種なので旬は9月中旬〜下旬頃になります。
バラード
バートレットとラフランスを掛け合わせた山形生まれの洋梨。ラフランスは熟しても黄色くならないものも多いのですが、このバラードは熟すと黄色くなるため、オーロラ同様食べ頃がわかりやすい品種でもあります。
高い糖度と優しい酸味、ジューシーでソフトな口当たりは、親のラフランスを超えると評判の美味しさです。
バラードは10月に入る頃に旬を迎えます。
まとめ
洋梨の人気品種について、味や旬の時期などの特徴をご紹介しました。洋梨にはラフランス以外にもたくさんの品種があり、それぞれ違った魅力があります。また旬の時期も品種によって異なるため、食べ頃をチェックしていろいろな品種の洋梨を味わってみてくださいね。