梨の種類は?
梨は、大まかに3つの種類に分類されます。
どのような種類があるのか、解説します。
和梨
梨の種類1つ目は、和梨です。
一般的に梨といえば、この和梨を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。丸い形で、シャリっとみずみずしい食感が特徴です。
また和梨は、果皮が黄褐色の「赤梨」と、黄緑色の「青梨」の2つに分けられます。赤梨は甘みが強く、青梨は甘みに加え、爽やかな酸味も楽しめるそうです。
旬の時期は、7月から1月頃にかけて。品種によっても大きくバラつきがあります。
中国梨
梨の種類2つ目は、中国梨です。
原産国は中国で、日本ではあまり栽培されていません。見た目は洋梨のような形をしていますが、食感は和梨によく似ており、シャキシャキとしています。代表的な品種は、千両(身不知)、鴨梨(ヤーリー)、慈梨(ヤーリー)などです。
旬の時期は9月から10月下旬頃。香りが非常に良く、贈答品としても人気が高い梨です。
洋梨
梨の種類3つ目は、洋梨です。
ギターのような形をしており、柔らかくとろけるような果肉が特徴の洋梨。日本では主に山形県や秋田県、新潟県などで栽培されています。
代表的な品種はラフランス、ルレクチェなど。どちらも9月から12月頃にかけて旬を迎えます。
生産量が多い梨の品種ランキング
令和2年度の農林水産省の調査によると、生産量が多い梨の品種は、以下のようになっています。
- 第1位:幸水
- 第2位:豊水
- 第3位:新高
幸水の産地は千葉県や茨城県、豊水の産地は千葉県、福島県、茨城県。新高の産地は千葉県、新潟県などです。どれも味のバランスがよく、長きにわたり愛され続けている定番品種だといえるでしょう。
7~8月の梨人気ランキング
※2024年7~8月のデータ梨の主な産地
日本での梨の主な産地は、千葉県、茨城県、栃木県です。
梨は全国的に栽培されていますが、主な産地は関東圏に集中しています。
梨の生産量第1位の千葉県は、海に囲まれた温暖な気候と栄養豊富な火山灰土壌が特徴。美味しい梨が栽培できる条件が揃っており、梨の名産地となっています。主力品種は「幸水」「豊水」などです。
茨城県は、寒暖差が激しい気候と綺麗な水、豊かな土壌があることから、梨の生産量は千葉県に次ぐ第2位を誇ります。茨城県オリジナル品種である「恵水」は、人気の品種のひとつです。
栃木県では日照時間が長いため、太陽の光をたっぷり浴びた甘い梨が育つといわれています。県オリジナルの品種、「にっこり」「おりひめ」などが人気で、梨の生産量は国内第3位となっています。
【2023年版】梨の人気品種とその特徴
たくさんある梨の品種の中でも、人気の品種はどれなのでしょうか。
梨の人気品種とその特徴をご紹介します!
新高(にいたか)
梨の人気品種1つ目は、「新高(にいたか)」です。
主に熊本県、千葉県、新潟県などで栽培されている新高。酸味が少なめで果汁がたっぷり、甘くてジューシーな味わいが特徴です。
また、梨の中でも大き目の品種で、小さいものでも1玉800gほどにもなるといわれています。梨の平均的なサイズは1玉300gほどなので、非常にインパクトのある大きさだといえるでしょう。
幸水、豊水の次に生産量が多く、国内では主力品種のひとつです。旬の時期は9月下旬から10月中旬頃。一際大きくて甘い梨が食べたいときは、新高を選ぶと良いかもしれません。
二十世紀梨
梨の人気品種2つ目は、「二十世紀梨」です。
二十世紀梨とは、主に鳥取県で栽培されている青梨の一種。ほどよく柔らかい果肉で、みずみずしく果汁を多く含んでいます。爽やかな酸味と甘さが楽しめる品種です。
鳥取県での旬の時期は、8月下旬から9月下旬頃。さっぱりとした甘さの梨が食べたいときにはおすすめです。
あきづき
梨の人気品種3つ目は、「あきづき」です。
主に千葉県、茨城県で栽培されている「あきづき」。「新高」と「豊水」、「幸水」をかけ合わせて誕生した品種です。
幸水ゆずりのシャキシャキ食感と、豊水らしい柔らかさも楽しめます。また、新高の特徴でもあるしっかりとした甘さもあり、まさに3つの品種の良いとこ取りをしたような梨だといえるでしょう。旬の時期は9月中旬頃です。
かおり
梨の人気品種4つ目は、「かおり」です。
千葉県を中心に栽培されている「かおり」。1玉あたり1kgを超えることもあるほどの大玉で、豊富な果汁が楽しめます。梨らしい芳醇な甘い香りが強く、甘さと酸味のバランスが良い品種です。
旬の時期は9月上旬から中旬頃。旬の時期が短く、生産量が少ないため、あまり市場には出回りません。見かけたら、ぜひ購入してみてくださいね。
にっこり
梨の人気品種5つ目は、「にっこり」です。
栃木県のオリジナル品種でもある「にっこり」。10月中旬から11月にかけて旬を迎える晩生の赤梨です。貯蔵性に優れており、冷蔵庫で上手に保存すれば年明けまで日持ちするといわれています。
果肉は緻密で硬め。しっかりとした甘さもあります。1玉当たりの平均的なサイズは800gほどあり、新高と同じく大きめのサイズが特徴です。
幸水
梨の人気品種6つ目は、「幸水」です。
梨の中でも最も多い生産量を誇る「幸水」。食卓でもよく目にする品種ではないでしょうか。
甘さと酸味のバランスは抜群で、豊富な果汁が特徴。長年に渡り愛され続けている梨の定番品種です。
主に千葉県、茨城県で栽培されています。旬の時期は7月から9月頃です。オーソドックスな梨を食べたい方は幸水を選んでみてはいかがでしょうか。
豊水
梨の人気品種7つ目は、「豊水」です。
「幸水」の次に多く栽培されている「豊水」。双方とも定番品種ではありますが、豊水は幸水に比べて少しだけ大きく、やや柔らめの果肉でさっぱりとした味わいが特徴です。
主に千葉県、福島県、茨城県で栽培されており、旬の時期は8月から9月頃にかけて。幸水よりも少しだけ遅めに旬を迎えます。
新甘泉(しんかんせん)
梨の人気品種8つ目は、「新甘泉(しんかんせん)」です。
鳥取県オリジナル品種の「新甘泉」。やや硬めの果肉と濃厚な甘さが特徴で、糖度は13度~14度ほどにもなるそうです。梨の平均的な糖度が10度程度なので、新甘泉は梨の中でもとても甘い品種だといえます。
旬の時期は8月下旬から9月上旬頃。鳥取県でしか栽培されていない希少な品種です。
愛宕(あたご)
梨の人気品種9つ目は、「愛宕(あたご)」です。
主に岡山県で栽培されている「愛宕」。1玉当たり1kgほどの重さがあり、「日本一大きい梨」といわれています。
やや粗めの果肉で、梨らしいシャリ感とさっぱりとした甘さが味わえます。旬の時期は、11月から1月頃。日持ちするのでお歳暮にはぴったりです。
長十郎(ちょうじゅうろう)
梨の人気品種10個目は、「長十郎(ちょうじゅうろう)」です。
青森県や宮城県で栽培されている長十郎。100年以上も前から栽培されている歴史ある品種です。大正初期にはシェア6割を占めたこともある人気の高い品種でしたが、現在はあまり栽培されていません。
甘さはさっぱりめで、果肉は硬め。旬の時期は8月中旬から10月頃です。あまり日持ちしない品種なので、購入したらなるべく早めに食べるようにしましょう。
まとめ
数ある梨の品種の中でも特に人気が高いのは、
- 新高
- 二十世紀
- あきづき
- かおり
- にっこり
- 幸水
- 豊水
- 新甘泉
- 愛宕
- 長十郎
などです。
まずは定番の梨を食べたい!という方は、幸水、豊水、新高を選ぶと良いかもしれません。甘めの梨がお好みであれば、かおり、新甘泉、あきづきなどがおすすめです。さっぱり目の梨であれば、二十世紀、長十郎などを選ぶと良いでしょう。
梨は、品種ごとにそれぞれ特徴があります。旬の時期にいろいろ食べ比べてみて、お気に入りのひとつを見つけてみてはいかがでしょうか。